私は最初の折り畳み自転車としてブロンプトンを買い、その後Birdy Airという折り畳み自転車に乗り継いできました。
何年も飽きもせずに乗り続けている理由は勿論、楽しいから(笑)ですが、折り畳み自転車にはデメリットもあります。
折り畳みができるというメリットに目が行きがちですが、どんなデメリットがあるのか気になりませんか?
この記事では、折り畳み自転車を買ってみようかと考えている人向けに、折り畳み自転車のメリット、デメリットを経験に基づいて紹介したいと思います。
また、私もそうでしたが、あまりに数多くの折り畳み自転車が売られていて、選ぶのに困りませんか?
私は、最初の折り畳み自転車としては10万円近辺のものがいいと思います。
その理由と、10万円近辺で買う場合に、お勧めの4モデルを紹介したいと思います。
目 次
折り畳み自転車のメリット
まずは、折り畳み自転車ならではの良さを紹介します。
折り畳んで輪行できる
折り畳み自転車は簡単に畳めてコンパクトなサイズになり、輪行袋に収納すれば、電車などの公共交通機関で運ぶことができます。
また、厳密には輪行とは呼びませんが、自動車に折り畳んだ自転車を積んで遠くに行き、目的地でサイクリングを楽しむこともできます。
電車で輪行する場合は、自分の電車賃だけで、自転車の荷物には追加の料金が発生しないのも嬉しいです。
電車を降りた先で折り畳み自転車に乗ると、歩くよりも早く移動でき、バスやタクシーを利用するお金も節約できます。
また、折り畳み自転車であれば、折り畳んだり、展開したりする時間は車種にもよると思いますが数十秒でできると思います。
どちらかというと輪行袋に折り畳んだ自転車を収容する方が時間がかかりますが、それでも時間は2、3分位しかかかりません。
電車での輪行の良さや輪行の方法を次の記事で紹介しましたので、よろしければご覧ください。
JRなどの規定では、改札を入ってから出るまで、自転車をすっぽりと覆いかぶせた状態の輪行袋を使用することがルールになっています。
そのため、大きな駅を利用する場合などでは、改札を入ってから、長い時間、通路や駅のホームを重くてかさばる輪行袋を担いで運ぶこともあるので、比較的、軽量のものを選ぶと良いでしょう。
一般的な女性やシニアな人のように、あまり力の無い人の場合、10kg以下の折り畳み自転車が良いでしょう。
自転車置き場がなくても大丈夫
折り畳み自転車は折り畳むと小さくなるので、倉庫、物置、玄関などの室内で保管できます。
例えば、私が乗っているBirdy Airという折り畳み自転車の場合、次の写真にあるように、かなりコンパクトになります。
室内保管であれば、盗難や雨に濡れること、あるいは強風で倒れて傷がつくといった心配を無くすことができます。
輪行向きの折り畳み自転車であれば、比較的軽いので、室内からの出し入れの労力もあまり苦にならないと思います。
けれども、折り畳み自転車の中には重いものもあるので、出し入れの際に苦労しないか、重さを確認して選ぶと良いでしょう。
例えば、折り畳める電動アシスト自転車は人気がありますが、15kg以上のものが多く、頻繁に室内から屋外に持ち出すのは大変になる恐れがあります。
またこの重量だと輪行で担いで歩くのは一般的な体力の人には大変になります。
おしゃれ、カッコイイ
折り畳めない自転車にもスタイリッシュなものがありますが、折り畳み自転車は全体的なコンパクトさや、小さな車輪、折り畳み機構のユニークなデザインなどが相まって、独特なおしゃれ感やカッコ良さがあります。
また一般的ではないので、人とは違う自転車に乗っているという満足感も味わえます。
小回りが利き、機動性が高い
折り畳み自転車は車輪のサイズが小さいので、方向転換がし易いという特徴があります。
狭い道や曲がりくねった道、混雑した道で、この特徴が役に立ちます。
また、車輪のサイズが小さいため全体的な大きさもコンパクトです。
このコンパクトさにより、比較的狭い歩道を走行しても歩行者に迷惑をかける恐れが減ります。
このように、街中をちょこまかと走るのに折り畳み自転車は向いています。
折り畳み自転車のデメリット
上記のようなメリットがあるものの、折り畳み自転車には次のような弱点があります。
中長距離の移動には不向き
折り畳み自転車でどれくらい長距離を走れるか、限界まで試したことはありませんが、ロードバイクやクロスバイクよりも疲れるということははっきり言えます。
