信号待ちで前へ!自転車「すり抜け」がOK / ダメになる一線【罰金回避の注意点】

最近、大阪府警がバイクの「すり抜け」運転を一斉に取り締まり、わずか1時間半で13人が検挙されたというニュースが注目を集めました。
(参照:くるまのニュース 『バイクの「すり抜け」運転を大阪府警が一斉取り締まり! 危険な“すり抜け”はどんな違反になる?』)

もし、これがあなたの自転車だったらどうなるでしょう?

このニュースを見て、「あれ!自転車のすり抜けはどうなの?」と疑問に思った方も多いのではないでしょうか?

一口メモ:「すり抜け」って何?「追越し」や「追抜き」との関係は?

道路交通法には「すり抜け」という言葉はなく、状況によって「追越し」や「追い抜き」として扱われます

日常会話では「追越し」と「追抜き」という言葉を区別しないで使うことも多いですが、道路交通法上では明確に区別していて、次の図のように「進路変更の有無」がその違いです。

  • 追越し=進路を変えて(車線変更して)前車の側方を通過し、その前方に出る行為。
追越しの例
  • 追抜き=進路変更を伴わず、同じ車線や隣の車線を走りながら前車の前方に出る行為。

この記事では、自転車の場合のすり抜けはどうかを解説します。

まず結論を先に言うと、
信号待ちで停止した車列の左側を自転車で通過する行為そのものは、違反ではありません。

ただし、やり方次第で複数の違反になり、反則金(青切符)対象になります。

自転車の「すり抜け」が原則として違反ではないケース

まず、OKなケースから。

信号待ちで止まっている車列の「左側」を、自転車が車線内の進路を変えずに通過するだけであれば、違反とはされていません(次の図)。

理由はシンプルで、

  • 自動車が停止している
  • 自転車が「追越し」ではなく「追抜き」の扱い
  • 通行区分を守っている(自転車が走るべきところを走っている)

という条件が揃うためです。

車列の左側を進めるといっても、やみくもに前に行くことは危険です。
車道を違法に渡る歩行者が車列の隙間から飛び出してきたり、止まっている車のドアが急に開いたりする恐れがあるので、直ぐに停止できるよう徐行する必要があります。

ただし、これはあくまで「条件が揃えば」の話で、条件を外れると、次の「違反になりやすいケース」に該当します。

自転車の「すり抜け」が違反になる可能性が高いケース

以下の行為は、明確に道路交通法に抵触する可能性が高いケースです。

「あ、私、これやってる!」という項目があれば注意が必要です。

安全運転義務違反:急な割り込みはNG

自転車の急な進路変更・割り込みのような「事故の危険がある運転」のケースです。

例えば、停止中の車列の「左側」を進み、車と車の隙間に強引に入り込む行為です。

危険な割り込みの例

→ 反則金の見込み:6,000円前後(2026年以降)

意図的に車の運転を妨害し、悪質な安全運転義務違反を犯したということで、実刑を受けた自転車乗りもいます。(参照:ロードバイクが欲しい!初心者向けナビ『自転車ひょっこりさんの妨害運転罪と、判決文にみる謎。』)

通行区分違反:歩道・路側帯の誤用などはダメ

基本知識:路側帯の種類

まず、自転車は路側帯の種類によって走行の可否が異なることを紹介します。

路側帯には路側帯駐停車禁止路側帯歩行者専用路側帯の3種類があり、次の図のように区切りの線が異なります。

路側帯の種類

次の表が走行可否の要約です、バイクについても参考までに載せました。

種類表示自転車バイク内容
路側帯白線1本✖(駐停車〇)自転車通行OK、駐停車可
駐停車禁止路側帯白実線+破線✖(駐停車✖)自転車通行OK
歩行者専用路側帯白線2本歩行者のみ

要するに、自転車が走れるのは「白線1本」か「白実線+破線」の路側帯であり、白線2本は絶対に走れない、という点だけ覚えておけばOKです。

通行区分違反になるケース

上記の路側帯の通行に関するルールも踏まえて、通行区分違反になるのは次のケースです。

  • 路肩ギリギリに止まっている車を避けようとして歩行者専用歩道に一瞬でも乗り上げる
  • 歩行者用路側帯(白線2本)に侵入して車列を抜ける
通行区分違反の例:歩行者専用歩道を走行
通行区分違反の例:歩行者専用路側帯を走行

