e-bike BESV JR1 に乗って3年8ヶ月。さて、その感想は?

機材を選ぶ楽しみ

BESV JR1の評価についてはネット記事などでよくみかけます。

しかし、試乗車を乗っただけのインプレッションや、プロの自転車ライターが頼まれて執筆した記事が多いという印象です。

私がBESV JR1を買ったのは2019年4月です。

あくまで個人の感想ですが、実際に長い間乗ってみた感想を書いてみたいと思います。

なお、BESV JR1でサイクリングしたときの動画を幾つかYouTubeにアップしています。
観ていただければ幸いです。

https://www.youtube.com/channel/UCYdmMthTXx1E8mmMHsp3uYw

マイBESV JR1

BESV JR1を買おうと思った理由

そもそも、なぜBESV JR1を買ったのかを説明したいと思います。

その上で、その購入目的に合ったのかどうかをお話しします。

3年8ヶ月前に買った時は約30万円でした。
自転車に大枚を払うのには勇気がいりましたが、今は円安の影響か、なんと35万円近くに値上がっていますね。

購入した主な理由は、60歳を超えても遠くまでサイクリングをしたかったからです。

より詳しく言うと、往復で5時間くらいのサイクリングを歳をとってもしたかったのです。

5時間というのは、朝9時か10時くらいに家を出て、午後2時か3時くらいに帰るというのが、私にとってちょうどいい感じだからです。

これは平均時速20kmとすると片道50km(= 20km/h x 2.5時間)のサイクリングとなります。

この片道50kmというのが、歳をとってからは難しくなりました。

私の家は海に近く、近隣はほぼ平坦ですが、50kmも走るとほぼ必ず多くの急坂が出てきます
この坂に阻まれて、歳をとってからは遠くに行けません

例えば、家の北の方には、宮ケ瀬ダムという観光スポットが山の中にあります。
下の図のように、家から25kmの伊勢原を過ぎたあたりからダムまで15km位、急な坂が多い道になります。
高齢者と呼ばれる歳になってからは、この坂がきつくて宮ケ瀬ダムまでサイクリングするのが億劫になりました。

鵠沼海岸~宮ケ瀬ダムまでの地形断面図(国土地理院のウェブ地図で作成)

(道のりの高低差を知る便利なツールについては、次の国土地理院のサイトを参照してください。
上の図のような断面図を出してくれます。
https://www.gsi.go.jp/johofukyu/johofukyu180308.html )

また、家から西の方に向かうと、湯河原や熱海があります。
家から小田原を経て、約30kmを過ぎた真鶴半島近くから急な坂が出てきます。
そこから熱海まで約20kmは比較的きついアップダウンが多く出てきます。
このため、こちら方面も歳をとってからは行かなく(行けなく?)なりました。

鵠沼海岸~熱海までの地形断面図(国土地理院のウェブ地図で作成)

このように、昔と違って、急坂を登れない、あるいは無理して登っても無事に帰れるのか不安になるようになりました。
そのため、e-bikeを買う前は、距離で言うと自宅からせいぜい30km位のところまで行って帰って来るようになりました。

このような行動範囲が制限される「かごの鳥」状態から脱することができるんじゃないかという期待で、BESV JR1を購入しました

BESV JR1の基本情報

詳しい感想を述べる前に、BESV JR1はどういう自転車なのか、ご存じない方のために概要を紹介したいと思います。

BESVは台湾のe-bike専門メーカーで、液晶ディスプレイなどで有名なBenQグループの一企業です。

BESV JR1は、2018年にグッドデザイン賞を受賞したロードバイクタイプのe-bikeです。

グッドデザイン賞というのは、昔、通商産業省によって創立された「グッドデザイン商品選定制度」を、公益財団法人日本デザイン振興会が承継したデザイン表彰制度です。

BESV JR1の詳しい仕様などはメーカーのHPをご覧ください。

JR1

ここでは私が特徴と思うところを、他社商品との比較をしながら紹介します。

【車体重量】

下表のように、後発の他社e-bikeと比べても未だに最軽量の部類であり、これが大きな強みだと思います。

自転車名 重量 価格
BESV JR1 15.7kg/16kg 348,000円
ジャイアント ROAD E+ 19.3kg 550,000円
MIYATA CRUISE i 6180 19.0kg/19.2kg 374,000円
Yamaha CROSSCORE RC 23.7~23.9kg 317,900円
SPECIALIZED VADO SL 4.0 16.6kg 396,000円