どれ位を中距離と呼ぶのかについてははっきりとした定義はありませんが、私の感覚だと50km以上で、長距離というと100km以上という感じです。
50kmも乗らないよという人にとっては、「折り畳み自転車が中長距離の移動には向かない」というのは大きなデメリットにはならないでしょう。
折り畳み自転車が長い距離のサイクリングに向かないのには、次の二つの原因があります。
- 速度が落ちやすい
- 振動を感じやすい
速度が落ちやすい
折り畳み自転車のタイヤの径(サイズ)は、ロードバイクやママチャリ、クロスバイクなどの一般的なタイヤ径である26インチや27インチよりも小さいです。
殆どの折り畳み自転車のタイヤ径は20インチまでだと思います。
例えば、私が以前乗っていたブロンプトンという折り畳み自転車のタイヤ径は16インチでした。
また、今、乗っているBirdy Airのタイヤ径は18インチです。
タイヤ(車輪)が小さいと、慣性が働きにくくなるため、速度が落ちやすくなります。
慣性というのは、物体が動き始めようとしたり、止まっている状態を維持したりする力です。
大きい車輪は、重くて動きにくいコマのようなもので、小さい車輪は、軽くて動きやすいコマのようなものと考えることができます。
コマを回すとき、最初は力を入れて回さないと動きません。
でも、いったん回り始めると、慣性によってしばらくは力を入れなくてもコマは回り続けます。
コマは重い程、この慣性が大きくなり、より長く回ります。
自転車の車輪も同じように、折り畳み自転車の車輪は小さいのが一般的なので、ペダルを踏んだ力によって、すぐに加速できて動き始めやすいですが、慣性が小さいのでスピードを維持しにくくなります。
一方、26インチ、27インチといった大きい車輪の場合、慣性も大きいため、ペダルを踏んだ力が車輪に伝わりにくく、加速に時間がかかります。
しかし、一旦、加速すると、慣性によって回転を維持しやすいので、スピードをキープしやすいという特徴があります。
例えば、坂道を登るとき、小さい車輪だとすぐにスピードが落ちてしまいますが、大きい車輪だと、慣性によってスピードを維持しやすく、より楽に登ることができます。
また、長距離のサイクリングをする場合、タイヤのサイズが小さいと、スピードが落ちやすいので、それを補うために頑張ってペダルを漕ぐ必要があり、疲れやすくなります。
振動を感じやすい
タイヤの径が小さい自転車は、地面のデコボコからの衝撃が直接、体に伝わり易くなるので、走行時に振動を感じやすくなります。
これが乗りごごちを悪くし、特に中長距離で長時間乗ると、体へのダメージの蓄積が大きくなってしまいます。
安定性に欠ける
タイヤ径が小さい折り畳み自転車は、大きな自転車に比べて、安定性に劣るというデメリットもあります。
路面状況や突然の風の影響を受けて自転車がふらつきやすくなります。
これは、タイヤ径が小さいと、車輪が回転することで発生するジャイロ効果が少なくなることに起因します。
ジャイロ効果とは、回転する物体がなるべく同じ姿勢を保とうとする性質を指します。
例えば、コマを回しているとき、コマを倒そうとしても倒れにくく、より重いコマほどこのジャイロ効果がより強くなります。
自転車の車輪も同じように、車輪が回転していると、ジャイロ効果によって、車体が倒れにくくなります。
大きく重い車輪よりも小さい車輪はジャイロ効果が小さいため、より安定性が低くなります。
大容量のカゴが付かない
折り畳み自転車はコンパクトさが重視されているので、ママチャリや一部のクロスバイクのように大きな前カゴや後ろカゴを取り付けることはできません。
次の商品は折り畳み自転車に付けられる、比較的大きな前カゴですが、それでも先ほどの写真のような大容量ではありません。
したがって、自転車に積みたい荷物が多く、上記のようなカゴのサイズでは間に合わない人には折り畳み自転車自転車は向かないということになります。
ただし、「リュックサックのようなものを背負って多くの荷物を運ぶから私は大丈夫」という人には上記は当てはまりません。
価格が高い
折り畳み自転車は、普通の自転車よりも価格が高いことが一般的です。
折り畳み機構などユニークな設計で、独自の部品を使うのでコストがかかる上、マーケットが一般的な自転車に比べて狭いので、価格が高くなってしまいがちです。
