電動アシスト自転車のメンテナンス方法は普通の自転車のどこが違う?

電動アシスト自転車は10万円以上するものが多く、せっかく買った高価で便利なものを長持ちさせたいと誰しも願うと思います。

また、綺麗さをキープできればいつも気分よく乗れます。

ただ、そのメンテナンス方法については次のような疑問を持つ人が少なくないのではと思います。

「電動アシスト自転車を買ったけど、どう整備すればいいの?」

「電動アシスト自転車も電気製品なんだから、掃除するときに水を使っちゃいけないんじゃない?」

「電動アシスト自転車の保管は、電動アシスト無しの普通の自転車と同じで良いんでしょ?」

この記事では、電動アシスト自転車のメンテナンス方法を、特に普通の自転車と違うところを中心に説明したいと思います。

電動アシスト自転車が普通の自転車と違うところ

電動アシスト自転車が普通の電動ではない自転車と違うところが分かると、そのメンテナンスで気を付けるべきところも分かりやすくなります。

電動アシスト自転車の特徴はモーターとバッテリーを自転車に搭載していることなので、普通の自転車と比べて次のように大きな違いが二つあります。

違い1 電動アシスト自転車は精密電気機器であり、水に弱い

電動アシスト自転車は雨の日でも走れますが、その防水性能はあまり高くない「日常防水」レベルです。

例えば、ヤマハ発動機の電動アシスト自転車「PAS」を紹介する同社のホームページには次のように書かれています(ピンク色の下線は筆者が追加)。

質問:雨の日でも乗れるの?

回答:雨の日でもお乗りいただけます。
PASは日常防水性能を備えていますので、雨等がバッテリーボックスの端子部分にかかっても問題ありません。

ヤマハ発動機 https://www.yamaha-motor.co.jp/pas/faq/answer/cn/01/qn/post_4/

ブリジストンの電動アシスト自転車に関する説明も同様です(ピンク色の下線は筆者が追加)。

質問:台風や大雨の日に、電動アシスト自転車を屋外保管する場合の注意点を教えてください。

台風や大雨の日に屋内で保管することが難しい場合は、以下のポイントをご参照ください。
■直立状態で保管する
電動アシスト自転車は日常防水機能を備えていますが、横倒しにするとバッテリーなどの電装部品の隙間から水が浸入しやすくなり、故障の原因となります。
■サイクルカバーを使用する
サイクルカバーを使用することで、電装部品に直接水がかかることを防ぐことができます。
※防水スプレーをかけることで、撥水性を高めることが可能です。
※サイクルカバー使用時は風の影響を受けやすくなり、転倒する可能性が高まります。
紐で柱などに結びつけたり、風を受けにくい壁際に密着させるなどの対策をお勧めします。
■バッテリーを取り外しておく
直接大雨が吹き付ける場合や、保管中に車両が転倒した場合に備え、予め取り外して室内保管いただくことをお勧めします。

ブリジストン https://x.gd/CRQIi

「日常防水機能」というのは、一般的に、腕時計や電気機器などが、雨や水はね、汗などの日常生活で想定される程度の簡易な防水性能をもつ設計であることを意味しています。
(参考: JAL SKYWARD 「生活防水とは?防水時計の性能表示の意味や注意点を解説」https://skywardplus.jal.co.jp/plus_one/other/wristwatch_waterproof/

このことから、一般的な電動アシスト自転車は、モーターやバッテリーが雨に濡れてもOKではあっても、ホースでの洗浄で高圧な水がかかったり、台風や大雨の日に横倒しになったりすると、電装部に水が入って故障の原因になることがあります。