【バッテリー】

バッテリー容量は、下表のように他のe-bikeと比べて少ないですね。

自転車名 バッテリー
BESV JR1 7Ah
ジャイアント ROAD E+ 13.8Ah
MIYATA CRUISE i 6180 11.6Ah
Yamaha CROSSCORE RC 13.1Ah

ただ、これで単純にBESV JR1は長距離のサイクリングに向かないとも言えません。

なぜなら、BESV JR1はe-bikeの中でも特に軽量なのでスピードを出しやすく、平坦路では時速24km近くの巡航速度を私のような高齢者でもキープできるからです。

ご存じのように、電動アシスト自転車は法令に従い、時速24km近くになるとアシスト力が徐々に少なくなり、時速24kmを超えるとゼロになるように作られています。

BESV JR1の場合、平坦路ではスピードが出て、アシストがあまり使われないので、なかなかバッテリーが減りません。

もっと重いe-bikeの場合、平坦路でも巡行時速度が時速20kmくらいだと、アシストが働く時間が長くなるので、BESV JR1のような軽量e-bikeよりも早くバッテリーが減ります。

また、BESV JR1はバッテリーをダウンチューブに内蔵するスタイルなので、格好いいです。

自転車をよく知らない人は、これが電動アシスト自転車とは分からないかもしれません。

バッテリーはダウンチューブに内蔵されている

バッテリーカバーは専用のカギを使って開けることができます。

バッテリーカバーを開けたところ

下の写真はバッテリーをはずして手に持ったところです。

バッテリーの重さは1435g(実測値)です。

長距離を行くためにスペア・バッテリーを積んでも、他の多くのe-bikeよりもまだ軽いです。

バッテリーを手に持ったところ

【ギア】

BESV JR1はSHIMANO 105が使われており、ロードバイクっぽいです。

自転車名 ギア
BESV JR1 SHIMANO 105 2×11speed
ジャイアント ROAD E+ SHIMANO DEORE 11speed
Yamaha CROSSCORE RC SHIMANO ALIVIO 9speed

BESV JR1のギア比は、フロント50/34T、リア11/32Tです。

フロントギアはシングルのe-bikeが多いと思いますが、BESV JR1のフロントはダブルです。

BESV JR1の前後ギア

後輪のスプロケットはこんな感じです。
11段のギアで、フロントと合わせて22段変速と非常に多くのギアが選べます。
自分の脚力に合ったギアを選びやすいので、これも疲れにくさに貢献するグッドポイントです。

後ろのスプロケット

【ブレーキ】

BESV JR1には SHIMANO 105 油圧ディスクブレーキが搭載されています。

急な下り坂や雨の日にも心強いですね。

後輪のシマノ105油圧ディスクブレーキ

【モーター】

e-bikeのモーターは、「センターモーター型」と「ハブモーター型」に大別できますが、BESV JR1のモーターは、後輪に取り付けられたハブモーター型です。

後輪のハブモーター

「センターモーター型」はその名前の通り、自転車のセンター、ボトムブラケットあたりにモーターが設置されているタイプです。
重いモーターを自転車の中央付近に配置することので、重量バランスがよくなります。
しかし、モーターで発生させた力をチェーンで伝達するため、チェーンやギヤ、後輪のハブなどを頑丈に作る必要があります。

これに対してBESV JR1のような「後輪ハブモーター型」は、モーターおよびセンサー、制御回路などを後輪に取り付けることで、構造がシンプルになるというメリットがあります。
また、後輪にモーターを取り付けると後ろ側に荷重が多くかかります。
そのため、発進時や上り坂ではパワーがしっかりと伝えられ、自転車を後ろから押してもらっているような感じになります。
「後輪ハブモーター型」のデメリットは後輪がパンクした際、修理が簡単ではないことで、これについては後で触れます。

