先日、久しぶりにけんけん乗りをしているお婆さんを見かけました。
現在、「けんけん乗り」をするのは60代以上がほとんどだと聞いたことがあります。
私もこの世代で、子供の頃やっていました。
その光景がきっかけで、頭の中に子供の頃やっていた懐かしい乗り方が頭によみがえりました。
「けんけん乗り」や「三角乗り」、「スーパーマン乗り」などです。
目 次
けんけん乗り
今の子供はおろか中年でもこんな乗り方は聞いたこともないのではと思います。
ご存じない方向けに説明すると、「けんけん乗り」とは、左足をペダルに乗せ、右足で地面をケンケンケンと蹴ってスピードをつけ、スピードが出たらさっとサドルにまたがる乗るやり方です。
今はあまり聞かない言葉ですが、片足で跳ぶ様子を「けんけん」と言うので、この名前が付いています。
自転車の歴史は19世紀のヨーロッパから始まるそうで、19世紀末年には、昔の映画などでよく見る、前輪が巨大な自転車に進化したそうです。
この自転車は不安定ですから、けんけん乗りで助走し、勢いがついたら飛び乗ってサドルにまたがっていたそうです。
このように、けんけん乗りは邪道ではなく、昔は王道の乗り方だったんですね。
ところで、けんけん乗りは電動アシスト自転車で禁止されています。
電動アシスト自転車は10km以下の速度では、漕ぐ力1に対し最大でアシスト性能が2になるように作られています。
(注)実際には人力を1とした場合、アシスト力が2よりも少ない電動アシスト自転車が殆どのようです。
詳しくは次の記事を見てください。
ケンケン乗りをすると、体が自転車に乗りきっていない姿勢のままアシストが発生し、自分の漕ぐ力の数倍の力で急発進してしまうことがあり得ます。
周りに人や車がいる状況で、自転車だけが飛び出してしまったら・・・こう想像するとゾッとします。
電動アシスト自転車は脚力が弱い人でも、アシスト力によって楽に発進出来ますので、電動アシスト自転車に乗るときは、必ずちゃんとサドルにまたがるようにする必要があります。
三角乗り
三角乗りも子供の頃よくやりました。
こちらも昭和世代だけで、今の子供や若い人には通じないでしょうね。
これは、自転車の「前三角」と呼ばれるスペースに脚を入れるスタイルなので、この呼び名が付いています。
子供が大人の自転車のサドルにまたがると足がペダルに届きません。
そこで、「三角乗り」をしようということになります。
つまり必要に迫られてやっていたわけですが、この乗り方で遠くまで行けるのは嬉しかったのを覚えています。
今の子供は、子供用自転車を買ってもらえるので、こんな乗り方をしている子供はもう見かけたことがありません。
スーパーマン乗り
これは下のイラストのような乗り方です。
初めは普通にサドルに乗って走ります。
スピードが出たら、サドルに乗っているお尻を徐々に後ろにずらして、お腹がサドルに乗るようにします。
スーパーマンが空を飛んでいるようなので楽しく、友達に見せびらかしたものです。
勿論、公道ではできず、学校のグラウンドや原っぱでやっていました。
最近、ロードバイクでこのスーパーマン乗りをしている動画をYouTubeで発見しましたが、「エッ、今でもやってるんだ!」と驚きました。
空気抵抗を減らすのに一番効率が良いスタイルはこのスーパーマン乗りだそうです。
なお、この乗り方は公式のロードレースでは禁止されています。
ロードレースでの下り坂では、空気抵抗を減らするためにトップチューブに座るスタイルがよく見られます。
トップチューブというのは 自転車のフレームで上側にあるチューブ(パイプ)のことです。
ツールドフランスなどのレースの映像で、このような姿勢で坂道を猛烈なスピードで下っている選手の姿を見たことがある方は多いと思います。
今では、公式のロードレースで下図のようなトップチューブに座る姿勢は禁止されているようです。
詳しくは次のPDFに記載されています。
https://archive.uci.org/docs/default-source/default-document-library/2021-uci-guide-safety-en.pdf
要するに、下りのときは、次の規則を守らなくてはいけないというのが国際自転車競技連合の見解だそうです。
・サドルに腰を落としていなければならない
・ペダルに脚をつけていなければならない
はい、以上ですが、子供の頃の自転車の乗り方を振り返ってみました。
けんけん乗りや三角乗りが廃れていくのは分かりますが、ロードレースでスーパーマン乗りをしている人がいたとは驚きました。