信号で止まるたびに”キキーッ!”と盛大な音!
歩行者に振り返られるのが恥ずかしくて、ついブレーキを使わなくなっていた――
六角レンチ1本で、これを解決できます。
最近、私のブリヂストンTB1eという電動アシスト自転車の前輪ブレーキをかけると、ものすごい音がするようになりました。
あまりにうるさいので、主に後輪のブレーキを使っていましたが、急坂を下っているときのように、前後輪、両方のブレーキをかけないと制動力が足りなくなることがあります。
安全上、良くないので、このブレーキの異音を解消しましたが、この記事ではその方法を分かりやすく紹介します。
なお、この記事はリムブレーキについてのもので、ディスクブレーキの場合は別の対処法が必要です。
(注)リムブレーキとは、自転車の車輪の外周(リム)をゴムのブレーキシューで挟んで止める仕組みのブレーキです。
【なぜ鳴る?】自転車ブレーキが「キキー」と鳴る原因と直し方
「キキー音」の正体はブレーキシューの角度ズレだった
ブレーキの「キキー」という音は、ほぼ確実に“ブレーキシューのリムへの当たり方”が原因です。
次の図のように、進行方向に向かってブレーキシューが逆ハの字になっていると、ブレーキをかけた時にブレーキシューは前へ引っ張られ、限界になると元の形に戻ろうとします。
これが細かい振動として繰り返され、その際にリムと接触して、あの嫌な異音が発生します。

解決策は簡単:「トーイン」でシューをハの字に直すだけ
つまり、逆ハの字のためにリムにつっかかっていたブレーキシューを、次の図のように、ハの字にセットし直せば異音の問題は解決します。
ブレーキシューの前をトー(つまさき)と見なすと、それをイン(内向き)にセットするので、これはトーインと呼ばれています。

リムブレーキにはキャリパーブレーキ (ロードバイクに多い)やカンチブレーキ (シクロクロスや昔のMTB)、Vブレーキ(現代の一般車・クロスバイク・MTBに多い)といった種類がありますが、このトーインの考え方は、どのリムブレーキ式自転車にも共通です。
ただし、キャリパーブレーキはブレーキシューの角度調整がほぼできない ので、トーインはシム(ワッシャー)で作ることになり、この記事の説明対象から外します。
自転車店に頼むと修理代はいくらかかる?
修理の仕方を説明する前に、自分で行うモチベーションを上げるために、自転車店に依頼するといくらかかるか見てみましょう。
自転車のブレーキから発生するキーキー音を修理する際の費用は、原因や修理内容によって大きく異なります。
簡単なメンテナンスで解決する場合もあれば、部品交換が必要になり、修理代が数千円になることもあります。
修理・調整費用は店舗によって異なりますが、おおむね700〜1,500円で引き受けてもらえるようです。
つまり、自分でやれば、ラーメン1杯、あるいは牛丼2杯くらいの食費が浮くので、やる気が出ますよね。
またブレーキシューの交換が必要な場合は1,000〜3,000円(部品代込み)を見ておくといいでしょう。
この交換も後で説明するように、自分で簡単にできます。
なお、店舗や自転車タイプ(一般車か電動アシストか)で変動しますが、保証内なら無料の場合もあります。
【自分でできる】ブレーキの異音を消す調整手順・ステップ解説
ステップ1:まずブレーキシューの減り・異物を確認しよう
ブレーキシューがすり減っていたり、小さな石や金属片が食い込んでいたりすると音の原因になります。
摩耗したものを新しいブレーキシューに取り換えるか、表面をやすりで軽く削って異物を取り除いてください。
私のブリヂストンTB1eという電動アシスト自転車の場合、購入して4年ですが、前輪のブレーキシューは厚さが2mm程度にすり減っていて、溝が消えていました(次の写真)。

そこで、新しいブレーキシューに交換することにしました。
TB1eの前輪はVブレーキで、Y’s RoadのWeb記事『ブレーキシューの細かな違い….「Vブレーキ編」』に、「M70T4が全天候型で磨耗も少なくホイールへの攻撃性も少ないため非常にオススメです」とありました。
このプロのお勧めがあり、信頼のシマノ製なので、M70T4をアマゾンで購入しました。
価格は949円で、交換も六角レンチで古いブレーキシューを外して新しいブレーキシューを取り付けるだけで、簡単。
この作業は10〜15分でできます。
肝心なのは次に行うブレーキシューの位置決めです。
ステップ2:ブレーキシューの「前後の角度」を目で確かめる
ブレーキシューの
● 前側がリムに先に触れる
● 後ろ側はわずかに隙間がある
この状態が理想。
もし前後が平行、または後ろ側が先に当たっているなら異音が出やすいです。
ステップ3:厚紙1枚でできる!トーイン調整の具体的手順
必要なもの:六角レンチ(5mmが多い)
後で説明しますが、ブレーキレバーを握りながらボルトを締めるため、片手でも締められるラチェット式が便利です。
お勧めは、次の高儀の薄型ラチェット式のレンチです。
自転車のメンテナンスのように狭いスペースで、なおかつ片手で行う作業に最適です。
トーインの手順
- ブレーキシューを固定しているボルトを、レンチでシューが動く程度に少し緩めます。
- シューの「後ろ側」とリムの間に、厚紙や不要なプラスチック・カードを挟みます。
- シューの上下位置も確認します。
▢ リムの中央に当たっているか
▢ タイヤ側に触れていないか
▢ リムの外に出ていないか - OKであれば、その状態でブレーキレバーを強く握ります。
これで、自然に「前が着いて後ろが浮いた」角度が保持されます。 - ブレーキレバーを握ったまま、ボルトをしっかり締め直します。
片手はブレーキレバーを握るのに使うので、もう一方の片手だけでボルトを締められるラチェット式レンチが便利です。
ステップに書くと手間に見えますが、実際の作業時間は10〜15分でできます。