【スイッチ・メーター類】

電動アシストのパワーON・OFFは、トップチューブに付いているボタンで行います。

未来の自転車という感じで、結構このスイッチが気にいっています。

パワーON・OFFスイッチ

アシストレベルは、ハンドル中央のフルカラー液晶ディスプレイで確認できます。

アシストのモードには、次の4種類があります。

  • OFFモード:アシスト出力なし
  • エコモード:アシスト力は控えめ
  • スマートモード:アシスト力を自動調整
  • パワーモード:アシスト力は最も強い

アシストモードは、ハンドルを握りながらでも操作できます。

アシスト・アップは右ハンドルのスイッチで、ダウンは左ハンドルのスイッチで行います。

右ハンドル下のアシスト・アップ用スイッチ

【タイヤ】

700×25cのタイヤで、リムハイトが高めのホイールです。

ちょっとタイムトライアル用のロードバイクを彷彿させ、格好良くて気にいっています。

タイヤ、リムハイトは高め

【ハンドル】

クロスバイクのようなストレート形状のハンドルが多いe-bikeの中にあって、BESV JR1はドロップハンドルです。

ドロップハンドルだと手を置く場所が沢山あり、ロングライドでは圧倒的に疲れにくいです。

ドロップハンドル

カスタマイズしたところ

購入後に取付けた主なものを簡単に紹介します。

【スタンド】

コンビニなどに立ち寄った際に、建物の壁などに寄り掛からせて停めることができないところが多く、スタンドは必須です。

また重量があるので、後輪に片足スタンドを付けるとあまりバランスが良くありません。
そのため、センタースタンドを選びました。

センタースタンド

【キャリア】

遠乗りするときは、リアバッグにスペアバッテリーを積んでいます。

リアキャリアは、GIZA PRODUCTS LT キャリア (スライド タイプ)というものを使っています。

このリアキャリアは、下の写真のようにシートチューブに取り付ける構造です。

見た目がスッキリしているので、ロードバイク風の自転車に合うと思います。

この構造だと最大荷重はどれくらいなのか気になる人も多いかと思いますが、なんと10kgまでいけます。

Besv JR1のバッテリーの重量は約1.4kgですから、予備のバッテリーを載せてもまったく大丈夫です。

リアキャリアとリアバッグ

長い間乗ったBESV JR1の感想

では、感想を書きたいと思います。

BESV JR1の良かったところ

まずは良かったところから。 

  • 坂道や向かい風が吹いていても快適に走れる
    これは、どの電動アシスト自転車でも言えることで、BESV JR1特有の良さではないですね。
  • 軽量さゆえに、加速しやすくアシストが切れる時速24kmを超えたスピードを維持しやすい
    20kgを超える重いe-bikeだと、せっかくスピードを出していてもちょっとした坂道で、どんどんスピードが落ちますが、これはそれほどスピードをロスしないでクリアできます。
    また、バッテリーの減りが少なくなります。
  • 長距離を走ってもそれほど疲労しない
    上とかぶるところもありますが、e-bikeとしては軽量なので比較的早いスピードを出しやすいです。
    私のような高齢者でも平坦路では時速24km近辺で巡行できます。
    そのため、長距離でもより短時間で帰ってこられるので、疲労もより少なくなります。
    また、ドロップハンドルなので手をのせる場所が多くあり、腕や肩の疲労を軽減できます。
  • 見た目がかっこいい
    バッテリーを本体のフレームに内蔵できるので見た目がスタイリッシュです。
    最近は同様にダウンチューブに内蔵するe-bikeも増えてきましたが、e-bikeのはしりとなったBESV JR1のデザインは未だに色褪せません。
    また前後ホイールの高めのリムハイトもかっこよく気にいっています。
    格好よすぎて盗難が心配ですが・・・
  • 楽に持てる軽量さ
    e-bikeは高価なので、室内などで大切に保管している人が多いと思います。
    乗る際に自転車の出し入れが必要になりますが、BESV JR1は軽量なので高齢者には助かります。

