電動アシスト自転車(e-bike)の保証期間は構成パーツによって違うことを知っていますか?
私はこれを知らず、最近、思わぬところで保証のありがたさを実感しました。
先日、2年間乗ってきたYAMAHAのe-bike「WABASH RT」を修理に出しました。

故障したのはモーターです。
「モーターの故障なら、修理代はかなり高くなるかもしれないな」
そう思い、高額の出費を覚悟しました。
ところが、自転車店から返ってきた答えは意外なものでした。
「保証期間内なので、修理は無償です」
えっ、2年も乗っているのに保証が効くの?
私は一般的な電気製品と同じように、e-bikeの保証も「基本的には1年程度」だと思い込んでいて、1年過ぎたから保証書を捨てようとしていたのですが、捨てずに本当に良かったです。
改めて調べてみると、e-bikeや電動アシスト自転車では、モーターやフレームなどの主要部品に2年、3年、それ以上の保証が付いているメーカーがあることが分かりました。
一方で、メーカーによって保証期間にはかなり差があります。
例えば、今回故障したYAMAHA WABASH RTのドライブユニットは3年保証ですが、BESVのモデルは2年、DAHONやADOでは1年となっています。
さらに、保証期間だけでなく、「故障した後のサポート体制」にもメーカーによって違いがあります。
今回、このモーター故障を経験したことで、e-bikeを選ぶ際にはモーターの性能やバッテリー容量だけでなく、「壊れたときに、どのくらいの期間、誰が面倒を見てくれるのか」も重要なポイントなのだと気付きました。
この記事では、私のWABASH RTの故障体験を紹介するとともに、YAMAHA、Panasonic、ブリヂストン、BESV、DAHON、ADO、Ternなどの主要メーカーについて、モーター・フレーム・バッテリーの保証期間と、故障時のサポート体制を比較してみます。
そして最後に、今回の経験から私が痛感した、「1年経ったから」と保証書を捨てないことの大切さについてもお伝えします。
YAMAHA WABASH RTのモーター故障はこうして起きた(体験談)
今回、私のWABASH RTに実際に何が起きたのかを紹介します。
走行中に突然アシストが切れる(エラー「68」)
8月中旬、いつものようにサイクリングをしていると、何の前触れもなく、自転車の電源がオフになり、アシストがなくなりました。
「何だ、これは?」
と思いましたが、いったん電源を入れ直して走り出すと、普通にアシストが復活します。
ところが、安心したのもつかの間、数分走ると、また突然、電源がオフになる。
特に急な上り坂の途中で、電源が落ちたときはガクッとペダルが重くなり、自転車がふらついて身の危険を感じました。
また、一度だけですが、ディスプレイにエラーコード「68」が表示されたこともありました。
自分でできるチェック(ケーブル・バッテリー)をしてみた
帰宅してから、ユーザーマニュアルでエラーコード「68」を調べてみました。
ところが、「68」というエラーコードについての記載が見当たりません。
「これはユーザーマニュアルに載らないほど、重症ってこと?」と心配が募りました。
そこで、電気系統のケーブルが切れかかっているのではないかと思い、ケーブルをチェック。
さらに、バッテリーも何度も取り外して装着し直してみました。
しかし、症状は改善しません。
自分でできることは一通り試してみましたが、どうやら素人が原因を特定できるような故障ではなさそうです。
そこで、あきらめて近所のYAMAHA自転車販売店にWABASH RTを持ち込み、症状を説明しました。
保証書とバッテリーのキーを預け、自転車をお店に託して帰宅しました。
「モーター故障です」とお店から連絡
それから1週間後、自転車店から電話がかかってきました。
「モーターの故障のようです」
それを聞いた私は、
「うわっ、かなり修理代がかかりそう……」
と覚悟しました。
e-bikeのモーターは、普通の自転車の部品とは違います。
自分で交換できるようなものでもありませんし、モーターそのものを交換するとなれば、かなりの費用になるのではないかと思ったからです。
ところが、店員さんから続けて、思いがけない言葉が。