→ 反則金の見込み:6,000円(2026年以降)

停止線違反:越えたらアウト

停止線よりも前に出て信号が赤から青に変わるのを待つのは違反(信号無視)です。

道路交通法は赤信号の意味を「停止位置(停止線等)を超えて進行してはならない」と定めており、赤に変わった時点で停止線を越えて進めば、その時点で信号無視が成立します。

停止線違反の例

→ 反則金の見込み:6,000円(2026年以降)

例えば、次の写真のバイクは、既に赤信号になっている交差点に来て、車列をすり抜けて停止線よりはるか前に停車しました… 明らかに信号無視違反です。

停止線より大幅に前に出て信号が青に変わるのを待つバイクの例(筆者撮影)

横断歩道30mルール:知らない人が多い重要項目

信号のない横断歩道や自転車横断帯の手前30m以内で、前方を走行する車を追い越したり、追い抜く行為は禁止(追越し違反)です。

意外と知られていない重要ルールです。

横断歩道30mルールの違反例

→ 反則金の見込み:6,000円(2026年以降)

【横断歩道30mルールの補足】
横断歩道の手前30メートル以内では追い越し・追抜きが禁止されていますが、実はこの「30m地点」を示す専用の道路標示は存在しません
よく誤解されますが、ひし形(ダイヤマーク)は、あくまで「この先に横断歩道や児童の横断があるので注意」という意味の「注意喚起」であり、30mを正確に示す表示ではありません。

このため、実際には横断歩道が見えたら追い越しを控えるのが安全な運転行動になります。

なお、次の法令引用にありますように、横断歩道の30m以内でも前方を走る他の「自転車」を追い抜く事はできます

引用元: e-GOV 法令検索【道路交通法第38条第3項
車両等は、横断歩道等及びその手前の側端から前に三十メートル以内の道路の部分においては、第三十条第三号の規定に該当する場合のほか、その前方を進行している他の車両等(特定小型原動機付自転車等を除く。)の側方を通過してその前方に出てはならない。

(筆者注:道交法の別のところに、「特定小型原動機付自転車等」とは「特定小型原動機付自転車及び軽車両」という文言があるので、「特定小型原動機付自転車等」には「自転車」や「電動アシスト自転車」が含まれます。)

自転車の「すり抜け」の合法 / 違反の簡単なまとめ

以上の説明を超簡単にまとめたのが次の表です。

状況自転車合法 / 違反理由
停止車列の左側を直進合法追い抜き扱い
車と車の隙間に強引に入り込む違反安全運転義務違反
歩行者専用歩道に一瞬でも乗る違反通行区分違反
白線2本路側帯に入る違反通行区分違反
停止線の前に出る違反信号無視違反
横断歩道前の30m以内で車を追越し違反追越し違反

「すり抜け」時の合法性と安全の確保法

ここまで、「信号待ちすり抜け」が やり方次第で合法にも違反にもなるということを見てきました。

では、実際に自転車に乗るとき、どうすれば安全かつ合法的に走れるのでしょうか?

ここで、日常のサイクリングで役に立つ安全ポイントを紹介したいと思います。

① 「ドアアタック」を最優先で回避する

信号待ちの車列の左側を走るときに、最も危険なのがドアアタックです。

ドアアタックとは?

駐停車した車のドアが突然開き、通りかかった自転車などが衝突する事故のことです。

ニュースで、このような事故を時々、聞きますね。
(参考:河口法律事務所『自転車走行中に停止していた自動車の運転席ドアが突然開いたため、ドアと接触・転倒し、負傷、後遺障害14級認定、約360万円の賠償金を得た例』)

車の運転手は近くにいる自転車の存在に気づいていないことが少なくありません。

一口メモ:「ダッチリーチ」がオランダでは一般的

「自転車大国」として有名オランダでは、ドアを開ける時に後方を確認する習慣(ダッチリーチ)が一般的です。

これは、車のドアを開ける際に「ドアから遠い方の手を使う」ことで自然に後方確認を促す、オランダ発祥の安全習慣です。

日本ではまだ浸透していませんね。

画像の引用元:Dutch Reach Project

ドアアタックをどう避ける?

