自転車運動は驚きの万能薬 : 生活習慣病予防、若返り、便秘解消、ストレス解消、膝痛軽減

サイクリングには健康に良い多くの効き目があります

自転車は老若男女、誰でも簡単にできる運動です。

また、家を出てすぐにできるので、忙しい人や、運動するための準備や施設への行き来が煩わしいと思う人がお手軽にできる運動です。

また、サドルに座ってペダルをこぐというスタイルなので、足腰などへの負荷が比較的少なく、辛さを感じにくいという特徴があります。

そのため、自転車運動は医療関係者から病気の予防や軽減の療法としてよく勧められます

ところが、自転車を持っている人の大半は、近距離をちょっと移動する道具としてしか自転車を使っておらず、運動効果をあまり得ていないという調査結果があります。

もったいないですね。

この記事では、もっと自転車に乗る方が増えるように、自転車の様々な健康効果を紹介したいと思います。

有酸素運動で生活習慣病の予防や改善、ガン発症リスクの減少

有酸素運動という側面から、自転車の健康効果を紹介します。

過去の記事で、世界保健機関(WHO)が「1週間で150~300分の中等度の有酸素運動」を健康の維持・改善のために推奨していることを紹介しました。

このように、有酸素運動を続けることが、生活習慣病の予防や改善に良いということはよく聞きます。

生活習慣病とは、飲食や運動、喫煙、ストレスなどに関する生活習慣が原因で起こる病気の総称です。

中高年にはお馴染みですね。

日本人の三大死因である「がん」「脳血管疾患」「心疾患」といった深刻な病気の要因となります。
更に動脈硬化症や糖尿病、高血圧症、脂質異常症なども生活習慣病とされています。

なぜ「有酸素運動は生活習慣病の予防や改善に良い」のか、その理由を少し調べてみました。

有酸素運動は「酸素を消費して体内の脂肪を燃焼させることで、筋収縮のエネルギーを発生させる運動」です。

脂肪の燃えやすさの順位は「血管内」⇒「内臓脂肪」⇒「皮下脂肪」の順だそうです。

内臓脂肪を燃焼して減らせることが、有酸素運動が健康に良い理由のようです。

では、逆に、内蔵脂肪が増えると何がマズいのでしょうか?

この図の下半分にありますように、脂肪細胞がたまり過ぎると、血液中に分泌される中性脂肪が増え、善玉とよばれるHDLコレステロールが減少し、悪玉とよばれるLDLコレステロールが増加していきます。

京都府医師会のWebページより「内臓脂肪の働き」の図を転載 https://www.kyoto.med.or.jp/health/panel.shtm

また、内臓脂肪が増えると、血液中に糖分が多くなります
(参考資料:総合南東北病院 「内臓脂肪とメタボリックシンドローム」https://www.minamitohoku.or.jp/up/news/konnichiwa/200604/naizousibou.htm

さらに、インスリンの働きが低下して、糖分がエネルギーとして利用されなくなり、ますます血液中に糖分が増え高血糖になってしまいます。


高血糖の上に運動不足などが加わると、あの恐ろしい糖尿病になってしまう恐れがあります。

また、内臓脂肪が増えると、血管が硬くなって弾力性が低下し、血圧が上がります

血糖値が高くなることでも血圧は上がり、高血圧になってしまいます。

このような状態になると、血管壁にコレステロールがたまって塊ができ、血管が狭くなります。

これが破れると血栓ができ、血管を完全に塞いでしまうことがあります。

このような血管の障害が心臓で起これば心筋梗塞に、脳で起これば脳卒中になります。

さらに、内臓脂肪はさまざまな「炎症物質」を放出して、体の中で慢性の炎症を引き起こし、これががんの発症や進行に関係するといわれています。

長くなってしまいましたが、以上のように内臓脂肪が増えることで生活習慣病のリスクが高くなります

逆に、内臓脂肪を減らすことで、上記のような生活習慣病のリスクを下げることができます

特にサイクリングは続けやすい有酸素運動という特徴があります。

ウォーキングも良い有酸素運動ですが、自転車は座ってペダルをこぐというスタイルなので、膝や腰に優しく、スピードが速く風を切って走る爽快感により、運動の辛さを感じにくいというメリットがあります。

そのため、ウォーキングよりもより長く続けやすい有酸素運動なので、医療関係者から勧められています。

筋肉運動で「若返り物質」マイオカインという物質が体内で作られる

ここ数年、若返り物質と呼ばれるマイオカインが注目されるようになってきました。

(参考: 公益財団法人札幌がんセミナー 「健康長寿にとにかく運動! とは本当か?」 https://bit.ly/3EXpdFL

当ブログでも下の記事で紹介しました。

マイオカインには未だ分かっていないことが多い段階のようで、製薬会社やサプリメントメーカーはマイオカイン関連の創薬やサプリメント開発を狙って研究を進めているようです。