違い2 モーターやバッテリーがあるため、フレームや部品に負荷がかかる

電動アシスト自転車は、モーターやバッテリーなどの重量が加わり、しかも時速10kmまでなら人力1に対して最大2倍までのアシスト力が発生します。

そのため、フレームやブレーキ、チェーン、ディレーラー(変速機)、タイヤなどに大きな負荷がかかります

このことから一般的に、電動アシスト自転車の部品は耐久性や強度があるものが使われています。

ただし、すべての電動アシスト自転車が、普通の自転車よりも頑丈な部品が使っているわけでは必ずしもありません。

特に、電動アシスト自転車の一般的な価格相場よりもかなり安いものは、それなりの部品しか使われてないかもしれません。

電動アシスト自転車のメンテナンス方法

先程の電動アシスト自転車と普通の自転車との違いも踏まえながら、メンテナンス方法を説明します。

全体的な汚れ落とし

電動アシスト自転車に付いたホコリや泥などの汚れ落としは、「手洗い」が基本になります。

堅く絞った雑巾やお掃除シートで丁寧に拭きます。

よく絞った雑巾で拭く

やってはいけないこと

フレームやハンドル、スポーク、リムなどの手入れ

リム(タイヤがはまっている金属の輪)に泥や土、ホコリが付着したままになっていると、ブレーキをかけたときにリムが削れたり、リムが汚れたりします。

リムとスポーク

スポークやフレームも同様に、汚れが付いたままになっているところに雨の水分がとどまると、そこからサビが生じたりします。

趣味性の高いロードバイクのメンテナンスの場合、サビ止めのスプレーをスポークなどに吹き付けたり、フレームをコンパウンドで磨き、その後、コーティングしたりするといったことをマメに行いますが、普通使いをする電動アシスト自転車の場合、ここまで日頃するのは難しいでしょう。

そこでお勧めするのが、次の記事にあるようなお手軽にできる軍手でのクリーニングです: FRAME 『汚れた自転車がたった5分で「ピカピカ」に!超カンタンな「軍手クリーニング」とは?』 https://jitensha-hoken.jp/blog/2017/06/5-minutes-gunte-cleaning/

これは簡単にできるので、普段乗る自転車のメンテナンスに最適です。

ただ軍手を手にはめて、自転車のフレームやハンドル、フレーム、リム、スポークなどをくまなく撫でまわすだけです。

かかる時間は5分程度です。

掃除シートやボロ切れで拭くよりも、細かいところが拭き易く、変速機やスポークに絡まるといったこともありません。

汚れた軍手は洗濯すればまた使えますし、不精な私は安い軍手を使い捨てで使っています。

つぎの「おたふく手袋」や「エースグローブ」の軍手は、品質が良いのに価格が1ダースで600円(つまり一双だと50円)程度と安く、本当にお勧めです。

 

 

また、軍手でのクリーニングは自転車の部品に日常的に触ることから、不具合や故障の早期発見、予防ができるようになるというメリットもあります。

例えば、タイヤの空気抜けやヒビ、ブレーキワイヤーのほつれ、ブレーキシューの摩耗、ネジのゆるみなどに気が付きやすくなります。

ブレーキシュー

なお、軍手で自転車にこびりついている泥や油を力まかせにとろうとするとキズになってしまう恐れがあります。

軍手クリーニングを始める場合、先ず、湿った雑巾やお掃除シートでそのような汚れを落としましょう。

そうしてきれいになった状態を、軍手でのクリーニングでなるべく長くキープするというやり方が良いと思います。

可動部(動く仕掛けになっている部分)の手入れ

チェーンやブレーキレバーなど可動部の油が切れると、動きが重くなったりサビの原因になったりします。

特に電動アシスト自転車はモーターの力により可動部に大きな力がかかるので、故障の予防や異常の早期発見が大切です。

  • チェーン
    電動アシスト自転車のチェーンには、一般的に耐久性の高いスチールやステンレス製のチェーンが使われますが、定期的にメンテナンスして安全性を高める必要があります。
    雑巾やパーツクリーナーなどで汚れを取り除いた後に注油をします。
    このとき、パーツクリーナーや油がチェーン以外のところに付着しないように気を付けます。
  • ブレーキ
    電動アシスト自転車は最大、人の力の2倍のアスシト力が働くので、ブレーキがしっかりと効かないと危険なことになります。
    注油は左右ブレーキレバー支点部に少量の機械用油をさします。
    また、車輪を回転させながらブレーキレバーを握り、前後のブレーキが効くか確認しましょう。
    よくあるのは、ブレーキワイヤーが伸びてしまったり、ブレーキシューが摩耗したりしてブレーキが効きにくくなることです。
    自分で直すのは難しくありませんが、自信がなければ自転車屋さんにお願いしましょう。
  • 変速機
    変速機の可動部に注油します。
    泥や油がこびりついていたりして汚れがひどい場合は、事前にパーツクリーナーなどで汚れを落とします。
    電動アシスト自転車の変速がスムーズにできなくなってしまうよくある原因は(1)変速ワイヤーが伸びてしまっている、(2)チェーンがたるんでいる ことです。
    長い間乗っていると、このトラブルはどうしても起こりがちです。
    そのため、こまめにチェックをして、自分で修理をするか自転車屋さんにお願いすることをお勧めします。
後輪の変速機
  • 鍵の作動部
    後輪にリング錠がある電動アシスト自転車をよく見かけますが、このような機械的に作動する部分がある鍵に注油をして、滑らかに開閉できるようにします。
リング錠
  • スタンド作動部
    スタンドの作動部もサビやすい部分なので、ここにも忘れずに注油します。
スタンド