BESV JR1の気になったところ

次はマイナスと思うポイントです。

  • 値段が高い
    これは、e-bike全般に言えることですが、自転車に興味のない妻などは、「え~!自転車が30万?」などというリアクションになります。
  • 後輪のメンテナンスやパンク修理が面倒
    BESV JR1は「後輪ハブモーター型」であるために、ロードバイクのパンク修理に比べると、明らかに面倒です。
    これについては過去の記事で書きました。

電動アシスト自転車 BESV JR1 の後輪のタイヤ交換に挑戦

  • バッテリーがあまり保たない
    BESV JR1のバッテリー容量は7.0Ahであるのに対して、最近のe-bikeのバッテリーは10Ahを超えている大容量タイプが多く、どうしても見劣りします。
    ただ、上にも書いたとおり、重量がかなり軽いため、スピードを出せ、アシストを使わないのでバッテリーの減りが少ないというメリットがあります。
    ですから、一概に、7.0Ahだからダメとは言えません。

    ただ、坂道ではこの少ない容量は弱点です
    坂道ではいくらe-bikeとしては軽量と言っても、16kgの車重があるため、アシストに頼らざるを得ません。
    こうなると容量の少なさがもろに弱点として露呈します。
    私の場合、大体、100~150m位登ると、バッテリー計の1目盛りが減るという感じです。
    私は大柄で体重があるので、特に減りが早いと思います。
    バッテリー計は全部で5目盛りなので、500~750m位登ると、バッテリーを1本使い切ってしまいます。
    箱根駅伝の5区では、小田原中継所と箱根の最高地点との標高差は864mですから、バッテリー一本では5区を走り切れないとうことになります。

    このようなことから、アップダウンが多いコースを遠乗りする場合、予備バッテリーを携行する必要があります。
    特に2,3年もするとバッテリーが大分、劣化してきますから、40~50km走るだけでも、念のため、予備バッテリーを持っていこうとなります。
    バッテリーを何本か持っていると、一部のバッテリーを長い期間使わず、それが原因でダメにしてしまうこともあります。
    それを防ぐ方法については、下の記事で説明しました。

電動アシスト自転車の予備バッテリーをうっかりダメにしない方法

  • プラスチックのパーツが壊れた
    LEDディスプレイのプラスチック製ホルダーをハンドルに付けるのですが、このホルダーの足がポキリと折れてしまいました。
    特に大きな力を加えていないのに、買って2年目位で折れ、接着剤で補修してなんとか使っています。

    また、左ハンドルについているアシスト・ダウン用のプラスチック製スイッチが根元で二つに割れてしまいました。
    こちらも特に手荒に扱っていません。
    やはり、接着剤をつけ、さらに補強をする工夫をして、なんとか使えっています。
アシスト・ダウンのスイッチ(プラスチック製)が二つに割れた

まとめ

プラス面とマイナス面を上に述べましたが、総合すると満足です。

別にロードバイク風のe-bikeでなくても、通勤通学向きの普通の電動アシスト自転車でよいじゃないかと思われるかもしれませんが、普通の電動アシスト自転車ではダメでした。

私はブリジストンのTB1eという電動アシスト自転車も持っていますが、こちらは重量22.5kgです。

この自転車は平坦路ですら、その重さのため、あまり速度が出ません。

特に急な坂道では、クルクルとペダルを回せる軽さまでギヤを落とすと、本当にスピードが遅く、なかなか距離をいけません。

これで長距離を走ろうとすると時間がかかりすぎて、BESV JR1よりもかなり疲れます。

これに対して、BESV JR1だと、そんなに頑張らないペダリングをし、赤信号ではきっちり止まり、飲食などの小休止を入れても、平均時速20kmぐらいでツーリングの計画を立てられます。

片道2時間半走るとすると、50km行けます。

たとえば、自宅を9時くらいに出て、熱海まで行って昼食をし、15時前には帰ってこれます。

高齢になって諦めていた急な坂が多い遠乗りも、おかげでまたできるようになりました。

もっと値段が安ければ、更にグッドなのですが・・・