「モーターの故障は3年保証です。購入してからまだ2年3カ月なので、無償です」
「えっ、タダなの?」
一瞬、拍子抜けしました。
私は、e-bikeの保証は基本的に1年程度だと思い込んでいたからです。
そして、
「あ~良かった。さすがYAMAHAだ!」
と、思わず喜んでしまいました。
さらに1週間後、新品のモーターに交換
電話からさらに1週間後、修理を終えたWABASH RTが戻ってきました。
モーターが新品に交換された自転車を受け取り、さっそく晴れやかな気分でサイクリングに出掛けました。
その後は、もちろん同じ症状が再発することもなく、現在も快適に乗っています。
今回の故障は、私にとって決して嬉しい出来事ではありませんでした。
しかし、購入から2年3カ月経過していたにもかかわらず、モーターという高価な部品を無償で交換してもらえたことで、「保証期間」と「修理体制」は重要だと実感しました。
ネットでモーターの交換の相場を調べたら、『電動自転車のモーター交換費用は部品代と工賃を合わせて5万〜10万円が目安』という記事を見ました。
(参照:チャリメモ『電動自転車のモーター交換費用の相場と判断のポイント』)
本当に無償交換にしてもらえて良かったです。
今回のことがあったので、電動アシスト自転車(e-bike)の保証についての理解を深めるために、各社の保証内容を調べてみました。
電動アシスト自転車・主要7社の保証期間を比較(モーター・バッテリー・フレーム)
まず、主要メーカーのe-bike・電動アシスト自転車について、モーターを含む主要部品の保証期間を比較してみました。
| メーカー・モデル | モーター | フレーム | バッテリー |
| YAMAHA WABASH RT | 3年 | 3年 | 2年 |
| Panasonic | 3年 | 3年 | 2年※1 |
| ブリヂストン | 3年 | 3年 | 2年 |
| BESV | 2年 | 5年 | 2年 |
| DAHON | 1年 | 1年 | 2年 |
| ADO | 1年 | 5年 | 1年 |
| Tern | 1年※2 | 5~10年※3 | 1年※2 |
※1 Panasonicは商品登録によってバッテリー保証が2年から3年に延長されます。
※2 TernはBoschなど他社製の電動システムを搭載したモデルでは、モーターやバッテリーについて各メーカーの保証条件が適用されます。
※3 Ternは購入後30日以内にTern Careへ登録すると10年に延長
こうして並べてみると、かなり大きな違いがあることが分かりますね。
モーターの保証だけを見ると、YAMAHA、Panasonic、ブリヂストンは3年、BESVは2年、DAHONとADO、Ternは1年です。
つまり、同じ「e-bike」といっても、モーターの保証期間には1~3年という最大3倍の差があります。
私が特に意外に感じたのは、一般的な電気製品の保証期間としてイメージしやすい「1年」よりも長いメーカーが、決して珍しくないことです。
例えばYAMAHAのWABASH RTでは、ドライブユニットとフレームが3年、バッテリーが2年保証されています。
実際、今回私のWABASH RTが2年3カ月でモーター故障を起こした際にも、この3年保証が適用されました。

ここで注意したいのは、保証期間が長ければ必ず故障しにくい、短ければ故障しやすい、という意味ではないことです。
保証期間は、メーカーがどこまで保証責任を負うかという話であって、実際の故障率を直接表す数字ではありません。
それでも、e-bikeのようにモーターやバッテリーといった高価な専用部品を使う製品では、購入後に故障したときの経済的な負担を考えると、「モーターが何年間保証されるのか」は購入前に確認しておきたい重要なポイントだと思います。
そして、もう一つ見逃せないのが、保証期間だけではなく、故障したときに「どこで修理してもらえるのか」という問題です。
次は、この「修理体制」についてメーカーごとの違いを見ていきます。
保証期間だけじゃない!メーカー別の修理サポート体制の違い
保証期間の長さだけでなく、「壊れた車体をどうやってお店まで運ぶか」「送料負担はあるか」まで考えて選ぶことが大切です。
