「健康のために健康食品やサプリを買ってはいるけど、本当に効いているのか?」 という疑問を抱いたことはありませんか?
実は、医師や研究者が行ったある調査では、効果の根拠となっている研究論文のなんと8割以上について、信頼性が低いことが分かったそうです!
つまり、市場に出回っているものの多くは、「なんとなく効く気がする」レベルのものが大半のようです。
では、本当に科学的に効果が証明されている健康食品や成分って何があるのでしょうか?
この記事では、しっかりとした研究データに基づいた「信頼できる健康食品・サプリ」をご紹介します。
無駄な健康食品やサプリにお金を使わず、本当に体に良いものを選ぶ参考になれば幸いです。
目 次
健康食品の健康効果の信頼性ってどれくらい?
多くの種類の健康食品が売られていますが、次の図のように分類できます。

それぞれの信頼性をざっくりと見てみましょう。
✅ 特定保健用食品(トクホ)

- 国が厳しく審査して認めたもの
- 科学的根拠があり、信頼性は高い
- ただし、価格が高め
特定保健用食品は価格が高めで、継続的に購入し続けると出費が大きくなります。
次の記事では、より経済的な代替品を紹介していますので、よろしかったらご覧ください。
✅ 栄養機能食品
- 特定のビタミン・ミネラルなどの栄養成分について、一定の基準量を含む食品に対して、科学的根拠に基づいた栄養機能表示を認めている
- 個々の栄養素に関する一定の科学的信頼性があるが、製品全体としての高いレベルの信頼性は限定的
⚠️ 機能性表示食品
- 企業が「ウチの研究で効果があるって出ました!」と自己申告する制度
- 国は内容まで細かく審査しないため、実は8割以上の研究データが信頼性低めという調査結果も
機能性表示食品は自己申告とは言え、上場企業も含む多くの企業が科学的データに基づいて申告しているのだから、信用できないものはそんなに多くないだろうと我々一般人は思いますよね?
でも、想像をはるかに超えて怪しいものが多いようです(次の一口メモを参照してください)。
❌ その他の健康食品
これらは機能性表示食品と違って、科学的根拠の提出義務はありません。
科学的根拠を提出している機能性表示食品ですら、その殆どは怪しいものが多いので、これらの健康効果の不確かさは言わずもがなですね。
「◯◯に良いと言われています」みたいな曖昧な表現が多いです。
健康効果の証拠には3つのレベルがある!
「この成分、健康に良いらしいよ!」と言われたとき、どのレベルの証拠があるのかチェックすることが大切です。
🥇 ゴールドスタンダード(最強の証拠):メタアナリシス
メタアナリシスとは、複数の研究結果を集めてまとめて分析し、より信頼できる結論を出す方法です。
🥈 シルバースタンダード:RCT(ランダム化比較試験)
RCTとは、治療や薬の効果を正しく調べるために、対象者を無作為(ランダム)に「治療を受けるグループ」と「受けないグループ」に分けて比較する方法です。
🥉 ブロンズスタンダード:観察研究
観察研究とは、実験をせずに人々の行動や健康状態を観察し、データを分析する研究方法です。
「この人たちはこういう生活をしているから健康そうだね」みたいな研究です。
科学的に効果が証明された健康成分7選
では、本当に科学的に効果が証明された健康成分 を紹介します!
これらは、先程紹介したメタアナリシスやランダム化比較試験(RCT)レベルの高い信頼性を持つものです。
葉酸
葉酸は、ビタミンB群に属する水溶性ビタミンの一種で、枝豆やブロッコリー、モロヘイヤに多く含まれるのをご存知な方も多いと思います。
【効果】
- 妊娠中の女性には必須のビタミン
- 脳卒中のリスクを減らす効果も
【注意点】
葉酸の効果は確認されていますが、過剰摂取には注意が必要です。
この商品の「サクラチェッカー」での評価が次の図です。
サクラチェッカーは、Amazonの商品レビューの信頼性を評価するオンラインツールです。
商品のURL入力により、価格、ショップ情報、レビュー分布、日付、レビュー内容などを分析し、不正な「サクラ」レビューの可能性を5段階で表示します。
これにより、消費者はより信頼できる商品選びが可能になります

