特定保健用食品(トクホ)は生活習慣病や健康診断の結果が気になる中高年だけでなく、ヘルシー志向の若い世代にも人気ですね。
同じお茶やコーヒーを飲むなら健康のために「特定保健用食品(トクホ)」の表示があるものを選ぼうと考える人が多いのではないでしょうか?
ただし、トクホの商品は値段が高めなので、毎日、トクホ飲料を飲んでいると、正直、家計への負担が大きいですね…
米や電気・ガス料金、ガソリンなど多くのものが値上がっているので、節約できるところはしっかりと節約する必要があります。
この記事では、トクホに代わる手軽で経済的な代替案を紹介し、健康も家計も守る方法を紹介します。
もし、特定保健用食品(トクホ)を継続的に使っているのであれば、年に数万円節約できるかもしれません。
目 次
トクホ商品の仕組みと高価格の理由
特定保健用食品(トクホ)は、消費者庁からその効能や効果が認められた食品のことです。
科学的な根拠に基づいて「健康に良い影響を与える」と証明された食品で、表示や広告にその効能を記載することが許可されています。
(参照: e-ヘルスネット「特保(特定保健用食品)とは?」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-01-001.html )
では、なぜ特定保健用食品(トクホ)は価格が高めなのでしょうか?
それは、次のように開発・製造・販売にお金がかかるからです:
- 審査通過の費用:科学的証明と消費者庁の審査に多額の費用がかかる。
- 研究開発費:有効成分の発見や試験に高額な投資が必要。
- 製造コスト:品質を一定に保つために、厳しい製造管理が必要。
- 小ロット生産:トクホ食品は市場規模が限られているため、量産効果が得られにくい。
- マーケティング費:トクホ取得後の広告や販売促進に多額の費用がかかる。
また、トクホ商品には以下の注意点があります:
- 効果は限定的:科学的根拠に基づいているものの、特定の条件下でのみ期待できる効果です。
- 食品であり薬ではない:健康を“サポート”する程度であり、治療や予防を目的とするものではありません。
- 価格が高い:マーケティングや広告費が商品の価格に上乗せされているため、割高になりがちです。
これらの理由から、トクホに頼らず同等の効果を得られる代替案を検討する価値があります。
トクホの代替品でコストを抑える方法
トクホ商品の代替案
「健康は維持したいけど、もっと安くできる方法があるなら試してみたい」という方に、トクホ商品の代替案を紹介します。
- 難消化性デキストリン入りの飲料
難消化性デキストリンは食物繊維の一種で、とうもろこしなどのデンプンを加工して作られます。- 選定理由:
・血糖値上昇抑制効果: 食後の血糖値上昇を抑える効果が科学的に証明されています。
・安全性: 食品由来の成分であり、副作用のリスクが低い
・手軽さ: コーヒーやお茶、料理などに混ぜるだけで簡単に摂取できます。
・汎用性: 様々な飲み物や食品に添加できるため、飽きずに続けられます。
・低コスト: トクホ飲料と比べて非常に安価です。
・入手性: スーパーやドラッグストア、オンラインショップなどで手軽に購入できます。 - 具体的なデータ:難消化性デキストリンが食後の血糖値上昇を抑える効果は複数の研究で確認されており、エビデンスがあります。
● 日本食物繊維研究会誌 「健常人の食後血糖値に及ぼす難消化性デキストリンの影響難消化性デキストリンの耐糖能に及ぼす影響(第V報)」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdf1997/3/1/3_1_13/_article/-char/ja/?utm_source=chatgpt.com
● 福岡県薬剤師会 「難消化性デキストリンには、血糖に対する作用があるか?」 https://www.fpa.or.jp/johocenter/yakuji-main/_1635.html?blockId=39319&dbMode=article&utm_source=chatgpt.com - トクホ商品例:血糖値を抑えるトクホのコーヒーやお茶
- 代替案:市販の難消化性デキストリン(粉末)を購入し、普段飲んでいる飲み物に混ぜる。
