立ったり歩いたりする運動機能が低下していないかどうかを、ロコモ(ロコモティブシンドローム)度テストでチェックできます。
当初、40cmの台から片脚で立ち上がるテストをクリアできず、密かに自信を抱いていた私は悔しい思いをしました。
ところがコツがあることを知り、それを試してみたらできるようになりました!
同じ悩みをお持ちの方に、それを紹介したいと思います。
なお、行ってみようとする方は、くれぐれも安全に気を付けてください。
目 次
健康寿命を延ばすためには、立ったり歩いたりする身体能力が大切
健康寿命を延ばしたい!
健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義されています。
つまり、寝たきりになったりして、支援や介護をしてもらわなければ生活できなくなったりすると、残念ですが、そこで健康寿命は終わりということです。
2019年では、平均寿命(生存する平均年数)と健康寿命との差は男性8.73年、女性12.06年でした。

(厚生労働省「第16回健康日本21(第二次)推進専門委員会資料」)
これだけの長い期間、日常生活に制限のある「健康ではない期間」があることになります。
また、支援や介護をしてくれる人に長い間世話をかけます。

ただ長生きするだけでなく、私たちが望むのは、なくなる直前まで元気に活動するピンピンコロリ(PPK)の人生であり、不幸にして長期の寝たきりになって亡くなるネンネンコロリ(NNK)ではないでしょう。
(「健康長寿プロジェクト」より引用 https://ikiiki-laboratory.com/ppk/ )
私は、自転車という素晴らしい道具を活用して健康寿命をできるだけ伸ばし、ピンピンコロリとあの世に行けることを願っています。
健康寿命が終わってしまう一番の原因は、骨折や関節の病気など運動器の故障
要支援者、要介護者になって健康寿命が終わってしまう原因というと、認知症や脳血管障害(脳の血管が詰まる脳梗塞や脳の血管が破れる脳出血、くも膜下出血など)を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
実際には、次の図のように、原因のトップは転倒や骨折、関節の病気などによる運動器の故障だそうです。

(日本整形外科学会 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト「ロコモONLINE」のHPより転載 https://locomo-joa.jp/locomo/ )
ロコモ度テストで、立ったり歩いたりする身体能力の程度が分かる
この原因をみると、「立つ」「歩く」といった移動のための運動機能の維持が、健康寿命を長くするために重要ということですね。

この機能が低下している状態は、ロコモ(ロコモティブシンドローム)と呼ばれます。
自分がロコモかどうかは、ロコモ度テストで判定できます。
ロコモ度テストには3つのテストがあります。
(詳しい説明は日本整形外科学会 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト「ロコモONLINE」 https://locomo-joa.jp/ をご覧ください)
(1)立ち上がりテスト
このテストでは脚の筋力を測ります。
座った姿勢から、片脚または両脚で立ち上がれるかどうかによってロコモ度を判定します。
台は40cm、30cm、20cm、10cmの4種類の高さがあり、高い台から低い台へと順にテストをします。
脚の筋力が弱まると移動機能が低下するので、立ち上がるのに困難がある場合はロコモの可能性があります。

(2)2ステップテスト
このテストでは歩幅からロコモ度を測定します。
歩幅がどれ位かを調べることで、下肢の筋力・バランス能力・柔軟性などを含めた歩行能力を総合的に評価します。

(3)ロコモ25
このテストは25の質問からなる問診票に答えることで行います。
身体の状態や生活状況に関する質問への回答からロコモ度を測定します。

これら3つのテストをやってみて、それぞれ、ロコモ度1、ロコモ度2、ロコモ度3のどの段階に該当するかを調べます。
該当したロコモ度のうち、最も移動機能低下が進行している段階が判定結果となります。
各ロコモ度の状態の概要は次のとおりです。
どのテストもロコモ度の段階に該当しない場合はロコモではないということになります。
ロコモ度テスト(立ち上がりテスト)を受けた人の結果が次の図です。
この図によると、男性も女性も74歳以下の人の過半数はロコモ度はゼロ(青色、水色)、すなわちロコモではないという判定結果になっています。
また、75歳以上の人の場合は、半数以上がロコモ度1以上(黄色、オレンジ、赤)です。

