「お父さん、テレビの音が大きいよ!」と言われた、あるいは、人との会話で、「えっ?もう一度」と聞き返すことが増えた——そんな経験はありませんか?
自分は「このアナウンサー、滑舌が悪いな」と思っていたりして、自覚があまりないのが難聴の怖い所です。
聴力は30歳代から低下し始めると言われており、中高年の3人に1人前後は補聴器を使用しているか、健康診断などで聴力低下を指摘されたことがある補聴器予備軍のようです。
私も高齢となり、健康診断の聴力検査で毎回、問題を指摘されるようになり、ついに補聴器を購入することを決めました。
最初は、「メガネやコンタクトレンズを買うように、お医者さんに行って検査を受け、補聴器の販売店で相談すれば、自分に合ったものをすぐに選んでもらえるのだろう」——そう思っていました。
ところが調べ始めると、そう簡単ではないことがわかってきました。
まず値段で、片耳で数万円から、高いものでは30万円以上。
「え、そんなに高いの!?」とびっくりしました。
「補聴器が高額な理由」と検索すると、出てくる情報はメーカーや販売店のサイトのものばかりで、しかも情報過多。
本当に自分に合っているのは、どのようなモデルで、どれくらいの価格帯のものか、さっぱりわかりません。
販売店に行けばプロが教えてくれるはずですが、その店が扱うメーカーの中からしか選べません。
行ったこともないお店に飛び込んで、そのような囲い込み販売をされるのは気が進みません。
さらに言うと、試着はできても、日常生活で本当に合うかどうかは買ってみないとわからないし、一度買ったら、なかなか返品も機種変更もできないようです。
「これは大変だ~」と気付くのに、それほど時間はかかりませんでした。
調べて分かったのは、補聴器選びには「賢い順番」があることです。
その順番を知っているかどうかで、無駄な出費と後悔を大きく減らすことができます。
この記事では、調べてわかったことを整理して、これから補聴器購入を検討している方に紹介したいと思います。
難聴は聞こえづらいという不便さがあるだけでなく、認知症の重要な危険要素として注目されているので、補聴器選びの参考にしていただければ幸いです。
難聴を放置すると認知症リスクが高まる?知っておくべき科学的根拠
健康診断の聴力検査「不合格」は脳の危険サイン
実際、国立長寿医療センターの研究で、健康診断で行われる簡便な聴力検査の結果が、認知機能の低下を察知する重要な手がかりになることが分かったそうです。
(参照: 国立長寿医療センター『健診聴力の異常なんて大したことない? いえいえ認知機能低下の要注意サインかも【認知症予防】』)
健診の聴力検査で「不合格」だったグループは、「合格」したグループに比べて認知機能検査の得点が低く、認知機能低下の疑いがある人の割合が有意に高いことがわかったのです。
認知症になってしまうと次のような深刻な影響があります。
- 本人への影響
- 判断力の低下、コミュニケーションの困難、感情の不安定化
- 自信喪失・孤独感
- 家族・周囲への影響(こちらも深刻な部分)
- 介護負担の増大と精神的ストレス、経済的負担(介護サービス、通院、福祉用具、住宅改修など)
- 介護を担う人に負担が集中し、家族関係の変化
12年間の追跡研究が証明!補聴器が認知機能の低下を緩やかにする
国立長寿医療研究センターの研究チームは、中等度難聴のある高齢者約400名を対象に、12年間にわたる認知機能の変化を解析しました。
その結果、中等度の難聴があっても、補聴器を使用している人は、使用していない人に比べて「知識力(語彙などの結晶性知能)」の低下が抑制されていることが分かりました。
(参照: 国立長寿医療研究センター『補聴器を使用すると認知機能低下を予防できる? 【認知症予防】』)
認知症になる人は50代でやや増え、60代前半ではっきりと増加し、本格的な増加は65歳以降、特に75歳以上で急増します。
難聴はゆっくり進行するので、「ちょっと聞き取りにくいけど、まあいいや」と対策を後回しにしがちですが、高齢者で難聴の方は補聴器を購入するなど、早めに対策をした方が良いと思います。
失敗しない補聴器の選び方!リスクを最小限に抑える4ステップ戦略
いざ補聴器を検討しようとすると、「高額すぎて手が出ない」「どこで買えばいいかわからない」と感じる方も多いはずです。
私が実際に補聴器を購入した際に見出した、難聴の方が補聴器を選ぶための、リスクを抑えた現実的な4ステップをご紹介します。
【難聴レベル早見表】あなたの聞こえにくさはどの程度?