- 選定理由:
- 乳酸菌飲料
- 選定理由:
・腸内環境改善効果: 腸内環境を整え、便秘や下痢の改善、免疫力向上など。
・手軽さ: サプリメントやヨーグルトなど、様々な形で手軽に摂取できます。
・多様な種類: 様々な種類の乳酸菌があり、自分に合ったものを選択できます。
・安全性: 一般的に安全性の高い食品・サプリメントです。 - 具体的なデータ:ビフィズス菌BB536が腸内環境改善に効果的であることは広く認められています。
- トクホ商品例:腸内環境を整えるヨーグルトや飲料
- 代替案:市販の乳酸菌サプリメントや安価なヨーグルト
- ポイント:同じ菌株(例:ビフィズス菌BB536)を選ぶと効果が近い。
- 選定理由:
- DHA/EPA食品
DHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)は、魚の脂肪に多く含まれるオメガ-3脂肪酸の一種です。- 選定理由:
・中性脂肪を減らす効果: 中性脂肪値を下げ、動脈硬化や心疾患のリスクを低減します。
・効率的な摂取: 魚油サプリメントで効率良くDHA/EPAを摂取できます。 - 具体的なデータ:多くの臨床試験で、DHA/EPAが中性脂肪を低下させることが確認されています。
米国心臓協会(AHA)は、高用量のオメガ-3脂肪酸(DHA/EPA)が中性脂肪を効果的に低下させる可能性があるとしています。。 - トクホ商品例:中性脂肪を減らす食品
- 代替案:魚油サプリメント
- メリット:同じ量のDHA/EPAを摂取しながら、トクホ商品よりもコストを削減可能。
- 選定理由:
- カルシウム強化食品
- 選定理由:
・骨粗鬆症予防効果: 骨を丈夫にし、骨粗鬆症の予防に役立ちます。
・神経伝達・筋肉収縮: 神経伝達や筋肉の収縮をスムーズに行うために必要な栄養素です。
・手軽さ: サプリメントや強化食品などで手軽に摂取できます。
・安価: 比較的安価に入手できます。 - 具体的なデータ:多くの臨床試験やメタ分析が、カルシウム摂取が骨密度を維持するのに有効であることを示しています。
ただし、効果を最大限に発揮するにはビタミンDなど他の栄養素とのバランスや生活習慣も重要です。 - トクホ商品例:骨の健康に役立つ飲料
- 代替案:カルシウムサプリメントや強化ミルク
- おすすめ:成分表示を確認し、必要な量を過不足なく摂取する。
- 選定理由:
代替案のメリット
- お得
トクホ商品の代替案を活用することで、健康維持をより効率的かつ経済的に実現できます。
例えば、難消化性デキストリンや乳酸菌サプリメントなどの代替品は、必要な成分を手軽かつ低コストで摂取できるため、家計に優しい選択です。 - 自分で量を加減できる
自分で飲み物や食事に取り入れることで、摂取量を柔軟に調整でき、個々の健康状態やライフスタイルに合わせやすいという利点もあります。 - 健康意識が高まる
代替案を活用することは、健康維持に対する自分自身の意識を高めるきっかけにもなり、長期的な健康改善につながる可能性があります。
注意点
代替品を活用する際には、以下のポイントに注意してください:
- 品質の確認:代替品の品質や安全性などをチェックしてください。
- 適切な摂取量の管理:過剰摂取を避けるため、成分量をしっかり確認してください。
- 医師への相談:持病や既往歴がある方は、代替品を使用する前に医師に相談しましょう。
実例:トクホ vs. 代替品のコスト比較
具体的なコスト比較の例を紹介します。
フィットライフコーヒー(難消化性デキストリン含有)
● トクホ商品価格:
約6,804円(60包入り)…1包に難消化性デキストリンが6.8g含まれる
● 代替案価格(同量の効果成分でコストを比較):
– 難消化性デキストリン:400gで約1,000円… フィットライフコーヒー1包の難消化性デキストリンと同量(6.8g)の価格は17円。
このLOHAStykeの難消化性デキストリンは私も使っていますが、冷たい飲料に混ぜてもサッと溶け、無味・無臭なので非常に使いやすいです。
– インスタントコーヒー(ネスカフェ ゴールドブレンド):約874円(60杯分)…1杯分だと15円
● 1杯あたりのコストの比較:
トクホ商品:約113円
