これはダメ? あれはOK? 知ってスッキリ、自転車の歩道通行に関するルール

自転車の歩道通行に関するルールを知ってストレス軽減

自転車は原則、車道左側を走るのがルールであるのは知っていますが、歩道を走ることはしょっちゅうあります。

けれども、どういう場合に歩道を通行できるのか、詳しい交通ルールは知りませんでした。

何十年と自転車に乗ってきて、今回、遅まきながら歩道通行ルールを調べてみました。

その結果、「この歩道は自転車で走ってもいいのか」とか「歩道を通行できる場合、どう走ったらよいのか」いった疑問が解消されました。

また、「あの歩道を走っている自転車は道交法違反じゃないか」と思ったことが、こちらの間違いだったことも分かりました。

自信を持って判断できるようになったので、ストレスが減り、精神衛生にも良いと思います。

それに歩道を通行していて、万一、トラブルや事故になった場合、こちらが法規を遵守しているという確信があれば、冷静に対応できます。

では、調べた結果を整理して紹介したいと思います。

自転車の歩道通行についての誤解

下の主張は自転車の歩道通行ルールを調べる前に、私が思っていたことです。

このように思っている方は結構、多いのではないでしょうか?


「原則、車道を走るべきってことは知っているけど、歩行者がいなければ、自転車で歩道を通行してもいいよね。誰にも迷惑かけないのだから」

「あのお爺さんは”普通自転車歩道通行可”の標識がない歩道なのに、自転車で走ってるよ。あれは道交法違反だね」

「歩道を自転車で通行する場合、歩道の右側、左側、どっちを走ってもいい」

「マウンテンバイクも自転車だから、当然、自転車の通行がOKの歩道は走ってもいいよね」

「歩道を自転車で走っていたら、向こうから自転車が来た。歩道上での自転車どうしのすれ違い方のルールは特に無いよね」

「前を行くおばさんたちが横に広がってゆっくり歩いている。お喋りに夢中で、周りの迷惑を考えていないようだから、ベルを鳴らして私の自転車を通してもらっても問題ない」


上の主張の全部が間違い、あるいは場合によっては間違いであることが分かりました。

これから詳しくその理由を説明します。

「普通でない自転車」はいかなる場合も歩道を走れない!

自転車は原則、車道を走ることになっていますが、後で説明しますように、「普通自転車」については例外的に歩道を走れる場合があります

ただ、「普通でない自転車」にはこの例外規定は適用されず、必ず車道を走る必要があります

では、「普通でない自転車」はどんな自転車でしょうか。

それは、長さが190cmを超えるか、幅が60cmを超える自転車です。

「普通自転車」のより厳密な定義に興味がある方は下の引用をご覧ください。

【道路交通法第63条の3の条文からの抜粋】

一 車体の大きさは、次に掲げる長さ及び幅を超えないこと。

 イ 長さ 百九十センチメートル

 ロ 幅 六十センチメートル

二 車体の構造は、次に掲げるものであること。

 イ 四輪以下の自転車であること。

 ロ 側車を付していないこと。

 ハ 一の運転者席以外の乗車装置(幼児用座席を除く。)を備えていないこと。

 ニ 制動装置が走行中容易に操作できる位置にあること。

 ホ 歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと。

引用元:道路交通法施行規則(昭和三十五年総理府令第六十号)|e-Gov 法令検索
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335M50000002060

幅が60cmを超える自転車の身近な例はマウンテンバイクです。

マウンテンバイクは安定してダウンヒルができるようにとハンドルの幅は70cm以上のものが殆どです。

私が若い頃乗っていたマウンテンバイクのハンドルの幅も74cmありました。

そのような幅広ハンドルのマウンテンバイクには上記の例外規定は適用されず、車道を走るしかありません。

確かにハンドル幅がやたらある自転車が歩道を走っていると歩行者の邪魔ですね。

冒頭の「マウンテンバイクも自転車だから、当然、自転車の通行がOKの歩道は走ってもいいよね」という主張に関しては、ハンドル幅が60cmを超えていれば、間違いで、歩道通行はNGということになります。

では、長さが190cmを超える自転車はどんなのでしょうか。

典型的なのはビーチクルーザーで、砂浜やフラットな道をリラックスしてゆっくり走るのに向いています。

私は湘南の海の近くに住んでいるので、ビーチクルーザーをよく見かけます。

全部がそうではありませんが、全長が190cmを超えるものもざらにあります。

こちらも長さが190cmを超えていれば、歩道を走ることは、道交法違反になります。

他にも、一部のクロスバイクは上記のサイズを超えているものがあります。
その場合、一切、歩道は走れません。

ご自分の自転車が「普通自転車」かどうかの自信が無ければ、自転車のサイズを測りましょう。

幅が60cm以内で、長さも190cm以内であれば、「普通自転車」です。

「普通自転車」の歩道の通行が可能となる三つの場合とは?