難聴は聴力損失(正常な聴力よりも音が聞こえにくい状態)の大きさ(dB:デシベル)で分類されます。
| 程度 | 聴力損失 | 日常での影響の目安 |
|---|---|---|
| 軽度 | 25〜40dB | 小声や遠くの声が聞き取りにくい |
| 中度 | 40〜70dB | 普通の会話でも聞き取りにくい |
| 高度 | 70〜90dB | 大きな声でないと聞き取れない |
| 重度 | 90dB以上 | ほとんど聞こえない |
この記事の補聴器選びの方法は、主に軽度〜中度の方を対象としています。
高度・重度の難聴の補聴器選びは、軽度・中度とは全く異なり、専門医による精密検査が出発点で、軽中度向けとは異なる機器が必要になります。
後悔をゼロにする補聴器購入の4ステップ【全体像】
次のステップを踏むのが無駄な出費のリスクが少なく、お勧めです。
- 耳鼻咽喉科で聴力検査(1,500〜2,500円)
↓ 原因疾患がないことを確認 - アプリを使ってセルフフィッティングが可能なVibe(ヴィーブ)を片耳から試す(約4万円)
(※Vibeの詳しい説明は後でします)
↓ 30日以内に判断 - 満足
→ そのまま使用 or 両耳に拡張 - 不満の場合、あるいは重度の場合
Vibeを返品し、
↓ 認定補聴器専門店へ
(※:認定補聴器専門店とは、公益財団法人テクノエイド協会が定めた厳しい基準を満たしていると認定された補聴器販売店のことです。)
この順番には重要な意味があります。
認定補聴器専門店を先に訪れると、その店が扱う機種の中での選択になり、Vibeのようなセルフフィッティング型を試す機会は事実上失われます。
セルフフィッティング型は専門店で勧められる補聴器よりも低価格なことが多く、更に体調や使用シーンの変化で補聴器の調整が必要になった場合、専門店に行かないで自分でアプリを使ってできるという便利さがあります。
セルフフィッティング型を先に試してダメだった場合、専門店に行く段階では「セルフ型では何が物足りなかったか」を具体的に伝えられるため、専門店でのヒアリングがスムーズになります。
このようにセルフフィッティング型のVibeで満足できれば良いですし、合わない場合、Vibe の30日間返品保証を使って返品※できます。
(※:ただし全額返金ではなく返品手数料を払う必要はあります。詳しくはステップ④の説明の中で。)
「他にもVibeと同じく医療機器認証を受け、ネット販売もされているオンキョーやデジミミ3などの補聴器があるのに、なぜVibeなのか」と疑問に持つかもしれませんね。
実は、自動フィッティング(初期設定や聴力変化への再設定)やアプリでの音質調整をユーザーが自分でできるのはVibeしかないからです。
ステップ①:まずは耳鼻咽喉科へ!保険診療でわかる難聴の原因
まず、補聴器を買う前に必ずやっておきたいのが、耳鼻咽喉科での受診です。
なぜ受診が必要か?
「聞こえにくい」には様々な原因があります。
中耳炎や耳垢栓塞(耳垢が詰まった状態)など、治療で改善できる疾患が隠れているケースもあります。
補聴器を買う前に、こうした原因を除外しておくことが大切です。
健診の聴力検査では不十分?
職場健診などでは、一般的に1,000Hz(中音域)と4,000Hz(高音域)の2点だけを検査します。
これはあくまでスクリーニング(ふるい分け)が目的です。
耳鼻咽喉科では125Hz〜8,000Hzの7〜8点を測定してオージオグラム(聴力図)を描きます。
これにより、高音域型か平坦型かといった難聴のタイプを正確に把握できます。
費用の目安
| 項目 | 3割負担の目安 |
|---|---|
| 初診料 | 約800〜1,000円 |
| 純音聴力検査(音が聞こえるか) | 約400〜700円 |
| 語音聴力検査(言葉が理解できるか) | 約400〜700円 |
| 合計目安 | 約1,500〜2,500円前後 |
ポイント:「聞こえが気になる」と症状を伝えれば、保険診療が適用されます。
受診前に電話で確認しておくと安心です。
結果が出たら、軽度〜中度なら、次のステップ②へ。
もし、高度〜重度なら認定補聴器専門店へ直行します。
ステップ②:高額機種は不要?セルフ型の「Vibe」を片耳から試す
耳鼻咽喉科の診断で「補聴器が必要」とわかったら、いきなり高額な補聴器を買う必要はありません。
「高額なのに合わなかったらどうしよう」という心配をなくして試せる選択肢があります。
Vibe補聴器とは?
