最近は、GoProなどのアクションカメラを使ってサイクリングの様子を撮る人が増えていますね。
私もGoProで撮ったサイクリング動画を、数は少ないですがYouTubeにあげています。
https://www.youtube.com/channel/UCYdmMthTXx1E8mmMHsp3uYw
ただ、自分の動画の音がずっと気になっていました。
それは、タイヤが路面に接地してゴロゴロ、ガタガタいう音や、自転車のチェーンが回る音、ギアチェンジをする音などをもう少し小さくできないかということです。
他の人のサイクリング動画をYouTubeでよく観ますが、やはり同じように気になるのか、音量を下げたり、音楽を被せたりしている人が多いようです。
私は、音を絞ることが多いのですが、これだと全部の音が小さくなるので臨場感が薄れてしまいます。
通り過ぎる車の音、歩道側の通行人の声なども聞こえなくなってしまいます。
この音の問題を改善すべく、あれこれテストしてみました。
同じ悩みを持っている方の参考になればと思い、その結果を紹介します。
目 次
テストのために購入した外付けマイク
私の使っているGoProはHERO10 Blackというモデルで、勿論、内蔵マイクは付いていますが、このテスト用にUlanzi VM-Q1というマイクを外付けマイクとして買ってみました。
外付けマイクを買うのは初めてだったので、評価が高く、価格もリーズナブルなものを探して、これを選びました。
このマイクは、特定の方向の音を捉えやすい単一指向性のマイクです。
この特徴により、自転車の下辺りの音をあまり拾わず、進行方向前方の音を中心に録音できることを期待しました。
また、これ自体のバッテリーは不要で、GoProから給電して録音できることもグッドポイントです。
余計な重量を増やしたくないですし、かさばるモノが増えないのは助かります。
GoPro本体にはマイクのプラグを挿すところが無いので、次のようなマイクアダプターも必要になります。
更に、次のものも買いました。
これは上記のマイクアダプターを収納でき、GoPro本体を保護するケースにもなります。
これらをGoPro HERO10 Blackに取り付けたところが下の写真です。
SmallRig製の保護ケースは、GoPro本体とマイクアダプターを収納できるようになっています。
また、保護ケースの上部と左側面の2ヶ所に、マイクのコールドシューを取り付けるための切り込みがあります。
マイクアダプターへの給電はGoPro本体にUSB-Cケーブルを挿して行います。
上記のように、GoPro本体のUSB-C差込口はマイクアダプター用に使われてしまいますが、マイクアダプターにUSB-Cの差込口が付いています。
モバイルバッテリーをUSB-Cケーブルでこのマイクアダプターの差込口に繋いで、長時間録画することができます。
GoPro本体の内蔵バッテリー切れを気にしないでよいので非常に便利です。
もし、モバイルバッテリーが使えず、GoProに内蔵するバッテリーだけに頼ると、バッテリーを交換するタイミングを気にしながらサイクリングしなければなりません。
私が使っているGoPro HERO10の内蔵バッテリーは、1080p/60fpsで撮る場合、約90分もちます。
これだと、数時間のサイクリングではバッテリーがあがってしまいます。
せっかく撮れていたと思った動画がバッテリー切れで撮れておらず、がっかりしたことがこれまで何度もありました。
また、予備バッテリーに交換するタイミングを気にしながらサイクリングするのも煩わしいものです。
GoPro内蔵マイクと外付けマイクの取り付け位置を変えてテストしました
この外付けマイク、Ulanzi VM-Q1は、GoProの内蔵マイクとどう違うのかテストしてみることにしました。
また取り付け位置はハンドルがいいのか、ネックマウントがいいのか、それも試してみることにしました。
テストに使った自転車はBESV JR1というe-bikeです。
なお、このテストのときはバッテリーを外して撮影しており、アシストは使っていません。
バッテリーを外すとBESV JR1の車重は14kg台と軽いので、アシスト無しの普通の自転車として十分快走できます。
テストした日は風速2~3mの弱風で、走行スピードは時速23~28kmだったので、風切り音はあまり発生しなかったと思います。
