シマノの自動変速「Q’AUTO」って便利なの? 一般ユーザー目線で徹底解説!

自転車のギアチェンジ、ちょっと面倒だなと思ったことはありませんか?

通勤や買い物で自転車に乗るとき、信号のたびに止まって、発進するときはギアを軽くして…

「もっとスムーズに走れたらいいのに」と思ったこと、ありませんか?

そんな中、最近、あのシマノから“自動”でギアチェンジしてくれる新技術「Q’AUTO(クォート)」が発表されました。

日経新聞やYahooニュース、Googleニュース、乗り物系Webサイトなど、非常に多くのメディアで取り上げられたので記事を目にした人も多いと思います。

でも、「電動アシストでもないのに何がすごいの?」「本当に便利なの?」と疑問を持つ人も多いはず。

私も多くのニュースで取り上げられているので気になって調べてみました。

この記事では、一般の自転車ユーザーの視点から、「Q’AUTO」の魅力と注意点をわかりやすく紹介したいと思います!

Q’AUTOってなに? 自転車がオートマになる新技術をざっくり解説

Q’AUTOは、シマノが電動アシストではない、普通の自転車用に開発したバッテリーレスで充電不要の自動変速システムです。

名前の通り、ペダルを漕ぐだけで勝手にギアが変わるという優れものです。

  • ペダルの回転スピード(ケイデンス)
  • 坂道などの傾斜
  • 速度の変化

といった情報をセンサーが感知し、AI的な学習機能を使って、ぴったりのギアに自動で切り替えてくれます。

つまり、自転車に“オートマ”がついたイメージです。

より詳しく言うと、Q’AUTOは、自動変速用ダイナモ付フリーハブ(FH-U6060)と、対応するDi2リアディレーラー(RD-U8050-SGS/GS)から構成されます。
さらに、対応するスイッチやデュアルコントロールレバーがあれば、AI学習機能によるより最適なオート変速が可能になります。
(参照:SHIMANOのWebページ:https://bike.shimano.com/ja-JP/support-and-service/faq/QAT0A.html )

どんな人に向いている?便利なシーンは?

この機能が役立ちそうな人を具体的に挙げてみます。

✅ 信号の多い街を通勤・通学する人
ストップ&ゴーが多い道では、発進時のスムーズさが大きなメリット。

✅ ギア操作が苦手な初心者
スポーツバイクに乗り始めたばかりで「変速って難しい」と感じている人にぴったり。

✅ シニア層や女性ユーザー
手首の力が弱かったり、ギアチェンジを億劫に感じる人にもおすすめです。

でも注意点も…「電動アシスト」とは全く違う!

Q’AUTOは「電動アシスト自転車に対抗」と紹介されることがありますが、これはちょっと誤解を招きます。
✅ 電動アシスト:ペダルを漕ぐ力を“モーターで補助”してくれる → 坂道が楽

✅ Q’AUTO:ギアを“自動で最適化”してくれる → ペダルはあくまで自力
坂がラクになるわけではありません!

そのため、坂がつらいと感じている人には電動アシストのほうが向いています。

私がニュース記事を読んで「なにこれ?!」と驚いたのは、日経新聞の『シマノ、自転車変速機にAI 電動アシストに対抗、市場に新風』という記事タイトルです。

さらに、この日経記事には『「こんなに軽々と坂を上れるなんて。E-BIKEじゃなくてもいいと思う」――。シマノの新しい変速システムを搭載した自転車の試乗会で東京・渋谷の住宅街にある坂道を上り切った40代女性が驚きの声を上げた。』とも書かれています…

当たり前ですが、手動で一番軽いギヤにしても上れなかった坂は、Q’AUTOの自動変速でも上れません。

Q’AUTOはあくまで普通の自転車の自動変速を可能にするものであり、所詮、自分の脚力だけで漕ぐ自転車は、逆立ちしても電動アシスト自転車のパワーに対抗できません。

明らかにおかしく、リンゴとミカンを比べるようなお門違いな製品紹介です。

価格は? パーツで7万円超、完成車で20万円も!?

Q’AUTOの主なパーツの合計価格は約7万3千円(税込)

パーツ名価格(税込)
オート変速ハブ(FH-U6060)39,482円
ワイヤレスDi2リアディレーラー
(RD-U8050-SGS/GS)
33,625円
シフトスイッチ(任意)
(SW-EN605-R: ワイヤレスシフトスイッチ)
15,506円

さらに、NESTOから「Q’AUTO搭載の完成車(AUTOMATE)」が19万8000円で発売予定(2025年11月)です。

気になるポイント:本当に「AI」なの?

