今年の夏も異常な暑さが続いています。
「あまりの猛暑で、長い間、自転車にほとんど乗っていない」という方も多いのではないでしょうか。
駐輪場や庭先に置いたまま、何日も自転車カバーをかけて放置していませんか?
実は「高温+満充電」の状態が続くと、あなたの電動アシスト自転車のバッテリーが知らないうちに大幅に寿命を縮めているかもしれません。
電動アシスト自転車のバッテリーは、とても高価なパーツです。
寿命となって交換となれば3~6万円の出費になります。
この記事では、「高温+満充電」環境ではバッテリーにどんなダメージがあるのか、そして夏場のバッテリー延命策を紹介します。
目 次
猛暑で電動アシスト自転車に乗らずにバッテリーを放置していませんか?
今年の夏は6月下旬から猛暑が続き、なんと9月、10月も平年より暑くなるという予報が出ています。
3年連続、猛暑の夏が続きましたが、今後も猛暑が常態化する「ニューノーマル」となる可能性が非常に高いと言われています… 嫌ですね~
「暑すぎて自転車に乗らないから、ずっと停めたまま」という人も多いのではないでしょうか。
特に注意したいのは、電動アシスト自転車に自転車カバーをかけて屋外に放置しているケースです。
カバーの中は風通しが悪く、熱がこもりやすいため、気温が30℃台でも内部は40℃以上に達することがあります。
そんな環境で長期間放置すると、バッテリーが知らないうちに大きなダメージを受けている可能性があります。
実は「高温+満充電」でバッテリーがダメージを受けている
電動アシスト自転車に使われているリチウムイオン電池は、高温で満充電の状態が続くと劣化が加速するという性質を持っています。
たとえば、満充電のまま40℃近い環境で2か月放置すると、容量が数%減ってしまうこともあります。
「100%から数%減るだけなら大したことない」と思うかもしれませんが、実はそうではありません。
技術的には、リチウムイオン電池全般では容量の80%が寿命とされ、電動アシスト自転車の場合は、初期容量の30~40%減少(つまり、容量が60~70%に低下)した時点が交換の目安と一般的に言われています。
『現在主流のリチウムイオンバッテリーは、使い始めの容量を100%とすると、寿命とされる時点では約60〜70%まで容量が低下している状態を指します。つまり、完全に使えなくなるわけではなく、走行できる距離が新品時の6〜7割程度になった状態が「寿命」と考えられています。』
引用:感動のe-Bike体験を|powered by BESV 『【寿命と対策】電動アシスト自転車のバッテリー、交換時期の目安と延命方法』
「えっ?半分以上の容量が残っていても寿命なの?」と疑問に持つかもしれませんが、ここでの寿命とは「完全に使えなくなる点」ではなく「実用的でなくなる目安」を意味します。
スマートフォンなら1日持たなくなる、電動アシスト自転車なら航続距離が大幅に短縮されるなど、ユーザーの使用感に大きく影響する境目となる目安です。
したがって、2か月での数%の減少でも寿命を確実に縮めてしまうのです。
また、バッテリーの容量劣化は時間に対して直線的に減るわけではありません。
最初の数%は割と早く落ちますが、その後しばらくは緩やかに進行し、さらに劣化が進むと再び急激に落ちやすくなります。
つまり「初期劣化 → 安定期 → 急減期」という風に劣化が進行するのが典型的です。
そのため、本来であれば5〜8年持つはずのバッテリーも、炎天下放置を繰り返すと3〜4年で交換が必要になることもあります。
専門家の研究でも裏付け
この「高温+満充電が最もバッテリーの寿命を縮める」という話は、決して大げさな話ではありません。
- ドイツの研究者Wernerら(2021年)の実験では、保存時の温度と充電状態が寿命に大きく影響し、特に高温×高SOC(State of Charge、充電率 )で劣化が最も速く進むことが確認されています。
- Wikipediaの「リチウムイオン電池」の解説でも、35℃を超える高温での満充電放置は容量低下を著しく早めると明記されています。
- 国立研究開発法人JST(科学技術振興機構)の実験でも、40℃で満充電のまま保存した場合に容量劣化が顕著に進むことが報告されています。
つまり、世界中の研究機関が共通して、「高温+満充電」は「バッテリーに最悪の条件」として警告しているのです。
今すぐできるバッテリー延命術
交換のために新しいバッテリーを買うと3~6万円もするので、なるべくバッテリーの寿命は延ばしたいですよね。
大切な愛車のバッテリーを守るために、今日からできることはシンプルです。
✅ 使わないときは 80%くらいで充電を止める
✅ 涼しい屋内(できれば30℃以下)で保管する
✅ 長期間乗らないときは 40〜60%充電がベスト
これだけでバッテリーの寿命は大きく変わります。
この記事では暑い日が続く際のバッテリーの保管法を紹介しましたが、自転車に積む荷物の重量や、走るルート、走行速度、ケイデンス(1分間にペダルを回す回数)、発進の仕方、ギアチェンジの仕方などを工夫することでもバッテリーの寿命を延ばせます。
詳しくは『電動アシスト自転車のバッテリー切れの心配を減らし、航続距離を延ばすコツ』や『【初心者向け】電動アシスト自転車のギアチェンジの改善でバッテリー長持ち&楽々走行』の記事をご覧ください。
おわりに
「乗らないから」と思って炎天下に長期間放置していると、バッテリーの寿命を何年も縮めてしまうことになりかねません。
交換費用は高額ですし、何よりお気に入りの自転車が早く使えなくなるのは残念ですよね。
ほんの少しの工夫で、寿命を5〜8年保てるか、3〜4年でダメになるかが決まります。
今後、猛暑が常態化する「ニューノーマル」となる可能性が高いと言われているので、夏の間はバッテリーは空調の効いた室内で保管するというのを、これからの生活の「ニューハビット(新習慣)」にしませんか?
今日から『充電は満タンにしない』、『室内で保管する』を心がけましょう!






























https://www.mdpi.com/2313-0105/7/2/28
→ 高温かつ高い充電状態で保存すると劣化が加速することを実験的に示した研究。
https://en.wikipedia.org/wiki/Lithium-ion_battery
→ 高温(35℃以上)での満充電放置は容量低下を著しく早めると明記。
https://www.jst.go.jp/lcs/pdf/fy2019-sr-01.pdf
→ 40℃で満充電状態にしたバッテリーの保存実験で、容量劣化が顕著に進むことを確認。
https://cycloop.jp/battery/
→ 一般ユーザー向けに、高温や充電状態が寿命に影響することを解説。