プロバイオティクス
プロバイオティクスとは、適切な量を摂取することで健康に良い影響を与える「生きた微生物」のことです。
主に乳酸菌やビフィズス菌などが含まれ、腸内環境を整え、免疫力を高めたり、便秘や下痢の改善を助けたりします。
【効果】
- 腸内環境を整えて免疫力アップ!
- 便秘や下痢の改善にも役立つ
【注意点】
これらの効果は全ての人に同じように現れるわけではありません。
また、プロバイオティクスの種類や摂取量、期間によっても効果が異なる可能性があります。
この商品のサクラチェッカーでの評価が次の図です。

難消化性デキストリン(水溶性食物繊維の一種)
難消化性デキストリンは、トウモロコシなどのでんぷんから作られる水溶性食物繊維の一種です。消化されにくいため、糖や脂肪の吸収をゆるやかにし、血糖値の上昇を抑えたり、腸内環境を整えたりする働きがあります。
特定保健用食品(トクホ)によく使われ、無味無臭で飲み物や食品に加えやすいのが特徴です。
【効果】
- 血糖値の急上昇を抑える 効果
- ダイエットにも◎
この商品のサクラチェッカーでの評価が次の図です。

【節約】このようなパウダータイプの難消化性デキストリンを使うと、特定保健用食品の代替品を安く作ることができます!
👍 普通のコーヒーに混ぜる ➡️ 特定保健用食品の「フィットライフコーヒー」の約1/3の価格
👍 普通のお茶に混ぜる ➡️ 特定保健用食品の「からだすこやか茶W」の約1/4の価格
詳しくは、次の記事をご覧ください。
カカオポリフェノール
カカオポリフェノールは、カカオ豆に含まれる抗酸化物質の一種で、チョコレートやココアに多く含まれています。
【効果】
- 血圧を下げる効果や抗酸化作用がある
- チョコレートならカカオ86%以上がオススメ
【注意点】
カカオポリフェノールは、チョコレートやココアに多く含まれていますが、これらの食品には糖分や脂肪も含まれているため、摂取量には注意が必要です。
健康的な食生活の一部として、適度に楽しむことが大切です。
この商品のサクラチェッカーでの評価が次の図です。

カテキン
カテキンは、お茶などに含まれるポリフェノールの一種で、特に緑茶に多く含まれています。
【効果】
- 脂肪燃焼を助けるのでダイエットに◎
- 風邪やインフルの予防にも
【注意点】
カフェインの過剰摂取: 緑茶にはカフェインも含まれているため、大量摂取によりカフェインの過剰摂取につながる可能性があります。
【安全な摂取量】
通常の緑茶摂取量(1日10杯程度、カテキン換算で1000~1500mg)では問題ないとされています。
ただし、サプリメントなどで高濃度のカテキンを摂取する場合は注意が必要です。
商品に記載されている1日の摂取目安量を守ることが重要です。
この商品のサクラチェッカーでの評価が次の図です。

【節約】このような茶カテキン粉末をカフェインの少ない麦茶や韃靼そば茶、水出し緑茶などに混ぜて使うと、高濃度カテキン茶の特定保健用食品の代替品でなおかつ、カフェインの少ないお茶を安く作ることができます!
👍 普通の麦茶に混ぜる
➡️ トクホの「キリンヘルシア緑茶」の約1/9の価格
➡️ トクホの「伊藤園 おーいお茶 カテキン緑茶」の約1/6の価格
詳しくは、次の記事をご覧ください。
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、青魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸の一種です。
どちらも体内で十分に作れないため、食事やサプリメントで摂取することが重要です。
【効果】
- 中性脂肪を下げる効果がある
- ただし、サプリで摂ると悪玉コレステロールが増える可能性あり
【注意点】
最近の研究では、DHAとEPAのサプリメントが悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を上昇させる可能性も指摘されています。
このため、特に悪玉コレステロールが高めの方は、サプリメントの使用前に医師に相談することをおすすめします。
この商品のサクラチェッカーでの評価が次の図です。