電動アシスト自転車(e-bike)の修理体制は、メーカーによって大きく3つのタイプに分かれます。
1. 全国店舗で持ち込めるメーカー(YAMAHA・Panasonic・ブリヂストン)
- 修理の窓口: 全国の購入店・近くの取扱店または認定サポート店
- 特徴・メリット:
- 全国に広い店舗網があり、近くのお店にそのまま車体を持ち込める安心感がある。
- メーカーと販売店が連携しており、店舗経由でスムーズに保証修理が受けられる。
- ヤマハは生産終了後も8年間補修パーツを保有するなど、長期サポートも充実。
2. 正規店・代理店経由のメーカー(BESV・DAHON・Tern)
- 修理の窓口: 購入した店舗、またはブランドの正規販売店
- 特徴・注意点:
- BESV: 国内にパーツ倉庫があり迅速対応。
ただし、専用工具が必要な場合があるため近所の正規店での対応可否を事前確認しておくと安心。 - DAHON / Tern: 輸入代理店(アキボウ)経由のサポート。
原則「購入した店舗」での受け付けとなるため、ネット通販等で購入した場合は店舗までの往復送料がユーザー負担となる点に注意が必要。 - Ternの強み: 会員登録(Tern Care)でフレーム保証が最大10年に延長され、Bosch等の主要パーツも7年間供給を案内。
- BESV: 国内にパーツ倉庫があり迅速対応。
3. 「遠隔修理」「全国訪問修理」「郵送修理」で対応のメーカー(ADO)
- 修理の窓口: カスタマーサポート(遠隔診断)、協力店舗、または郵送修理
- 特徴・注意点:
- オンラインによる「遠隔修理(トラブル診断)」を重視した新しいサポート形式。
- 近所に協力店がない場合は「郵送修理」となるが、大型のe-bikeを梱包して発送する手間がかかる。
- 初期不良を除き、往復送料は自己負担となり、修理完了まで最大2週間程度かかる場合がある。
💡 購入前に確認すべき「後悔しないためのチェックリスト」
- 近くにそのメーカーの取扱店・正規店があるか?
- 自走できない故障のとき、どうやってお店まで運ぶか?(車に載るか、引き取りサービスはあるか、郵送するか)
- 通販で購入する場合、保証修理の送料負担はどうなっているか?
では、このようなモーターの故障は、実際どれくらいの頻度で起こるものなのでしょうか。
次は海外の調査データをもとに、e-bikeのリアルな故障率を見ていきます。
e-bikeのモーター故障率は高い?海外データで検証
ここまで読んで、
「そもそも、e-bikeのモーターってそんなに壊れるものなの?」
と思った方もいるのではないでしょうか。
私自身も今回、実際にモーターが故障するまでは、e-bikeのモーターが故障することなど、あまり考えていませんでした。
実際、モーターはブレーキやタイヤのように、定期的に交換する消耗品ではありません。
しかし結論から言うと、以下の説明のように、「壊れやすい」わけではないが、「壊れない」わけでもありません。
技術的故障の約4分の1がモーター起因(WERTGARANTIE調査)
ドイツの保証会社WERTGARANTIEが行った2024年のe-bike調査では、e-bikeの損害原因として「技術的故障」が12.6%を占めています。
さらに、この技術的故障を部品別に見ると、
- バッテリー:40.9%
- ディスプレイ:28.6%
- モーター:24.2%
- その他:30.1%
となっています。
(※複数回答を含むため、合計は100%になりません。)
つまり、何らかの技術的な故障が発生したe-bikeでは、その約4分の1がモーターに関係していたということです。
ただし、ここは誤解しないようにする必要があります。
これは、「e-bikeの24.2%がモーター故障した」という意味ではありません。
あくまでも、技術的な故障が発生したケースの中で、モーターが原因だった割合です。
したがって、このデータだけから「モーターの故障率は24.2%」などと考えることはできません。
それでも、モーター故障が「めったに起こらない特殊なトラブル」とは言い切れないことは分かります。
走行距離が増えるほど故障リスクは高くなる?