あんなにうるさかった私のTB1eの前輪ブレーキの異音は完全に無音になり、気兼ねなくブレーキをかけられるようになりました―― 気持ちいい!
なお、「トーイン」の仕方については、サイクルベースあさひの解説記事も参考になります。
ステップ4:ブレーキの作動テストを忘れずに
いきなり、人やクルマの多いところに走りに行かないで、まずは安全なところで試走してください。
軽め、強め、両方のブレーキのかけ方を試し、どちらも異音が出ないことを確認しましょう。
それでも直らない場合:片効き・リム汚れも確認を
ブレーキシューの角度調整で直らない場合は、以下の要因が考えられます。
- 片効きの解消: 左右のシューが同時にリムに当たっていない「片効き」状態も振動を生みます。ブレーキ本体の調整ネジで、左右の間隔が均等になるよう微調整してください。
確認方法は簡単です。
自転車の正面からブレーキを見ながらレバーをゆっくり握り、左右のシューが同時にリムに触れているかを目で確かめます。
片方が先に当たっているようなら、ブレーキ本体のセンタリング調整ネジ(ブレーキキャリパーの側面にある小さなネジ)を使って調整します。 - リムの汚れ: リムの制動面に黒いゴムのカスや油分が付着していると、摩擦が不安定になり音が出ます。パーツクリーナーや中性洗剤でリムを掃除してください。
雨の日に走ることが多い方や、しばらくメンテナンスをしていない自転車は要チェックです。
掃除の手順は次のとおりです。- ウエス(古い布や雑巾)にパーツクリーナーまたは中性洗剤を少量含ませます。
(注意: オイルやグリスは絶対に使わないでください。
制動力が大幅に低下し、大変危険です。) - リムの制動面(側面の平らな部分)を、汚れが取れるまで丁寧に拭き取ります。
- 最後にきれいな乾いた布で水分や洗剤を完全に拭き取ります。
- 掃除後は必ず試走して、ブレーキがしっかり効くことを確認してからお出かけください。
ミソノイ『リムブレーキの音鳴り対策:新車も要チェック!』の記事でもリムの清掃方法が説明されています。
- ウエス(古い布や雑巾)にパーツクリーナーまたは中性洗剤を少量含ませます。
上記をすべて試しても異音が続く場合は、ブレーキアームの歪みやホイールの振れ(横ブレ)など、目視では判断しにくい問題が原因の可能性があります。
無理に自分で解決しようとせず、お近くの自転車店に持ち込むことをお勧めします。
まとめ
この記事で紹介したように、自転車のブレーキの「キキー!」という異音は、ブレーキシューの当たり方を少し調整するだけで改善できるケースが少なくありません。
特に重要なのが、「トーイン」と呼ばれる、ブレーキシューをわずかにハの字にセットする調整です。これだけでも、驚くほど静かになることがあります。
また、ブレーキシューの摩耗やリムの汚れ、片効きなども異音の原因になるため、あわせてチェックしておくと安心です。
ブレーキは、自転車の安全に直結する大切な部品です。
「音がうるさいから後輪だけ使う」といった状態を放置すると、急な下り坂や緊急停止時に危険につながることもあります。
今回紹介した調整は、六角レンチがあれば比較的簡単にできますので、ブレーキ音に悩んでいる方は、一度試してみてはいかがでしょうか。
静かで安心感のあるブレーキに変わると、サイクリングもより快適になります。






























ブレーキレバーを目一杯引いても、ブレーキが効かなくなってしまうことがあります。
これは、ブレーキケーブルの伸びか、ブレーキシューの摩耗かのどちらかが原因であることがほとんどです。
ブレーキケーブルの伸びが原因である場合、少しの伸びであれば、簡単に治せます。
『自転車のブレーキの引きしろ(握り幅)調整はブレーキケーブルアジャスターで簡単!』の記事でそのやり方を説明していますので、よろしかったらご覧ください。