ただ、薬やサプリが出てくるのを待たなくても、単に筋肉を動かす運動をするだけでマイオカインが体内で作られるそうです。

マイオカインは、骨格筋で糖や脂質をエネルギーに変える際に働くだけではありません

骨格筋と隣接する骨や、離れたところにある血管、腸や脳、皮膚などに対して、ホルモンのような作用を発揮してその機能を支えることが分かったのです。

では、どうやったらマイオカインを出せるのでしょうか?

マイオカインを効率よく安定的に分泌させるには、太ももなどの大きな筋肉を鍛えることがすすめられます。

運動の負荷は軽くてもかまわないことがわかっています。また、毎日でなくても、週3~5日程度行うだけでも効果があると言われています。スクワットは太ももなど下半身の筋肉を鍛えるおすすめの筋トレです。

筑波大学大学院 教授 久野 譜也 https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1133.html

下半身には全身の筋肉量の60~70%の筋肉が存在していると言われていますから、サイクリングなどで足の筋肉を動かすとマイオカインの生成に効果的です

また、実験の結果については、次の引用をご覧ください。

健常な中高齢者男女を対象に,60-70%VO2peak運動強度の自転車運動(週3日,45分間)を8週間実施した。

運動トレーニングにより動脈硬化度は有意に低下し,マイオカインの1つであるapelinおよびirisinの血中濃度は有意に増加した。

これらのマイオカインと動脈硬化度の変化率との間には負の相関関係が認められた。

以上の結果から,中高齢者の有酸素性トレーニングによる動脈硬化度改善の機序にマイオカインの1つであるapelinやirisinが関与する可能性が示唆された。

立命館大学 家光 素行  立命館大学, スポーツ健康科学部, 教授 https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-26282199/


自転車を漕ぐだけで若返りホルモンが出るって、やる気がでますね。

ペダルを漕ぐと腸腰筋を使うので便秘解消に

便秘でお悩みの方はとても多いですね。

病院に行かずに、市販の整腸剤や便秘薬を飲んだりしてなんとかしのいでいる人も含めると、日本人の2割が便秘持ちだと言われています。

特に女性は男性の2倍位多いそうです。

便秘を解消するには、腸腰筋を使う運動が効果的と言われています。

というのは、腸腰筋は便を腸から押し出す手助けをしてくれる重要な筋肉だからです。

便を押し出す力は、腸腰筋にあります。腸腰筋とは、大腰筋・小腰筋・腸骨筋の3つの筋肉から成り、インナーマッスルのひとつです。便を送り出す蠕動運動は大脳からの指令で起こりますが、最後の一踏ん張りには、腹筋や腸腰筋の力を必要とします。

健康長寿ネットのHPより抜粋 
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/kenko-cho/kenkochoju-cho-haisetsu.html

私は大腸の検査で腸が長いと言われたことがあります。

大腸検査を行うと、6、7人に1人は長いのだそうで、そういう人は便秘の傾向がみられるとのことでした。

確かに私はその傾向がありますが、ある程度の時間、サイクリングすると解消できます。

自転車でペダルをこいで足を引き上げる時に、腸腰筋が使われ、お腹も刺激されるのがその理由だと思います。。

なお、腸腰筋というのは、上半身と下半身をつないでいる筋肉で、太ももを持ち上げたり、姿勢の維持の働きをしたりします。

腸腰筋は1つの筋肉ではなく、大腰筋・小腰筋・腸骨筋の3つの筋肉の総称です。

体の表面からは触れにくい、いわゆるインナーマッスルです。

さらに高齢者にとってうれしいのは、腸腰筋を使うことが転倒予防の運動にもなることです。

ご存じのように、高齢者が自力で動けなくなり介護が必要になってしまう原因の一つは、転倒・転落などによる骨折です。

腸腰筋の筋力が十分であると、歩いているとき、段差に対してイメージ通りに脚が上げられるので、つまづき転倒するリスクが減ります。

なお、朝のサイクリングをする場合、水を一杯飲んでからにすると良いそうです。

水を飲むと腸も目が覚めるので、腸活になる上、汗をかきやすくなり新陳代謝の向上が期待できるからです。

また、サイクリング中もこまめに水分を補給することで、さらに新陳代謝が上がると共に、熱中症の防止にもなります。

運動と空間移動の効果でストレス解消

厚生労働省の国民生活基礎調査によると、ストレスのある人は全体の約半分だそうです。

性別では、男性よりも女性の方がその割合が高くなっています。

また、年齢別では、男女ともに 30 代から 50 代が高く、男性では約5割、女性では約6割となっています。

厚生労働省 「2019 年 国民生活基礎調査の概況」より転載 
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/14.pdf