e-bikeのモーターは電気製品であると同時に、走行中に大きな力を発生させる機械部品でもあります。
内部にはモーターだけでなく、ギアやベアリング、センサーなどさまざまな部品が使われています。
そのため、長期間・長距離にわたって使用すれば、部品の摩耗や経年劣化によってトラブルが発生する可能性もあります。
実際、海外の研究では、e-bikeのモーター故障が走行距離の増加とともに発生しやすくなる傾向も報告されています。
ただし、現時点ではメーカーやモーターごとの詳細な故障率を比較できる十分な公開データがあるわけではありません。
したがって、「e-bikeのモーターは〇万kmで必ず壊れる」というような明確な寿命を示すことはできません。
「壊れやすい」わけではないが、「壊れない」わけでもない
ここまでのデータから考えると、e-bikeのモーターについては、「頻繁に故障する部品ではないが、決して故障しない部品とも言えない」と考えるのが妥当でしょう。
ですので、万が一の故障に備え、「このe-bikeのモーターは何年保証なのか?」を購入前に確認しておく価値は十分にあります。
そして、せっかく手厚い保証が付いていても、それを証明する書類が手元になければ意味がありません。
保証書は捨てないで!e-bikeは部品ごとに保証年数が違う
今回の経験から、もう一つお伝えしたいことがあります。
それは、e-bikeの保証書を「購入から1年経ったから、もう必要ない」と捨てないことです。
もし「電気製品の保証なんて、どうせ1年くらいだろう」と思い込み、購入から1年以上経った時点で保証書を捨てていたら、今回の無償修理を受ける際に困っていたかもしれません。
実際、私のWABASH RTは購入から2年3カ月経過していましたが、モーターの保証期間は3年間だったため、保証が適用されました。
モーター・バッテリー・フレームの保証年数を確認する
今回の記事の冒頭でも紹介したように、e-bikeの保証期間はすべて一律ではありません。
同じ自転車でも部品によって保証期間が異なる場合がありますし、メーカーによっても保証期間は異なります。
そのため、「購入から1年経ったから、保証書はもう必要ない」と決めつけるのは危険です。
少なくとも、自分のe-bikeについて、
- モーター・ドライブユニット
- バッテリー
- フレーム
- その他の主要部品
がそれぞれ何年間保証されているのか、一度確認しておくことをおすすめします。
保証書だけでなく、購入記録も残しておこう
もう一つ大切なのが、購入日を確認できる記録を残しておくことです。
保証期間は通常、購入日を基準に計算されます。
そのため、保証書だけでなく、
- 購入日
- 購入店
- 車体番号
- 保証規定
- メーカーへの商品登録の有無
(メーカーによっては登録で保証期間が延長されることもあります)
なども、分かるようにしておくと安心です。
私は今回、たまたま保証期間内だったので助かりました。
e-bikeは一般的な自転車よりも高価で、モーターやバッテリーなど、故障すると修理費が大きくなりやすい部品を搭載しています。
「1年経ったから保証書はもういらない」ではなく、「何年保証なのかを確認して、それまでは大切に保管する」。
これが今回のモーター故障で私自身への教訓になりました。
まとめ:e-bike選びは「壊れた後」も考えると失敗しない
今回は、e-bikeや電動アシスト自転車のモーター保証について、主要メーカーを比較してみました。
調べてみると、モーターの保証期間はメーカーによってかなり違い、1年のメーカーもあれば、2年、3年保証のメーカーもあります。
また、保証期間だけでなく、故障したときに近くの販売店へ持ち込めるのか、メーカーへの郵送が必要なのかなど、修理体制にも大きな違いがあります。
e-bikeを購入するときには、モーターの性能やバッテリー容量だけでなく、
「モーターは何年保証なのか」
「故障したら、どこへ持っていけばいいのか」
まで確認しておくことをおすすめします。
(関連記事:『電動アシスト自転車の坂道性能はここで決まる|失敗しない5つの選び方』)
そして、もう一つ。
「購入から1年経ったから、保証書はもういらない」
と決めつけて、保証書を捨てないこと。
購入したら保証内容を一度確認し、保証書や購入記録は大切に保管しておきましょう。
私自身、今回のモーター故障を経験して、「保証期間」と「修理体制」は、e-bikeを選ぶうえで意外と重要なポイントなのだと実感しました。
これからe-bikeを購入する方は、ぜひ「壊れたとき」のことも考えて、メーカーや車種を選んでみてください。





