そのため、自転車周りの音の録れ方の違いが分かりやすかったと思います。
試したのはハンドルに取り付ける3ケースとネックマウントに取り付ける3ケースの合わせて6ケースです。
ハンドルに取り付ける場合の3つのテストケース
ハンドルにGoProを取り付ける場合、次の3つのテストケースを実験しました。
テスト 1: GoPro内蔵マイク、防風スポンジ GoProをすっぽりと覆うスポンジを取付け。 これが今までの私の撮影スタイルです。 | |
テスト 2: 外付けマイク、防風スポンジ Ulanzi VM-Q1 ビデオマイクを外付け。 マイクに付属していた防風スポンジを 付けています。 | |
テスト 3: 外付けマイク、ウインドマフ Ulanzi VM-Q1 ビデオマイクを外付け。 マイクに付属のウインドマフを付けて います。 ウインドマフというのは、写真の ように、ふさふさした毛に覆われた 形の風防です。 |
上のテスト条件で走行してみた動画が以下です。
それぞれ約25秒です。
音を聴き比べてみると、かなり違うことが分かると思います。
テスト結果1: ハンドルに取付、GoPro内蔵マイク、防風スポンジ
カメラ周りの音を全部拾っている感じです。
路面とタイヤとの接地音やギアをチェンジする音なども入っています。
また、よく言われるように、GoProの内蔵マイクで録った音はこもった感じがします。
テスト結果2: ハンドルに取付、外付けマイク、防風スポンジ
自転車自体から出る音はテスト1よりも減っています。
しかし、なにかプツプツという音が気になります。
テスト結果3: ハンドルに取付、外付けマイク、ウインドマフ
自転車自体の音は少なく、テスト2のようなプツプツという音もありません。
これなら、良いように思います。
同じ外付けマイクでも、防風スポンジとウインドマフとでこんなに結果が変わるとは思いませんでした。
また、テスト1のGoPro内蔵マイクに比べると、はるかに自転車自体の音は少なくなっています。
ただ、画面の上方にウインドマフの端が映り込んでしまっていますが、これについては後で触れます。
ネックマウントに取り付ける場合の3つのテストケース
次に、ネックマウントに取り付けてテストしてみました。
歩きながらネックマウントにGoProを付けて録画したことはありますが、自転車に乗っているときにネックマウントを使うのは初めてです。
さて、どうなるやら。
ネックマウントはこの商品を使っています。
比較的安価ですが、2年位使っていても問題なく使えています。
【ネックマウントに取り付ける場合の3つのテストケース】
テスト 4: GoPro内蔵マイク、防風スポンジ GoProをすっぽりと覆うスポンジを取付け。 ネックマウントに装着しています。 | |
テスト 5: 外付けマイク、防風スポンジ Ulanzi VM-Q1 ビデオマイクを外付け。 マイクに付属の防風スポンジを付けて います。 | |
テスト 6: 外付けマイク、ウインドマフ Ulanzi VM-Q1 ビデオマイクを外付け。 マイクに付属のウインドマフを付けて います。 |
ネックマウントにGoProを取り付けて走ってみた3つのテストケースの動画が下です。
テスト結果 4: ネックマウントに取付、GoPro内蔵マイク、防風スポンジ
自転車が出す音は、ハンドルに取り付ける場合よりも大分減っていますが、ギアチェンジの音は拾っています。
また、シュインシュインという音が繰り返し入っています。
映像ではGoProの強力なスタビライゼーション機能により分かりませんが、実際には走行中にかなり振動があり、ネックマウントは前後に揺れていました。
その影響で、シュインシュインという音が録音されてしまったのだと思います。
テスト4: ネックマウント、GoPro内蔵マイク、防風スポンジ
テスト結果 5: ネックマウントに取付、外付けマイク、防風スポンジ
テスト4より更に自転車が出す音を拾わなくなりました。
また、テスト4であった、シュインシュインという音が無くなりました。
しかし地面からのこもった感じの低音はかなり入っています。
テスト結果 6: ネックマウントに取付、外付けマイク、ウインドマフ
この場合、テスト5であった地面からの低音もあまり拾っていません。
これならグッドだと思います。
テスト結果をまとめると
さて、テストの結果に基づくと、良いものから順に次のオーダーでした。