どちらとも言えない事
次に、折り畳み自転車のデメリットとは言えない点を念のために紹介します。
楽にも乗れるし、エクササイズにも使える
折り畳み自転車というと、サドルに垂直に座るアップライトな姿勢でのんびりと走るイメージを持つ人が多いかもしれません。
したがってエクササイズにはあまり向かないのではないかと考える人もいると思います。
勿論、このような楽な乗り方ができる折り畳み自転車は少なくありません。
例えば、次の写真のブロンプトンがそうです。
ハンドルの高さがサドルよりもかなり上にあり、ママチャリのようにサドルにどっかりと座って、背筋はサドルに対して垂直になるので楽な姿勢を取れます。
ただし、軽快な速度で風を切って走る有酸素運動に向く折り畳み自転車もあります。
比較的軽量で、サドルの高さがハンドルの位置よりも高くセットできるような折り畳み自転車はこのようなエクササイズ指向の乗り方ができます。
例えば、私が今乗っているBirdyは次の写真にあるようにハンドルの位置がサドルの位置よりも低いため前傾姿勢を取ることができるので、中程度以上の強度の有酸素運動をし易いです。
私は初めブロンプトンを買い、次にBirdyを購入して乗り比べた結果、私の志向にはBirdyの方が合っているのが分かり、ブロンプトンは手放しました。
最高速度は普通の自転車と変わりない
そのコンパクトな外見から、折り畳み自動車の最高スピードは普通の自転車よりも遅いと思うかもしれません。
しかしながら、前傾姿勢を取れ、比較的軽量の折り畳み自転車であれば、普通の自転車よりも早く走れます。
重量が8kg以下しかない一般的なロードバイクに比べるとスピードでは勝てませんが、比較的軽量なクロスバイク並みの走りを楽しむことができます。
例えば、私が乗っているBirdy Airは重量が約10kgで、一般的なママチャリは20kg近く重量がありますから、約半分の車重です。
Birdy Airは前傾姿勢を取りやすいフレーム設計になっているので、体重をペダルにかけやすく、風の抵抗も減らすことができます。
また、前傾姿勢を取れるので、背筋や腕の力もスピードを出すのに使うことができます。
私は若い頃に特に運動もしていない普通のシニアなおじさんですが、時速30km位までスピードを上げるのも難しくありません。
ただし、先ほど説明しましたように、車輪が小さいため、高速を維持するのは苦手です。
メリット、デメリットのまとめ
以上のメリットやデメリットなどを図にすると次のようになります。
折り畳み自転車を買うかどうかを決めるにあたっては、やはり自分の使用目的や何を重視するのかをはっきりさせることが大事です。
その上で上記のメリットとデメリットをよく評価し、もし、メリットがデメリットを上回り、デメリットは許容範囲であれば、購入!となりますね。
10万円近辺の折り畳み自転車:お勧め4選
私は現在、乗っているBirdy Airを買い替える予定は今のところありませんが、お勧めの折り畳み自転車を選んでみました。
「もし、買い替えるとしたら次は何が良いかなぁ~」と暇なときにあれこれ考えをめぐらせるのは自転車が好きな人の楽しみの一つだと思います。
以下の条件で、4モデルを選びました。
上記の条件を満たす折り畳み自転車は、価格は10万円近くから上というのが一般的だと思いますので、「10万円近辺」のものを選んでみることにしました。
折り畳み自転車のブランドには、あまり知られていないものも数多くあります。
何かあったときのサポートの得られやすさという観点では、やはり有名なブランドで、日本に販社や販売パートナーがあるものが安心です。
また、ユーザーが多いのでカスタマイズ法やトラブルへの対処法などをインターネットなどで見つけやすいのも利点です。
以下に有名ブランドをリストアップしてみました。
上記のブランドの内、BROMPTON(ブロンプトン)とr&m(ライズアンドミューラー)の折り畳み自転車の価格は、10万円近辺という価格の条件よりもかなり高くなってしまいます。
そのため、この2ブランドは外して、Dahon (ダホン)、Tern (ターン)、KHSの3ブランドの中から4モデルを選んでみました。
重量が軽い順にお勧めの4モデルを次に紹介します。
DAHON Deftar ~ この値段で10kgを切る軽量性!