Vibe(ヴィーブ)は、Vibeは、世界大手の補聴器グループである WS Audiology が開発したブランドで、セルフフィッティング型の補聴器です。
日本での医療機器認証も取得しており、いわゆる「集音器」とは異なる正規の補聴器です。
最大の特徴は、スマートフォンのアプリで、本当に専門店不要でセルフフィッティングできるのは、現在日本ではVibeシリーズが最も充実しています。
このアプリはAndroid と iOS の両方に対応しており、Android版はGoogle Playで、iOS版はApp Storeで提供されています。
また、30日間の返品保証(詳細はステップ④参照)がある点も魅力です。
次の表はVibeの主なモデルと価格です。
これらは耳穴型で、「補聴器って恥ずかしい……」という方でも、目立たずに装着できます。
| モデル | 対応 | 価格 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Nano8 | 軽度〜中等度 | 39,800円 (片耳) | 最小・最軽量の耳あな型。外からほとんど見えない |
| Mini8 | 軽度〜中等度 | 39,800円 (片耳) | 大きめの電池採用で電池寿命が長く経済的 |
| Air | 軽度 | 98,000円 (両耳) | 高音質・超小型のプレミアムモデル。 両耳セットのみの販売 |
| Go | 軽度〜中等度 | 128,000円 (両耳) | イヤフォン型・最新の話者追尾機能搭載。 両耳セットのみの販売 |
軽度〜中度の方が最初に試すなら、Nano8またはMini8が入門として適しています。
私は4年前に軽度用のAir(両耳)を購入し、その後、中程度の難聴に進んだので、昨年、Mini8を購入しました。
これは私にぴったりで、テレビのボリュームを下げてもニュースなどの声がよく聞き取れるようになりました。
最近の健診では久しぶりに聴力検査も合格したのも、嬉しかったです。
電池の持ちが良いのも気に入っている点で、1日約15時間装着で、約10日に一度交換するかどうかというペースです。
なお、私は公式サイトより安く買えたので、Amazonで購入し、価格は左耳用が33,586円、右耳用が32,916円でした。
後程、「ステップ④」で説明しますように、Amazonで購入すると30日間返品保証はありませんが、AirでVibeシリーズの良さは分かっていたので、価格が安いところを選びました。
通販などで数千円から手に入る「集音器」と、医療機器である「補聴器」は、見た目は似ていても中身はまったくの別物です。
- 集音器(家電製品): 周囲の音を全体的に大きくする機械です。
「特定の音だけを大きくする」といった細かい調整が難しく、突然の大きな物音までそのまま増幅されて耳に届くため、かえって耳を痛めてしまうリスクがあります。 - 補聴器(管理医療機器): 厚生労働省から正式に認証を受けた医療機器です。
人間の耳を保護するために「これ以上大きな音は出さない」という制限機能(出力制限)が必ず備わっています。
さらに、Vibeのような補聴器は、一人ひとりの聴力に合わせて「聞き取りにくい音域だけを狙って大きくする」という高度な音質調整が可能です。
大切な耳の健康を守り、快適な聞こえを手に入れるためにも、購入の際は「医療機器認証」を取得している正規の補聴器を選ぶことが極めて重要です。
セルフフィッティングの流れ
Vibeのアプリで簡易聴力チェックを行い、その結果をもとにアプリが自動でフィッティングします。
初めて行うとちょっと緊張しますが、ゲーム感覚で簡単にできます。

その後、高音・低音・全体音量を自分で微調整し、静かな室内・騒がしい場所といった生活環境に合わせたプリセットを再調整できます。
なぜ「片耳から」がおすすめか?