製品紹介の記事をみると、「AI学習機能が搭載されている」という説明が多用されています。

けれども、現在一般的にイメージされる「深層学習」や「機械学習」のAIとは異なる可能性があります。

センサーデータ(速度、ケイデンス、傾斜)から最適なギアを選択するロジック自体は、AIとは異なると考えられます。

また、「学習機能」については、ライダーがシフトスイッチで手動調整した際のパターンを記憶し、その人の好みに合わせて変速タイミングを調整するという、比較的シンプルな適応機能のようです。

つまり、シマノ公式では“AI”と紹介されていますが、技術的には機械学習のような本格的AIとは異なると思われます。

現在のAIブームで「AI」という言葉が安易に使われている風潮ですが、シマノの技術力とブランドを考えると、マーケティング的な流行語に頼らずとも、その革新性と実用性は十分に伝わると思いますが…

Q’AUTOは後付けできるの?

「今乗っている自転車のギア変速が意外と面倒… Q’AUTOは後付けできないのかな?」と思う人もいると思います。

残念ながら、Q’AUTOは基本的に既存の自転車に後付けするのは非常に難しいか、ほぼ不可能だと思います。

なぜなら、専用のリアハブとエレクトロニックディレイラーが必要で、フレームの規格やスルーアクスル、ギア数の互換性に強く依存しています。

つまり、一般的なクロスバイクやシティサイクル、安価なスポーツバイクには適合しません。

Q’AUTOは今後、普及するの?

これは正直、用途と価格のバランス次第と思います。

  • 通勤・通学や街乗りが中心の人 → コスパ的に導入は難しいかも
    混雑した交通環境や信号待ちが多い道を走ることが多い人々にとって、手動でギアを変える手間が省ける点は便利かもしれません。
    けれども、経済的に余裕の無い学生や会社員は高額な自動変速機能に手を出しにくいと思います。
    なにしろ、自分の身の安全を守る自転車用ヘルメットやバックミラーは「Q’AUTO」よりもはるかに安いですが、それですら購入している人は少数派ですから…
  • 高齢者層 → わかりやすい利便性があればニーズはありそう
    年齢を重ねるとギアチェンジが手間と感じることもあるため、「Q’AUTO」のような機能は、高齢者向けの自転車に適している可能性はあると思います。
    自動変速機能だけでなく、高齢者が乗りやすいフレーム形状や扱いやすい軽さなどが組み合わさった自転車にはある程度、需要はあると思います。
    しかし、年金暮らしのお年寄りも多く、自動変速機能に出すお金があるなら、電動アシスト自転車を買いたいと思うのではないでしょうか。
  • ロードバイクユーザー → “先進性”に魅力を感じて導入する人も一定数いるかも
    ロードバイク乗りの人の中には一般の自転車乗りの人とは価値観が全然違い、ほんの数十グラムのパーツの軽量化や先進的なアイテムに何万円もお金を出す人達がいます。
    まあ、趣味の世界はそういうものですよね。

筆者のまとめ:こんな人にはアリ!

Q’AUTOを検討してみてもよさそうな人は…

  • ギア操作が苦手で、もっと気軽に走りたい人
  • 信号や坂が多いルートでの通勤・買い物が多い人
  • 最新機能を体験してみたい“ガジェット好き”なサイクリスト

逆に、「楽に坂を登りたい」「脚の負担を減らしたい」という方は、電動アシストの方が合っています。

おわりに:自転車の未来はもっと便利に

自動車にオートマが当たり前になったように、
自転車でも変速を意識しなくていい時代が来るのかもしれません。

Q’AUTOは、そんな未来への第一歩になるかもしれません。

今はまだ高価ですが、今後、対応車種が増えて価格が下がれば、街乗りや高齢者用の“実用車”にも搭載されてくるかもしれません。

今後の進化や価格の変化がどうなるか、ウォッチしていきたいと思います。

Q’AUTOが搭載されている完成車が年内に出てくるようなので、まずは試乗してみたいですね。

なお、手動でうまくギヤ変速するには、変速機の調整が大事です。
その方法については、『ギア変速が再びスムーズに! 変速機の調整方法を写真付きで分かりやすく解説!』の記事をご覧ください。

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