片足立ちテストクリアできない!
自分のロコモ度はどのレベルなのか、気になりますよね。
私は、「2ステップテスト」と「ロコモ25」は、ロコモではないという結果になりました。
ところが、「立ち上がりテスト」では次のロコモ度1という結果でした。
ロコモ度1
どちらか一方の脚で40cmの台から立ち上がれないが、両脚で20cmの台から立ち上がれる
私は両脚なら10cmの台からでも、立ち上がれます。
【両脚の場合】

ところが、片脚だと40cmの台から立ち上がれません。
ということで、ロコモ度1なのです。
【片脚の場合】

なお、立ち上がりテストの詳しい説明と実演は、こちらのYouTubeが参考になります。
埼玉医科大学の准教授の先生が10cmの高さの台から片脚立ち上がりを実演してみせ、なかなか見ものです!
私は日常的に運動をしており、体年齢は実年齢よりも若いとずっと思っていたので、このロコモ度1という判定結果にかなりショックを受けました。
何の健康関連の商品かは忘れましたが、テレビのコマーシャルで、最初に中年の男女が登場し、二人とも片脚での立ち上がりテストに失敗し、次に出てきた高齢の女性がテストをクリアして、こんな人になりたくありませんかと訴求しているのを見ました。
こういうコマーシャルを見るにつけ、ロコモ度1という結果に「悔しい~」という思いを抱いていました。
私は身長がかなり高く、背の高さに関係なく、40cmの台から立ち上がれるかどうかで判定するこのテストはおかしいとさえ思いました。
ちょっとしたコツで「立ち上がりテスト」をクリアできた
ところが、最近、コツを知ることで、片脚立ち上がりテストをクリアできるようになりました。
それは、次の記事を偶然に見つけたからです。
その記事には次のように、片脚立ち上がりテストのコツが書かれていました。
(公益社団法人 大阪府鍼灸マッサージ師会の「健康生活応援誌」の記事 https://osmk.osaka.jp/wp-content/uploads/2023/07/vol.39.pdf より抜粋)
立ち上がりテスト (片脚の場合)のポイント
【上半身は傾けるのではなく、スライドするように】
両脚で立ち上がる時、 頭も重心 (胸あたり) もそのまま真ん中にありますが、片脚で立つ場合、床に着いた足側へ重心を移動してからでないと、 反対側へ倒れてしまいます。
X 多くの人は上半身を斜めに傾けるようにします。 (イラスト左) 結果、 一番重い頭が外側へ落ちる力に耐えねばならず、バランスを崩して立ち上がれずに終わります。
〇 これを防ぐには上半身を傾けず、頭から胸あたりまでが垂直になって、片脚に相対する形をとればいいのです。 (イラスト右)
横腹を外側に張り出して、支える足の親指の後におへそがくるくらいまで、上半身をスライドさせてみましょう。
このまま、 身体を前に倒せば、 重心が足の内側にかかりバランスがとりやすく、肩、頭が水平であるため、揺れも少なくなります。

このコツのとおりにやってみると、ちゃんとできました!
頭ではやっているつもりでも、実際にできているかどうか分からなかったので、初めのうちは鏡を前に置いて自分の姿勢をチェックをしながら行いました。

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はい、以上、片脚で立ち上がるコツを紹介しました。
最初にも書きましたが、もし、このコツを試してみようとする際には、転倒などしないよう、くれぐれも安全に気をつけて行ってください。
【ロコモ度1】
移動機能の低下が始まっている状態です。
【ロコモ度2】
移動機能の低下が進行している状態です。
自立した生活ができなくなるリスクが高くなっています。
【ロコモ度3】
移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている状態です。
自立した生活ができなくなるリスクが非常に高くなっています。