つまり、ウインドマフを付けた外付けマイク(Ulanzi VM-Q1 )での録音が、走行中の自転車周りの音を減らしたいという私の目的に一番かなっていました。
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- 外付けマイク(Ulanzi VM-Q1 )、ウインドマフ
- 外付けマイク(Ulanzi VM-Q1 )、防風スポンジ
- GoPro内蔵マイク、防風スポンジ
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テストの結果が少しの差ではなく、びっくりするほど違うことに驚きました。
お金を出して外付けマイクとそれに必要なアクセサリー類を買った意味があったことになり、ホッとしました。
【ハンドルに付けるか、それともネックマウントか、判断が悩ましい】
音に関するテストの結果だけで言えば、ネックマウントの方が自転車周りの音を拾うのが少なく、ハンドルに付けるよりも良いと思います。
ですから、ネックマウントに装着するスタイルを選びたいのは山々ですが、今回、初めて自転車に乗りながらネックマウントにGoProを付け録画してみて、次のような問題に気付きました。
- ただネックマウントを首にかけるだけなので、カメラの向きの上下左右が定まらない
カメラが正面を向いていると思いきや、左を向いたり、上を向いたりして撮影してしまうということがありました。
このため、テスト動画を何回も撮り直しました。
サイクリングの途中でコンビニに立ち寄ったりする際にネックマウントを外したりすると思いますが、再度着けるときにカメラの向きをまたチェックしないといけないのは面倒です。
また、荒れ地などを走行すると、初めはカメラがちゃんと正面を向いていても、振動の影響でネックマウントの向きが変わってしまうこともありそうです。 - 巡行時の前傾姿勢にカメラの向きを合わせると、停車時には体を起こすので、カメラが上を向いてしまう
サイクリング中は前傾姿勢をとって走行しますので、その姿勢のときにカメラが正面を向くように、ネックマウントへのカメラの取り付け角度をセットする必要があります。
問題は、信号待ちや一旦停止などでストップするときです。
カメラは前傾姿勢に合わせていますから、停止した際に体を起こすとカメラが上方を向いて、空が多く撮れてしまいます。 - 首にかけるには少し重い
ネックマウントにGoProと外付けマイク、マイクアダプター、収納ケースを取り付けた総重量を量ってみると350gありました。
短時間のテストだったので、重さを感じたり首が凝ったりすることはありませんでした。
しかし、ロングライドだと、じわじわとこの重さが苦になってくる恐れがあります。
このように、ネックマウントだと、長時間のサイクリングの様子を録画する場合、カメラの向きをずっと気にする煩わしさがある上、首や肩がこる恐れもあるので、ネックマウントを使わないことにしました。
これに対して、ハンドルに取り付けるのであれば、最初に角度をきちんと設定すれば、カメラの向きが変わる心配をしないですみます。
また、ハンドルに取り付けていれば当然ながら、ネックマウントの場合のように首が痛くなることはありません。
したがって今回のテストの結果、
ウインドマフを付けた外付けマイク(Ulanzi VM-Q1)をGoProと共にハンドルに装着する
スタイルに決定しました。
【補足】
初めは下の図の左側写真のように、GoProの上にウインドマフを付けていました。
ところが、風と路面からの振動でウインドマフが揺れ、その端がカメラに映りこんでしまうことがありました。
そこで、右側写真のように、外付けマイクをGoProの側面に上向きにセットし、それにウインドマフを取り付けました。
こうすることで、ウインドマフの端がカメラに映り込んでしまう恐れが全く無くなりました。
また、上向きにマイクをセットすることで、自転車と接地地面からの音を拾うことが更に減りました。
この新しいウインドマフの取り付け位置で録画した動画が下です。
GoPro内蔵マイクでの録音(テスト1)に比べると、自転車自体の音と地面からの低音がはっきりと低減されています。
今度、サイクリングの動画を撮るときは、このマイク・セッティングで行おうと思います。
さて、どこに行くかなぁ。
これを考えるのも自転車の楽しみですね。