● 重量: 9.9kg
● タイヤ径: 20インチ
● シフト数: 8
折り畳み自転車の場合、軽さは正義だと思います。
何と言っても10万円を切る価格で10kgを下回る軽量性が魅力です。
また20インチの車輪径ですので軽快な走行が楽しめます。
折り畳んだサイズはW78 × H65 × D35cmとコンパクトで、電車での輪行などにも向きます。
購入は、ネットで注文できて、受け取りは実店舗で行えるショップがお勧めです。
「楽天市場」にはこのような自転車ショップがありますね。
私が今、乗っているブリヂストンのTB1eという電動アシスト自転車は「サイクルベースあさひ」の楽天市場ショップで注文し、家の近所の実店舗で受け取りました。
「楽天市場」のポイント利用ができて、品物は実店舗で受け取るのでお店との馴染みができるのがメリットで、購入後に気軽に実店舗でサポートを受けることができます。
ネットで注文した商品を直接、宅配してくれるショップもありますが、高額商品ですので、実店舗で受け取る方が安心です。
不良品に当たったり、メンテナンスやカスタマイズをしたりする際にサポートを得やすくなります。
Tern Verge N8 ~ 人気の日本限定モデル
重量: 11kg
タイヤ径: 20インチ
シフト数: 8
このモデルは日本人の体格に合わせて生まれた日本限定モデルです。
直線的なフレームデザインが多い中、このモデルは曲線でそれに惹かれる人も多いと思います(私もこのモデルはカッコイイと思います)。
折り畳んだサイズは高さ72cm、横79cm、幅36cmで、電車での輪行にも問題ありません。
DAHON Speed Faloco ~ コスパが良く、体に優しいクロモリフレーム
重量: 12kg
タイヤ径: 20インチ
シフト数: 8
特徴はクロモリというしなやかな軽量スチールを採用していることだと思います。
これにより、アルミフレームよりも乗り心地がマイルドで、地面からの微振動による不快感が少なくなります。
折りたたみサイズはW82×H66×D36cmで電車での輪行にも問題ありません。
価格は、2023年モデルの場合、8万円を切る値段で売っているショップもあり、コスパが良いと思います。
KHS F-20JJ ~ 16段変速で、体に優しいクロモリフレーム
重量: 12kg
タイヤ径: 20インチ
シフト数: 16
変速ギヤが後ろ8段、前2段の16段変速という幅広いギア比が特徴だと思います。
これであれば、自分の脚力にはペダルが重すぎる、あるいは軽すぎるということが減り、最適なギヤ比を選べるでしょう。
この事は長い時間ペダルを漕いでも疲れにくいとくなるというメリットになります。
また、クロモリのフレームなので走りがしなやかになり、疲れやすさの低減に貢献します。
折り畳んだサイズはメーカーのWebページには載っていませんでしたが、あるユーザーのブログを見ると 660x800x460mm のようです。
正規価格は¥110,000(税込)で、KHSの場合、店舗での対面販売のみで、ネットで注文できません。
KHSオーソライズドディーラーは全国にあり、次のURLがそのショップ一覧です。
https://www.khsjapan.com/shop/
なお、次の商品紹介のWebページにも記載があるように、KHSの折り畳み自転車には体重制限があり、80kgまでとなっています。
https://www.khsjapan.com/products/f-20jj/
おわりに
この記事では、折り畳み自転車のメリットとデメリット、そして10万円前後で購入できるおすすめのモデルを紹介しました。
折り畳み自転車は、コンパクトで持ち運びやすく、保管場所にも困らないというメリットがある一方で、長距離走行には向かない、安定性に欠けるといったデメリットもあります。
しかし、短距離の移動や街乗り、輪行を目的とする場合は、これらのデメリットを上回るメリットがあると言えるでしょう。
今回紹介したモデル以外にも、様々な折り畳み自転車があります。
ぜひこの記事を参考に、自分にぴったりの一台を見つけて、快適な自転車ライフを楽しんでください。
折り畳み自転車市場で名の通っているブランドで選びました。
有名ブランドは値段が少し高くなりがちですが、世界の市場で販売しているので品質に信頼を置けます。
また、販売店のサポートがしっかりしている上、ユーザーが多いので、その自転車のメンテナンスやカスタマイズなどに関する情報をインターネットなどで楽に得やすいというメリットがあります。
「室内保管や輪行がしやすい」という折り畳み自転車のメリットを活かすことを考えると重量は12kg以下が望ましいと思います。
できれば、10kg以下がベストです。
タイヤ径が小さすぎると「中長距離の移動には不向き」、「安定性に欠ける」という折り畳み自転車のデメリットが際立ってしまい、走る楽しみが減ってしまうので、16インチ~20インチのサイズとしました。
前傾姿勢を取りやすいフレーム設計というのは、ハンドルの高さよりもサドルの位置をより高くセットできるものです。
このようなフレーム設計であれば、中強度以上の有酸素運動としてのサイクリングをすることもできるし、のんびりと走ることもできます。