  • ドア1枚分以上の距離(80〜100cm)を空ける
  • 可能であれば、路側帯(白線1本)や駐停車禁止路側帯(白い実線と破線)を走る
    (「ドアアタックを避けるために路側帯へ移動する」は、法律的にも正しい行動です。)
  • 車内の気配(人の動き)がある車は特に注意
  • トラック・商業車の「助手席側」は特に危険

これは自転車事故で多いタイプなので、必ず意識しましょう。

② 左折巻き込み事故を絶対に避ける

自転車の重大事故で最も多いのが、左折車の巻き込み

すり抜けをした直後に起きやすく、命に関わる危険があります。

左折車の巻き込みを避けるコツ

  • 大型車・バスの左側には絶対に入らない
  • 左折ウインカーを出している車の横を抜けない
  • 信号の先頭に出るときは、車の見える位置に立つ(真横は死角)
  • 左折車の後ろに並ぶという選択肢も常に持っておく

安全のため、「迷ったら後ろにつく」という判断を習慣にすることが大切です。

③ 2026年4月からは自転車への青切符適用で違反がお金の問題にもなる

2026年4月から、自転車にも 青切符(交通反則通告制度) が導入される予定で、対象となるのは、16歳以上の自転車利用者です。

これまでのように、「自転車は注意だけで済む」時代ではなくなってきていることを強く意識する必要があります。

違反行為や反則金額など、詳しくは『【早わかり】自転車反則金制度(青切符):いつから、対象年齢、罰金額、取り締り方法等』の記事をご覧ください。

すり抜け自体を直接取り締まる規定はありませんが、以下のようなすり抜け中に起こりやすい違反には反則金が科されます。

違反内容見込み反則金
信号無視6,000円
割り込み等違反約6,000円
通行区分違反(歩道侵入など)6,000円
安全運転義務違反6,000円

補足:同じ「すり抜け」問題でも、バイクと自転車では違う理由

冒頭で紹介した大阪府警の一斉取り締まりは、バイクが自転車よりも厳しいルールに従う必要があるという前提があるからこそ成立しています。

この違いを知らないと、ネット上の解説やニュースを読んだときに誤解しやすくなってしまいますので、紹介します。

道路交通法ではバイクは「自動車(排気量50cc超の自動二輪車)」か「原動機付自転車」という区分になっています。

一方、自転車(電動アシスト自転車も含む)は「軽車両」に分類されます。

この分類の違いからバイクと自転車では、ルールの厳しさには次のような違いがあります。

  • バイク
  • 自転車
    • 路側帯の走行OK(ただし、歩行者専用路側帯はNG)
    • 条件を満たせば「信号待ちの左側通過は違反ではない」
    • 進路変更合図は努力義務

要するに、自転車の左側通過がグレーに見えるのは「軽車両として特別な扱いがあるから」です。

バイクと同じ感覚で判断すると誤解につながるため、この違いを知っておくことが大切です。

おわりに:自転車は「自分の身を守るための安全運転」が最重要

自転車は車と違って生身の体がむき出しですし、歩行と違って結構なスピードも出ます。

ドアアタックや巻き込み事故が起きれば、命に関わる大事故にもなり得ます。

ですので、
すり抜けが「できる」かどうかより、
すり抜けが「安全かどうか」を基準に判断することが大切です。

とにかく、安全第一!

自分が怪我をしたり、相手に被害を与えたりしてしまってから後悔しても手遅れです。

今日からできる3つの安全チェック
  • 停止線の手前で必ず止まる
  • 大型車の左側には絶対に入らない
  • 路側帯の種類(白1本 / 実線+破線 / 白2本)を意識する

この記事が、あなたの日常の走りを見直すきっかけになれば幸いです。

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