両耳分を一度に購入すると7万円近くになります。
まず片耳だけ試して効果を実感してから、両耳に拡張するかどうか判断するのが、リスクを最小化する賢い方法です。
「合わなくなった」ときもアプリで即対応できる
補聴器は買って終わりではありません。
生活環境が変わったり、体調や季節によって耳の状態が変わることは普通に起こります。
Vibeであれば、こうした変化にも専門店に行かず自分で対応できる点が大きな強みです。
| 状況 | Vibeなら |
|---|---|
| 音量・音質が合わなくなった | アプリで即座に微調整 |
| 新しい職場・環境に移った | 新プリセットを自分で作成 |
| 旅行先で合わなくなった | その場でアプリ調整 |
| 聴力が変化した | アプリで聴力チェックから再フィッティング |
専門店で購入した場合、再調整のたびに来店が必要で、店によっては調整料(2,000〜5,000円)が発生します。
また、別の機種に変えたい場合は原則として再購入になります。
Vibeならこうしたコストと手間が一切かかりません。
ステップ③:聞こえが改善したら継続!両耳装用3つのメリット
30日間試してみて、「聞こえが改善した」「使いやすい」と感じたら、そのまま使い続けましょう。
Vibeに限らず、補聴器購入者のAmazonや楽天でのコメントでは、「ピーピーとハウリングがうるさいので使えない」というのをよく見かけます。
これは、耳せん(スリーブ)が耳穴に合っておらず、スキマがあると音漏れしてハウリングが起こります。
Vibeには色々なサイズの耳せんが同梱されているので、その中から耳穴とのスキマをしっかり塞げるサイズを選ぶことが大切です。
また、補聴器が初めての方は、最初の数週間は違和感があるかもしれませんので、じっくり試してみましょう。
さらに、片耳だけでは方向感や言葉の聞き取りに限界を感じる場合は、もう片方も追加する両耳装用を検討します。
両耳に装着すると、音の方向感がつかみやすくなり、騒がしい場所での言葉の聞き取りも向上します。
また、脳への音刺激がバランスよく入るという利点もあります。
ステップ④:合わない場合は30日以内に返品!認定補聴器専門店の活用法
Vibeの返品
「音は聞こえるが言葉がはっきり聞き取れない」「セルフ調整では限界を感じる」など、不満足な場合は、Vibeを返品します。
- 対象:Vibe公式オンラインストアで購入した補聴器本体
(AmazonなどでもVibeは販売されていますが、この保証はVibe公式オンラインストアでの購入だけが対象です) - 期間:お届け日から30日以内
- 条件:サポートセンターへ事前連絡が必要
- 返金:購入金額から“事務手数料”を差し引いて返金
- Mini8 / Nano8 / S8:1,000円(片耳あたり)
- Air:2,000円(両耳セット)
- Go:3,000円(両耳セット)
- 返送:送料はユーザー負担(元払い)
- 返品不可条件:破損・故障・31日以降・譲渡品など
認定補聴器専門店でのフィッティング
Vibeの返品をし、認定補聴器専門店で本格的なフィッティングを受けます。
この段階では「Vibeで試したが、こういう点が物足りなかった」と具体的に伝えられるため、専門店でのヒアリングが的確になり、より自分に合った機種を選びやすくなります。
専門店ルートの構造的な注意点
専門店は本格的な聴力測定と精密なフィッティングという点で優れていますが、消費者として知っておくべき点もあります。
- 取り扱い機種の制約: 専門店はフォナック・シグニア・リサウンドといった欧米大手メーカーの製品が中心で、セルフフィッティング型は扱っていません。
その店の取り扱い機種の中での選択になります。 - 再調整・機種変更のコスト: 購入した店での再調整は無料のところが多いですが、店によっては調整料が発生します。
また別機種への変更は原則として再購入になります。
聴力の変化や生活環境の変化に伴うコストは、長期的に見て無視できません。 - 試聴期間を最大限活用する: こうした事情を踏まえると、専門店での試聴・貸し出し期間(2〜4週間)を徹底的に活用し、日常のあらゆるシーンで確認してから購入を決断することが重要です。
良い認定補聴器店を見分けるポイント
| 良い店のサイン | 注意すべきサイン |
|---|---|
| 試聴・貸し出し期間を積極的に勧める | 来店当日に即決を求める。 「今だけのキャンペーンです」など |
| 生活環境を細かく聞く | 検査結果だけ見て、すぐに商品を出す |
| 複数の選択肢を提示する | 最初から最高額機種だけ勧める |
| フィッティング調整が永年無料と明示 | 購入後のサポート条件が曖昧。 年2回までは無料など、制限がある場合も |
補聴器の公的支援|補助金・助成金・医療費控除で負担を軽くする方法
軽度〜中度難聴の方が使える公的支援は、大きく2種類あります。
①最大9割補助も!自治体ごとの独自助成制度を活用しよう
