【早わかり】自転車反則金制度(青切符):いつから、対象年齢、罰金額、取り締り方法等

警察庁が自転車に対する青切符の導入を検討していることは以前から報じられていましたが、2023年12月下旬に大手の報道機関などがこの件に関する具体的な内容を一斉に報道しました。

未だ詳細までは固まっていないようですが、これが導入されると、自転車を使用する日常生活への影響が大きいような気がします。

そのため、現在、分かっていることをQ&A形式で紹介したいと思います。

【主な参照資料】
●警察庁 「自転車の交通違反に対する交通反則通告制度の適用」https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/bicycle/kentokai/03/siryou3.pdf

●NHKや日経新聞、毎日新聞などのこの件に関する記事

自転車に対する「青切符」とは?

自転車に対する「青切符」とは、軽微な交通違反に対して反則金を課す行政手続きです。

原付や自動車に対する反則金制度「交通反則通告制度」と同じものです。

青切符

なぜ、自転車に対して「青切符」が導入される?

自転車の交通違反による事故が増加していることが、自転車への「青切符」導入の背景にあります。

現在、自転車の交通違反の取り締りの多くは、交通ルールが書かれたカードを違反者に見せる「警告」などが行われていて、罰則は伴いません。

自転車指導警告票

一方、自転車運転者の悪質な違反には交通切符、いわゆる「赤切符」が交付されていますが、その多くは起訴されず、罰則が適用されるケースは少ない状況です。

赤切符

このように、現状では自転車運転の法令違反者の大半がペナルティを負っていません

青切符は、供述調書の作成などが必要な赤切符に比べ、迅速に手続きを進められます。

このようなことから、警察庁が設置した有識者会議は2023年12月に、「効果的な違反処理を可能とするため、自転車を交通反則通告制度(青切符)の対象とすることが望ましい」との中間報告書をまとめました。

「赤切符」と「青切符」の違いとは?

自転車に対する「赤切符」の制度は既にあり、飲酒運転をした場合や携帯電話を使用しながら事故につながりかねない『危険な運転』をした場合などの重大な交通違反に対して刑事罰を科す手続きです。

自転車の飲酒運転は「赤切符」

次の図の上段の「一般的な刑事手続(事件)の流れ」のように、道路交通法違反で「赤切符」を切られた場合、警察での捜査の後、検察庁、裁判所に送られ、有罪となれば刑罰を受け前科が付いてしまいます。

赤切符と青切符の手続きの違い
図は、警察庁「自転車の交通違反に対する交通反則通告制度の適用」の資料より引用https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/bicycle/kentokai/03/siryou3.pdf

先程の図の下段「交通反則通告制度と刑事手続との関係」が「青切符」の場合で、反則金を支払えば、そこで手続きは終了で前科も付きません。

但し、反則金を納付しなければ「赤切符」と同様に検察庁に送致され、もし起訴されて有罪となればペナルティが課せられ、前科が付くことになります。

次の記事に紹介したように、自転車の場合は「赤切符」を切られても、その多くは起訴されず、罰則が適用されるケースは少ないというのが実情です。

いつから自転車反則金(青切符)が導入されるのか?

警察庁は今年2024年の通常国会に道交法の改正案を提出する方針です。

法整備の手続きが順調に進めば、2026年にも自転車への反則金が導入される見通しです。
(参考:日本経済新聞 「自転車反則金、26年にも導入 信号無視5000~6000円想定」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE136EJ0T11C23A2000000/

重点対象となる違反行為はどんなものか?

「青切符」の対象となるのは100余りの違反で、このうち重点的に取り締まるのは事故につながるおそれのある重大な違反行為としています。

警察庁の次の資料には、重大な違反行為として以下の行為が列挙されています。
(参考: 警察庁 「自転車の交通違反に対する交通反則通告制度の適用」   https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/bicycle/kentokai/03/siryou3.pdf

取り締りの重点対象行為

● 信号無視


● 指定場所一時不停止


● 通行区分違反(右側通行、歩道通行等)


● 通行禁止違反


● 遮断踏切立入り


● 歩道における通行方法違反


● 制動装置不良自転車運転(ブレーキが利かない自転車に乗ること)


● 携帯電話使用等


● 公安委員会遵守事項違反(傘差し、イヤホンを付けての運転など)

対象は何歳から?

対象となるのは、16歳以上の自転車利用者です。

これは、最低限の交通ルールを知っていると考えられることや、原付き免許などを取得できる年齢であること、そして、電動キックボードを運転できる年齢であることなどが考慮されたとのことです。

反則金はいくら?

反則金は、違反の内容によって異なりますが、5,000円から1万2,000円程度が想定されています

未成年も反則金を払う?

未成年者であっても16歳以上であれば、自転車で交通違反を犯した場合に反則金通告制度の対象となります。

なお、未成年者が反則金を納付しない場合、成年者とは異なり、家庭裁判所で審判を受けることになります。

いつ取り締まるのか?

取り締りは通勤や通学の時間帯や事故が増える時間帯に行われるようです。
(参照 警察庁 「自転車の交通違反に対する交通反則通告制度の適用」   https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/bicycle/kentokai/03/siryou3.pdf

どこで取り締まるのか?