注油すべきところと、注油してはいけないところを図にすると次のようになります。

バッテリー部の手入れ

バッテリーは、水を固く絞ったタオルで汚れをふき取ります。

バッテリーの端子部や自転車本体にあるバッテリーを取り付ける端子部は水気のない布で拭きます。

バッテリーの取付け部

やってはいけないこと

タイヤのメンテナンス

タイヤはゴム製なので長く乗ればすり減り、たとえ使っていなくてもヒビが入るなど経年劣化が発生します。

ツルツルになってしまったタイヤ

また、徐々にタイヤの空気は抜けていきます。

空気が減っている状態で走行すると、パンクの恐れが高まるほか、タイヤの劣化スピードが速まる、ペダルを漕ぐのが重くなるというデメリットもあります。

このようなことから、「タイヤ表面がツルツルになったりヒビが入ったりしてないか」、「空気がしっかりと入っているか」という点に注意して確認します。

またタイヤは、接地面の溝(トレッド)が無くなる前に交換しましょう。

タイヤに空気を入れる

保管

電動アシスト自転車を長持ちさせるためには、正しい保管方法が大切です。

電動アシスト自転車は一般に重く、それを室内と屋外の間で頻繁に出し入れするのは大変なので、普段使いする電動アシスト自転車を屋内保管するのは難しいと思います。

ですので、屋外での保管が多いと思いますが、雨があたりにくい屋根付きの駐輪場やサイクルポート、あるいは自転車カバーを利用しましょう。

車輪のリムやスポーク、チェーン、変速機に雨がかかると、そこがサビやすくなるので、自転車カバーは自転車をスッポリ下まで覆うことができるものを選びましょう。

自転車カバー

また、電動アシスト自転車は、直立状態で保管するのが基本です。

横倒しや倒れかけ状態で保管すると、バッテリーなどの電装部品に水が浸入しやすくなり、故障の原因となることがあります。

乗らないときは、バッテリーを取り外して室内で保管しましょう。

その理由は、高温あるいは低温になるとバッテリーの劣化が早まり、寿命が短くなってしまうからです。

例えば、最近の夏のように、異常な猛暑が続く天候のときに自転車カバーをかけて保管しているとカバー内がかなり高温になる恐れがあります。

また、寒冷地の場合、寒い日に外で保管しているとバッテリーの性能が落ちてしまいます。

それから次の記事に書きましたように、バッテリーの盗難が最近、増えていますが、バッテリーの室内保管は防犯にも有効です

まとめ

電動アシスト自転車のメンテナンス方法は、一般的な自転車とほとんど同じですが、いくつかの違いがあります。

主な違いは以下のとおりです。

  • 電動アシスト自転車の防水機能は「日常防水」レベルで、高い水圧には耐えられません。
    そのため、ホースや水圧洗浄機などを使って洗車することができません。
    水が電気系統に入ると、故障の原因になる可能性があるので、水を含ませて固く絞ったタオルなどで拭き取るのがお勧めです。
  • 電動アシスト自転車はモーターやバッテリーを搭載しているので重量がある上に、人力1に対して最大2のアシスト力が発生します。
    そのため、チェーンやブレーキ、変速機などに大きな力がかかるので、これらに異常がないかよくチェックし、機械用油の注油をマメにすることが必要です。
  • 電動アシスト自転車は、バッテリーの管理が必要です。
    バッテリーは暑さ寒さに弱いので、乗らないときはバッテリーを室内保管することをお勧めします。
    これは最近増えているバッテリーの盗難を防ぐことにも有効です。
    また、バッテリーを差し込む金属の接点をヤスリで研磨したり、針金などを用いて掃除したりしてはいけません。

以上のように、電動アシスト自転車のメンテナンス方法は、水に濡らさないこと、可動部のお手入れをすること、バッテリーの管理をすること、がポイントです。

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