身体障害者手帳が交付されない軽度〜中度難聴(両耳が概ね70dB未満)の方向けに、近年、高齢者の生活の質の向上などを鑑み、自治体による独自の助成制度の整備が全国的に広まっています。
65歳以上を対象としている自治体が多いですが、40歳以上・50歳以上を対象とする自治体もあります。また、年齢制限を設けずに全年齢を対象にしている場合もあります。
(参照:きこえナビ『補聴器を買うなら補助金や助成制度を徹底活用!種類や条件、手続き』)
助成額は自治体によって異なりますが、世田谷区では補聴器購入費用の9割・上限5万円、狛江市では上限4万円の補助が行われています。
また、大阪市では2025年4月以降、65歳以上の軽度・中度の難聴高齢者に対し、1回の購入につき上限2万5,000円を助成する制度が始まっています。
ただし、所得制限を設けている自治体も多く、住民税非課税世帯を条件とするケースが一般的です。
また、自治体の助成金は「必ず補聴器を購入する前に申請手続きを行うこと(事後申請は不可)」というルールになっているケースがほとんどです。
さらに、購入先を認定補聴器専門店に限定している場合もあり、年度途中で予算枠が終了し受付が中止されるケースもあります。
→ まずは「お住まいの市区町村名+補聴器 助成」で検索、または市区町村の福祉担当窓口に問い合わせてみましょう。
ご注意 助成制度の内容・金額・条件は自治体や年度によって異なります。
申請前に必ず最新情報をお住まいの市区町村窓口でご確認ください。
②確定申告で税金が戻る?補聴器の「医療費控除」の条件と注意点
自治体の助成がない地域の方や、所得制限で対象外の方にも使えるのが医療費控除です。
2018年から「補聴器適合に関する診療情報提供書(2018)」を活用することで、補聴器購入費が医療費控除の対象となりました。
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定の「補聴器相談医」を受診して補聴器が必要と判断された場合、確定申告により一定の医療費控除を受けることができます。
(参考:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会『補聴器購入者が医療費控除を受けるために』)
→ 補聴器相談医の在籍医院は、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の公式サイトの「補聴器相談医名簿」で調べることができます。
なお、認定補聴器専門店または認定補聴器技能者以外から購入した補聴器は、医療費控除の対象とならず、AmazonなどのECサイトで購入した場合も対象外になりますので注意が必要です。
医療費控除は「所得税や住民税の控除が受けられる制度」ですので、すでに所得税や住民税が非課税の方は控除する対象がなく、利用できません。
補聴器選びのまとめ
補聴器選びは「高額なものを買えばいい」という世界ではありません。
購入後の調整・維持コストや手間まで含めて考えると、まずセルフフィッティング型で試すという次のアプローチは、軽度〜中度の難聴の方にとって非常に合理的な選択です:
① 耳鼻咽喉科 → ② Vibe を片耳で試す → ③ 満足なら継続・両耳へ拡張 → ④ 合わなければ専門店へ
「いきなり高額な補聴器は怖い」という方も、まずはステップ①の受診から始めてみてください。正確な情報をもとに、自分に合った一歩を踏み出しましょう。
まとめ:快適な生活と認知症予防のために、今日からできる難聴対策
生活の不便解消だけでなく、認知症のリスクを下げるためにも難聴対策は必要です。
けれども、「高音域から落ちるため自覚しにくい」「“聞こえるが言葉が分からない”という症状が自覚しづらい」といった理由から、難聴は気づかないうちに少しずつ進みます。
定期健康診断は受けているでしょうか?
健診の聴力検査は貴重な見直しの機会を与えてくれます。
難聴かなと思う方は、この記事で紹介した補聴器選びの4ステップを参考に、先ずは耳鼻咽喉科で受診することをお勧めします。
※ 補聴器の価格・仕様は変更される場合があります。購入前に必ず最新情報をご確認ください。 ※ 本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療アドバイスではありません。
症状が気になる方は医師にご相談ください。






























「dB(デシベル)」と聞いても、ピンとこない方がほとんどだと思います。
補聴器を選ぶうえで難聴の程度を理解するための「物差し」ですので、ここで簡単に説明します。
dBとは、「その音が聞こえ始めるのに必要な音の大きさ」を示す数値です。
難聴の検査では、「この高さの音を、どれくらい大きくすれば聞こえるか」を測ります。
この「どれくらい大きく」の部分がdB(デシベル)です。
要するに、この数値が大きいほど重度の難聴という意味です。