クレアチン
クレアチンは、体内で自然に生成されるアミノ酸の一種で、主に筋肉に存在します。
筋肉が素早く大きな力を出す際に必要なエネルギーを供給する役割があります。
【効果】
- 筋肉を増やす・パフォーマンス向上に役立つ
- 最近では認知機能向上の効果も期待されている
【注意点】
クレアチンサプリメントは、一般的に安全と考えられていますが、いくつかの欠点も報告されています:
- 副作用: 筋肉の痙攣、脱水症状、下痢、吐き気、発作など
- 体重増加: 体内の筋肉に水分が貯留するため、体重が増加する可能性があります
- 摂取制限: 腎臓に問題がある人、18歳未満の子供や青少年、妊娠中または授乳中の女性は、クレアチンサプリメントを摂取すべきではありません
この商品のサクラチェッカーでの評価が次の図です。

健康食品の正しい選び方
- 「トクホ」マークがあるか確認!
- 広告や宣伝の文句に踊らされず、具体的な研究に基づいているかどうか自分で確認する
とはいえ、沢山の専門的な研究論文を一般人が読むには無理があります。
そこで便利なのが次のWebサイトで、公的機関が一般人向けに健康食品の評価を公表しています:
● 国立研究開発法人 医療基盤・健康・栄養研究所 『「健康食品」の安全性・有効性情報』 https://hfnet.nibiohn.go.jp/general-public/
● 消費者庁 『健康食品』https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/food_safety_portal/health_food/?utm_source=chatgpt.com - 成分表を見て、不必要な添加物が入っていないか確認!
- サプリの口コミは「サクラチェッカー」などでチェック!
おわりに: 本当に健康に良いものを選ぼう
世の中には、効果が怪しい健康食品やサプリがたくさんあります。
広告の言葉を鵜呑みにするのではなく、科学的根拠に基づいた情報をもとに選ぶことが大切です
そうすれば、無駄な出費をせずに本当に健康に良いものを摂取できます。
【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的なアドバイスではありません。
健康に関する決定は、専門家と相談の上で行ってください。
● NHK『“白衣の人は医師じゃなくモデル” 健康食品をNHKが独自調査』の一部を要約: https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240608/k10014474071000.html
現在、機能性表示食品の9割以上の届け出に「研究レビュー」が使われています。
「研究レビュー」とは、過去に発表された機能性に関する論文や研究を世界中から検索し、集めて、その科学的根拠を評価するものです。
東京農業大学の上岡洋晴教授の研究グループは、2022年4月1日から10月31日までに届け出があった研究レビュー519編の中からランダムに抽出した40編の研究レビューの「信頼性」を国際的な評価ツールで調査しました。
その結果、95%にあたる38編が、信頼性について「極めて低い」という評価となりました。
残る2編も「低い」という評価でした。
● サイエンスポータル『「機能性表示食品の臨床試験、有利な結果を強調」医師らが問題提起』の一部を要約:
https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20240408_n01/index.html
食品会社は機能性表示食品を役所に届け出るにあたって「CRO(開発業務受託機関)」に委託することも多くあります。
CROとは、製薬会社や医療機器メーカーなどの依頼を受けて、試験や統計解析、薬事申請支援など、医薬品や医療機器の開発業務を代行・支援する専門機関のことです。
医師や研究者らのグループが、CROの国内大手5社が登録した試験から無作為に抽出し、食品に関する論文として出版されていた32件をチェックしました。
これらの内、81%(26件)の抄録に、都合の良いデータだけを強調し、都合が悪かったり矛盾したりするデータを無視して結論を出していることを確認しました。
医師らが問題提起』の記事を基に筆者が作成
https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20240408_n01/index.html
このように健康効果の根拠が不明確であるにもかかわらず、健康食品やサプリのメーカーや販売会社は景品表示法などの法令に引っかからないようにしつつ、あの手この手を使ってあたかも効果があるかのような印象操作を広告や宣伝で行っています。
詳しくは次の記事をご覧ください。