上記の『警察庁 「自転車の交通違反に対する交通反則通告制度の適用」』の資料によれば、次の場所での取り締まりが想定されているようです。

取り締り場所

歩道上における自転車と歩行者の交錯、車道における自転車の信号無視等の実態から自転車関連事故が現に発生し、又は発生が懸念され、自転車交通秩序の実現が必要であると認められる地区・路線をいう。

選定は警察署単位で行い、例えば

○ 自転車通勤者等が集中する駅周辺

○ 自転車通学の学生等により、悪質・危険な自転車の運転が問題となっている通学路等

○ 自転車利用者が特に多い地区・路線

など、地域の実情に応じて選定されている。

このほか、交通死亡事故(自転車関連)が発生した場所等、指導取り締りが必要と認められる場所において行う。

(警察庁 「自転車の交通違反に対する交通反則通告制度の適用」の資料からの引用   https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/bicycle/kentokai/03/siryou3.pdf

どのように取り締る?

警察官の警告に従わずに違反行為を継続したときや、違反行為により通行車両や歩行者に具体的危険を生じさせたときなどには、積極的に取り締りを行う」とされています。

毎日新聞には、「危険性の高い行為を除き、違反を見つけた瞬間に取り締まるわけではなく、まずは指導・警告するのは変わらない」という警察庁幹部の言葉が引用されています。
( 毎日新聞の記事 https://mainichi.jp/articles/20231219/k00/00m/040/178000c

どうやって本人確認をするのか?

自転車は免許証を持っていなくても利用でき、そのため違反者を捕まえたときに本人確認をできない可能性があります。

本人確認の方法については警察庁の青切符導入に関する資料にもその説明は見当たらず、未だよく分かりません。

一般的には、本人確認をする方法として以下の方法が考えられます。

○ 身分証明書の提示を求める

運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど、氏名、住所、生年月日が記載されているもの

身分証明書

 

○ 自転車の防犯登録の確認をする。
自転車の防犯登録は義務化されているので、自転車には防犯登録のシールが貼られているはずです。

サイクルショップなどで自転車を購入した際に防犯登録を行い、ステッカーが車体に貼られますが、あれのことです。

防犯登録シール

 

このシールに記載されている番号などの情報から、登録者の氏名や住所を調べることができます。

○ 違反者の住所などを特定して、後日出頭を求める

違反者の身分証明書や防犯登録情報の提示がない場合、警察官は、違反者の住所などを特定して、後日出頭を求めることで、本人確認を行うことができます。

以上が一般的に考えられる方法ですが、自転車運転には運転免許が不要なため、例え身分証を所持していても隠して呈示しない、更には、虚偽の氏名や住所を警察官に告げる人が出てくるのは容易に想像できます。

もちろん本人確認が難しい場合に任意同行をするという対応はできるでしょうが、自転車の軽微な違反に対して警察官がいちいちこれを行うのは費用対効果の観点から難しいでしょう。

そのため、注意をするだけで放免する可能性はあると思われます。

ただ、青切符導入の趣旨は「現状では自転車の交通違反者の大半がペナルティを負っていないので、違反を減らすためにこの現状を是正する」ことだと思いますので、これだとその趣旨と反してしまいます。

この点に関する詳細が明らかになるのを待ちたいと思います。

青切符を切られたら自転車運転者講習の受講命令が課せられる?

交通反則通告制度(青切符)、刑事手続(赤切符)の違いによらず、危険行為を反復して行った場合は、自転車運転者講習の受講を課されるようになると思われます(次の図を参照)。

警察庁 「自転車の交通違反に対する交通反則通告制度の適用」の資料からの引用   https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/bicycle/kentokai/03/siryou3.pdf

自転車を使用する日常生活への影響は?

あまりまとまりはないですが、どんな影響がありそうなのか、思いつくことを列挙してみます。

○ 反則金導入で、自転車利用者のマナー向上や自転車による交通違反の減少が期待されます。

○ 反則金を科せられることは、自転車利用者の負担を増加させる可能性があります。
16歳以上が対象ですので、自転車に乗る高校生の子供がいれば、子供が青切符を切られて親が反則金を支払うこともあるでしょう。
特に、経済的に余裕のない人にとっては、大きな負担となる可能性があります。

○ 自転車で配達業務をしている人への影響も少なくないと思われます。
近頃はウーバーイーツや出前館のように、自転車で品物を配達して報酬を得る仕事をしている人が増えてます。
中には目標の配達件数をクリアすると追加報酬が出す企業もあり、ゲーム感覚でこの報奨をゲットしようとする自転車配達員もいて、交通ルールを守らない一因にもなっているようです。
多くの人は業務委託配達員、つまり「個人事業主」としてこの仕事をしているので、青切符を切られれば自分で反則金を支払わなければならず、報奨金どころか稼ぎが減ることになります。

○ 「開かずの踏切」のため、やむを得ず遮断器が降りている踏切に自転車で立ち入りをしている人は反則金を課せられる恐れがあるので、これを控えるようになるでしょう。
なお、「開かずの踏切」とは、ピーク時に1時間あたり40分以上遮断されている踏切のことで、全国に数百か所もあると言われています。
恐らく、鉄道会社や行政に対して「開かずの踏切」問題の早期解決を迫る圧力が高まると思います。

○ 反則金を科せられることにより、自転車利用者が減少する可能性があります。
特に、悪質な違反を繰り返す人にとっては、自転車を利用すること自体が難しくなる可能性があります。

海外でも自転車に対する反則金制度があるのか?

自転車に対する反則金制度が既に導入されている国は少なくありません

例えば、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどでは、自転車の交通違反に対して反則金を課す制度があります。
(参考: 警察庁「海外調査研究結果」の資料https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/bicycle/kentokai/04/siryou05-2.pdf

はい、以上です!

警察庁が導入を検討している自転車反則金(青切符)について、現状で分かっている点をまとめてみました。

参考になれば幸いです。

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