ストレスは生活習慣病の要因になりますが、サイクリングをすることでストレスを解消することができます

ずっと座っている生活を続けていると、運動不足で血の巡りが滞り、血液中に疲労物質である乳酸がたまってきます。

乳酸には神経を高ぶらせる作用があり、そのため睡眠が妨げられてしまいます。

逆に、運動をして血行を良くすることで、睡眠障害の改善が期待できます

また、運動の効果だけでなく、サイクリングで空間移動することによる効果もストレス解消に役立ちます

自転車で走るとき、目で風景をとらえ、耳で音を聞き、風を肌で感じ、鼻で香りの変化を感じる・・・というように、五感への刺激を受けています。

オートバイなどと違い、騒音を立てるエンジンがないので、鳥のさえずりや風の音などがよく聞こえます。

また、乗っている人が車のボディーで囲われている自動車と違って、自転車は体むき出しで走りますから、風の強弱や方向の変化も直に肌で感じ取れます。

この五感への刺激が、気分転換や鎮静化にも良い影響を与えてくれます。

ウォーキングでも同様の効果は得られますが、サイクリングは疲れにくく、景色がスピーディに変化するため、自転車の方がリフレッシュ気分をより多く得ることができます。

さらに、ペダルを漕ぐ動作のように一定のリズムを繰り返す運動をすると、心の安定をはかる脳内ホルモン「セロトニン」の分泌が高まります

セロトニンは、ノルアドレナリンやドーパミンの暴走を抑え、心のバランスを整える作用のある伝達物質です。そのためセロトニンを増やすことで精神的な安定が得られると言われ、最近では「幸福物質」や「幸せホルモン」と呼ばれテレビなどでも取り上げられるようになりました。

https://www.lab.toho-u.ac.jp/med/omori/kensa/column/column20141027.html

東邦大学医療センター 大森病院

じっと安静にするよりも、関節を動かすことで膝痛を緩和

特に中高年は膝に痛みのある人が多いですが、膝痛の患者の中で最も多いのが「変形性膝関節症」の人だそうです。

また、男女比では、男性よりも女性のほうが多いと言われています。

変形性膝関節症になると、動き始めや、階段を下りるとき、あるいは正座したときに痛みを感じます。

この原因として、加齢による関節軟膏の老化や肥満、O脚、膝の使い過ぎなどがあるそうです。

変形性膝関節症の人は、痛むから「動きたくない」とついつい安静にしようと思い、できるだけ歩かずに動かないようにしてしまう人が少なくないと思いますが、これは逆効果だそうです。

安静にしすぎることで膝関節周囲の筋肉が衰えや体重増加を招き、もっと痛みやすい膝になってしまいます

変形性ひざ関節症には、具体的に関節の可動域を広げるストレッチや、下半身を中心とした筋トレ、そして、ウォーキングや水中ウォーキング、自転車などの有酸素運動の運動療法がおすすめです。

帝京大学 教授 中川 匠 https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_448.html

ただし、腫れや痛みがひどいときは、やはり安静にした方がよいそうで、軽減してきたら運動療法を始めるのが良いようです。

特に自転車漕ぎや水中ウォーキングのように、体重を支える関節にあまり重力のかからない運動が勧められています

なお、逆に自転車で膝が痛くなったという人もいます。

それは重すぎるギヤでペダル踏んでいたり、ダンシング(立ち漕ぎ)を多用するといったように、膝に大きな負担をかけるペダリングをする人です。

自転車レース志向の人や、きつくないと運動にならないと思い込んで頑張りすぎる人に多いです。

軽いギヤをクルクル回すペダリングをして膝を守りましょう

おわりに

頑張らないマイペースなスピードで週に合計150分以上、自転車で走るだけで健康長寿のための多くの効果が得られます。

高価な自転車は必要なく、普通の自転車で十分です。

また、自転車レースやヒルクライムのようにゼーゼーと息を切らしながらペダルを漕ぐ必要もありません。

もう3月に入り、気温も上がってきて、よりサイクリングを楽しめる季節になってきました。

自転車運動は万能薬だと思いながら青い空の下を風を切って走ると、サイクリングをより楽しめると思います。

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