フラットペダルでもOK! 電動アシスト自転車の『引き足』で楽々ライド&姿勢・腰痛改善

ペダルを回すときの「引き足」ってご存じでしょうか?

「引き足」というのはペダルが一番下、つまり6時の位置から上がるときに、意識的に足を引き上げる動作のことです。


6時の位置から引き足

ロードバイクに乗る人なら「引き足」を実践している、あるいは、少なくとも知っている人が大半だと思います。

では、電動アシスト自転車(e-bike)に「引き足」って必要でしょうか?

また、「引き足」をするには普通のフラットペダルでもできるのでしょうか?

昔のことですが、私はビンディングペダルを使っていて立ちごけした際、アスファルト舗装の道路に手をついたのですが、強く打ったために、手首の骨にひびが入りました。

恐怖感が残り、それ以来、私は主にフラットペダルを使っています。

立ちごけの心配がないし、緊急時にも対応しやすいのでより安全です。

実は、フラットペダル付きの電動アシスト自転車でも、引き足を上手に使うことで坂道が更に楽に、しかも姿勢改善や腰痛予防、疲れにくい体作りまで期待できるんです。

この記事では、電動アシスト自転車でも「引き足」にはメリットがあることと、お勧めの「引き足」のやり方を紹介します。

アシストは「踏み足」にしか反応しない?

電動アシスト自転車で気になるのは、「引き足」をしたときにアシスト力が発生するかどうかではないでしょうか?

結論から言うと、「踏み足」と違って「引き足」の動作そのものには直接アシストがかかりません

なぜかと言うと一般的な電動アシスト自転車には、次の図のようにクランク付近にトルクセンサーが搭載されていて、主に「踏み込みの力」に反応してアシストを発生させる仕組だからです。

この図はYAMAHAのWebページより引用

 

とはいえ、ペダリングは連続した動きなので、「踏み込み」で加速した勢いが「引き上げ」の流れに滑らかに繋がるので、全体として効率的な走行になります

【シーン別】電動アシスト自転車で引き足は意味がある?

  • 日常使用でよく見るゆっくり走行: ほぼ不要です。
    電動アシスト自転車に乗っている人の一般的なケイデンス40~60回転/分くらいだと思います。
    なお、ケイデンスというのは「1分間に回すペダルの回数」です。
    街中、買い物のために走っているときのような低いケイデンスでは、ペダルの回転スピードが遅いため、「惰性(慣性)」でスムーズに回すことができません。
    結果、1回1回の踏み込みが主な推進力になります。
    つまり「踏み足」が中心となり、引き足をしても効率が悪いです。
  • フィットネス用途: 意味あります!姿勢改善や腰痛の予防にも!
    • 効果的な有酸素運動として
      効果的な有酸素運動するには、最大心拍数の50%〜70%をめざすとよいと言われます。
      心拍数を上げてしかも疲労を溜めずに長く運動するコツは、ケイデンスを上げることです。
      平坦な道の場合、一般の人であれば、ケイデンス70以上を目指すとよいでしょう。
      このケイデンス70以上をスムーズに行うには、「引き足」を軽く使ってペダルの回転を滑らかにクルクル回すことがコツです
      また、自分で簡単にケイデンスを測ってみたい人は『【楽しく痩せる】自転車ダイエットを成功させる!ケイデンスセンサーの使い方』の記事をご覧ください。
      お勧めのセンサーも紹介しました。
    • インナーマッスルが鍛えられ、姿勢改善や腰痛の予防などのメリットも
      引き足には「腸腰筋(腰から太ももの付け根にかけて存在する「インナーマッスル」)も使われます。
      インナーマッスルを鍛えると、姿勢の改善・維持や腰痛の予防、歩行やバランスの安定、基礎代謝の向上など、良いことが沢山あります

       
  • ヒルクライム(長時間上り坂): 効果大です!
    例え、電動アシスト自転車でも急な上り坂は楽ではないですよね?
    上り坂では、「踏みっぱなし」ではなく「引き足」も使うと、もっと楽になります。
    「引き足」を行うことで自力での推進力が増加し、アシストが発生しない局面でも前進力を得られるため、総合的には速度向上に貢献します。
    特に長時間のヒルクライムなど、持続的な力が必要な場面では効果的でしょう。
    なぜなら、「引き足」をする際に、
    ● 腸腰筋(引き足の中心となる股関節を持ち上げる筋)
    ● ハムストリングス(太ももの裏側にある大きな筋肉群で、足を引くときの後半に使われる)
    ● 前脛骨筋(すねの前面にある筋肉でつま先を引き上げる)
    が使われます。
    腸腰筋や前脛骨筋は「遅筋」が多い筋肉で、「長時間使っても疲れにくい筋肉」と言われています。
    軽めのギヤで、なおかつ「引き足」も使いながら比較的高回転でペダルをクルクル回すと、疲れにくく、どこまでも何時間でも乗れる気がします。
     

遅筋とは、「疲れにくい筋肉」として知られる筋肉の種類です。

簡単に言うと:

  • 長時間使っても疲れにくい筋肉で、マラソンやサイクリングのような持久力が必要な運動で活躍します。
  • 遅筋の色は赤っぽく見えるため、「赤筋(せっきん)」とも呼ばれます。
  • エネルギーを作るときに酸素をたくさん使うタイプの筋肉なので、持続力はあるけど力はあまり強くありません