ご存じのように、原則、自転車は車道を走ることとなっています。
(道路交通法 第17条第1項の規定:「自転車は、歩道と車道の区別のある道路では、車道を通行しなければならない」)

ただ、道路交通法 第63条の4で「「普通自転車」は例外的に次の三つの場合、歩道の通行が可能」となっています。

(参考:警察庁Webサイト https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/bicycle/pdf/4_rule.pdf )

「三つの例外的な場合」のそれぞれを次に説明します。

例外1: 道路標識等により普通自転車が当該歩道を通行することができるとされているとき

これは、分かりやすいと思います。

写真のような標識や「自転車及び歩行者専用」、「普通自転車歩道通行可」などの標識や表示がある場合ですね。

この場合、「普通自転車」であれば、歩道を走行できます。

例外2: 当該普通自転車の運転者が、児童、幼児その他の普通自転車により車道を通行することが危険であると認められるものとして政令で定める者であるとき

具体的には次のような人です。

  • 児童(6歳~13歳未満)や幼児(6歳未満)
  • 70歳以上の高齢者
    70歳を超えると車道を走る方が危ないこともあるからという理由なんでしょうね。

    冒頭の「あのお爺さんは”普通自転車歩道通行可”の標識がない歩道なのに、自転車で走ってるよ。あれは道交法違反だね」という主張は、お爺さんが70歳以上であれば間違いということになります。
  • 内閣府令で定める障害(視覚、聴覚等の障害、音声・言語等の機能障害、肢体不自由など)のある身体障害者

例外3: 前2号に掲げるもののほか、車道又は交通の状況に照らして当該普通自転車の通行の安全を確保するため当該普通自転車が歩道を通行することがやむを得ないと認められるとき

自動車等の交通量がものすごく多いとか、道路幅が狭い、あるいは路上駐車の車が多いなどが原因で、客観的に見て、自動車等との接触の危険がある場合ですね。
(図は警視庁のWebページより引用 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/menu/five_rule/five_rule01.html

冒頭の「原則、車道を走るべきってことは知っているけど、歩行者がいなければ、自転車で歩道を通行してもいいよね。誰にも迷惑かけないのだから」という主張は、上の三つの例外条件のどれかを満たしていないと誤りということになります。

なお、歩道通行要件を満たさないにもかかわらず歩道を通行した場合、「2万円以下の罰金又は科料」の罰則があるそうです(根拠規定:道路交通法 第63条の4)。

自転車で歩道を通行する際、歩道の走り方のルールがあった!

自転車で歩道通行ができる場合をここまで説明しました。

さらに、歩道を通行できる場合、その走行の仕方に関するルールもあることが分かりました。

私はこんなルールがあることを知らず、正直、これまで適当に歩道を走っていました。

歩道での通行法1: 走行する場合は、指定された所や歩道中央から車道寄りの部分を徐行する

歩道の中央から車道寄りの部分を徐行しなければならず、歩行者の進行を妨げることとなるときは一時停止しなければならない」という義務があるそうです。

図にすると下のようになります。

図は警視庁のWebページから引用 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/menu/five_rule/five_rule01.html

自転車が車道を走る場合は左側通行ですが、歩道を走る場合は、上の図のように右側通行になることもあるということで、ちょっとややこしいですね。

とにかく、歩道上では車道寄りの方を徐行することを覚えていればよいということですね。

ですから、冒頭の「歩道を自転車で通行する場合、歩道の右側、左側、どっちを走ってもいい」という主張は間違いということです。

歩道での通行法2: 歩道で、反対方向から自転車が来た場合は、自分の右側を相手が走れるように走る

下の図のように「自分の右側を相手が走れるようにすれ違う」のがルールだそうです。

このようなルールがあったなんてことも初めて知りました。

図は熊本県の自転車の通行ルールに関する資料から引用 https://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/63568.pdf

冒頭の「歩道を自転車で走っていたら、向こうから自転車が来た。歩道上での自転車どうしのすれ違い方のルールは特に無いよね」という主張は間違いで、「自分の右側を相手が走れるようにすれ違う」のが正解となります。

歩道での通行法3: 自転車が歩道でベルを鳴らしながら走行し、進行方向の歩行者をよけさせることは違反

道路交通法第54条第2項に、「車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときはこの限りでない。」と定められています。

冒頭の「前を行くおばさんたちが横に広がってゆっくり歩いている。お喋りに夢中で、周りの迷惑を考えていないようだから、ベルを鳴らして私の自転車を通してもらっても問題ない」という主張は誤りということになります。

ベルを鳴らせないのでどうするかですが、声をかけるのが一番だと思います。

私の場合、「すみませ~ん、自転車、通してもらえますか」などと声をかけています。

この方が、ベルを鳴らすよりも円満に通行できます。

おわりに

いかがだったでしょうか?

自転車は車道を走るのが原則ではあっても、色々な理由で歩道を自転車で走ることが少なくありません。

交通ルールをよく知ることで、どういう場合に歩道を通行でき、歩道をどう走行すべきかについてのモヤモヤを解消できると思います。

すでにご存じのところもあったかもしれませんが、少しでも参考になれば幸いです。

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