主に姿勢を保ったり、長く動き続けるときに使われる筋肉なので、健康維持や老化予防にも重要です。

意外!フラットペダルでも「引き足」はできる

引き足に向くペダルとシューズ

「引き足」するならビンディングペダルが必須と思っている方も多いと思います。

確かに、これだとシューズとペダルが固定されるので、引き足の効率がマックスになります。

ただし、ビンディングペダルは転倒などのリスクがあります。

フラットペダルの場合、引き足の効果が限定的(完全には力が伝わらない)ではありますが、次の工夫で引き足の効果を結構、得ることができます:

  • グリップ力の高いフラットペダルを選ぶ
    ギザギザやピンの付いたペダルです。
  • グリップ性の高いシューズを使用する
    これで、ペダルのギザギザやピンに、うまく引っ掛けて「引き足」をするわけです。


お勧めの商品は後でご紹介します。

引き足の基本テクニック

  • 足の母指球をペダルの中央部に置く
    母指球(親指の付け根のふくらんだ部分)は、足で最も力が入る部分です。
    ここをペダルの軸(スピンドル)に乗せることで、踏み込んだ力が無駄なくクランクに伝わります。
  • 意識するのは「6時〜12時」の動き
    ペダルが一番下(6時の位置)から上に戻ってくる動きに合わせて、軽く足を引き上げるイメージを持ちます。
    強く引く必要はなく、「踏むのを邪魔しない程度に軽くついていく」だけでOKです。
  • 足の甲を上に引く感覚
    足裏全体で引こうとするよりも、足の甲を上に引く(持ち上げる)ような感覚がコツです。
    このとき、滑りにくいシューズと、ギザギザ付きのフラットペダルを使うことで、足が自然とペダルに引っかかり、引き足がしやすくなります。
  • 前傾姿勢をとる
    次の図のように、体を前に倒した姿勢にすると、腸腰筋を使いやすくなるため、引き足がしやすくなります。

【引き足重視のペダリングのイメージ図】

引き足でペダリングする際のポイント

前傾姿勢は大事です。
次の図の右側のように、ママチャリに乗っている多くのはサドルに垂直に座っています。
このようなアップライトな姿勢ではうまく腸腰筋を使えないので、「引き足」もできにくくなります。
それに対して、図の左側のように前傾姿勢をとると、腸腰筋を使いやすくなり、前に述べたように、効果的な「引き足」以外に姿勢の改善や腰痛の予防など多くのメリットがあります。

アップライトな姿勢で乗ると、腸腰筋を使いづらく引き足がしにくい

注意:NGな「引き足」
強く引きすぎると次の問題が起こる恐れがあります。
やり過ぎないようにしましょう!
● 膝裏などを痛めてしまう
● ペダルから足が滑りやすくなる

カンタン引き足トレーニング(3ステップ)

ステップ1:意識づけウォーキング

歩くときに「足を前に出す」のではなく、「太ももを軽く引き上げる」ことを意識します。これだけでも腸腰筋が刺激され、引き足感覚の準備になります。

ステップ2:片足ペダリング(平地や軽い下り坂で)

安全な場所で片足だけでペダルを回してみましょう。
引き足が意識できていないと、下死点(6時)を過ぎたあとのペダルが“空回り”しやすくなります。
滑らかに1回転させられるように練習します。

ステップ3:スムーズ回転を目指すケイデンストレーニング

軽めのギヤでケイデンス(1分あたりのペダル回転数)を70〜80に保つ練習をしましょう。
このときに「ペダルを止めない」「力まず軽く引く」を意識すると、自然と引き足が取り入れられ、ペダリング効率が上がります。

お勧めのフラットペダルとシューズ

三ヶ島製作所のペダルは最高

「引き足」には、はっきりとしたギザギザがついていて、大きめのフラットペダルがお勧めです。

大きめが良い理由は、足の位置に神経質にならずに「引き足」ができるからです。

特に、中長距離のサイクリングでは、疲れてくると、ペダルに置いている足の位置をちょっとずらしたくなることがありますが、それにも対応できます。

お勧めは私も使っている『ミカシマ IC-LITE ペダル』(次の商品)です。

これには、はっきりとしたギザギザがついており、靴底への食いつきも良く滑りにくいです。

三ヶ島製作所というところの国産ペダルで、ペダルと言えばミカシマという位、技術力と品質には定評があります。

サクラチェッカーの評価はかなり高く、私が見たときは 4.49/5でランキング1位でした。
👉sakura-checker.jp/search/B00DDCDOH8/

滑りにくさで有名な「日進ゴム ハイパーVシリーズ」のシューズ

「ハイパーVシリーズ」のシューズは本当に滑りにくく、乾いた路面だけでなく濡れた滑りやすいところでもグリップしてくれます。

「引き足」をしやすいだけでなく、サイクリング中に訪れた濡れた河辺や海岸の岩場で石拾いをしたり、苔むして滑りやすいお寺の階段を上り下りしたりするにも安心感が全然違います。

こちらもサクラチェッカーの評価は高く、私が見たときは 4.19/5でした。👉sakura-checker.jp/search/B08HHZ57MR/

この靴は公的機関が定める耐滑性能において最高区分に位置付けられています。

図はアマゾンの商品説明より引用:
Amazon | [日進ゴム] ワークシューズ #005 ブラック 27.0 cm 3E | Nisshin Rubber Co Ltd | 安全靴・作業靴

まとめ

「引き足」は、電動アシスト自転車ではアシストそのものを引き出す動きではありませんが、ペダリングの効率や持久力の向上が望めます。

更に、日常生活での姿勢の改善や腰痛予防、歩行の安定なども期待できます!

より効率的な自転車走行や健康づくりを求めるなら、ぜひ一度試してみてください。

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