代替案:約32円(難消化性デキストリン 17円 + ネスカフェ ゴールドブレンド 15円)
● 月間節約額:約2,430円
普通のコーヒーのペットボトルに難消化性デキストリンを入れてトクホのコーヒーの代替品を作るとき、漏斗(じょうご)があるとこぼれないので便利です。
また、その際、キッチンスケールを使うと必要なグラム数だけ正確に入れられます(次の写真)。
私は「セイエイ (Seiei) 特急じょうご」を使っていますが、これは非常に便利で、お勧めです。
ペットボトルにピッタリ合ったサイズで、しかも、次の写真のように空気の逃げ道がある構造になっているのでスムーズに早く入れられます。
「サクラチェッカー」でも評価が高く、お値段は228円とリーズナブルです。
からだすこやか茶W
● トクホ商品価格:
約330円(1,050mLボトル)…1回(350ml)当たり難消化性デキストリンが5g含まれる
● 代替案価格(同量の効果成分でコストを比較):
– 難消化性デキストリン:400gで約1,000円… からだすこやか茶Wの1回あたりの難消化性デキストリンと同量(5g)の価格は約13円。
– 自家製お茶:約10円(1杯分)
● 1杯あたりのコスト:
– トクホ商品:約110円
– 代替案:約23円(難消化性デキストリン 13円 + お茶 10円)
● 月間節約額:約2,610円
● お勧めの方法:こちらもお茶のペットボトルに難消化性デキストリンを入れるときは、上記のように、じょうごとキッチンスケールを使うと、正確な量をこぼさずに入れることができます。
ニッスイ イマークS
● トクホ商品価格:
30本入りで約10,025円 …1本当たり334円で、EPA 600mg、DHA 260mg が含まれる
● 代替案価格:
– 魚油サプリメント: 180粒で約3,280円。1粒にEPA 420mg DHA 280g が含まれる
● 1日あたりのコスト:
– トクホ商品:約334円
– 代替案:約18円
(代替案は1粒にEPA+DHAが700mg含まれ、トクホの860mgよりも若干少ない。
2粒にすると代替案はEPA+DHAが1,400mとなり、トクホよりもずっと多くなるが、値段はたったの約36円。)
なお、EPA+DHAの摂取量については、欧州食品安全機関(EFSA)では1日5g、アメリカでは3gまでの摂取において、特に問題ないとされています。
● 月間節約額:約9,478円
おわりに
健康食品は、高価なものほど効果があると思い込んでいませんか?
確かに、特定保健用食品(トクホ)は国のお墨付きで安心感がありますが、価格は高めです。
実は同じ効果を期待できる代替品が、もっと安く手に入るんです!
この記事では、トクホ商品と比べて年間で数万円も節約できる代替品を紹介しました。
すぐにでも試せるものばかりなので、ぜひ今日から取り入れて、健康と家計の両方を賢く守りましょう!
この記事では、特定保健用食品(トクホ)の代替案によってお金を節約する方法を紹介しました。
トクホ以外の健康食品は、あの手この手で効果があると思い込ませるように宣伝していますが、効果のエビデンス(証拠)が不明のものが数多くあります。
たとえば、「機能性表示食品」は、事業者が「科学的根拠」に基づいて健康の維持・増進に役立つ機能を表示した食品です。
しかしながら、事業者が言う「科学的根拠」なるものが怪しいことが非常に多いと言われています。
トクホとは違い、消費者庁は「機能性表示食品」の届け出に対して、形式的なチェックだけで「科学的根拠」の内容までは審査していません。
宣伝文句に惹かれて効果が不明な健康商品を買うことを止めれば、もっと節約になります。
怪しい健康食品が多いことについては、次の記事をご覧ください。
年をとると健康に関する不安が増えてくるだけでなく、高齢者は価格比較や詳細な情報収集を苦手とする傾向があります。
たとえば、「この健康食品は何の成分に効果があると言っているのだろうか?」、「それが本当に効果があることを示す証拠はあるのか?」、「代替案は無いのだろうか?」などと考えず、通販番組で見た商品をそのまま購入するケースが多いようです。
健康食品には効果の根拠が薄い、あるいは全く無いものが少なからずあり、販売業者からすると、このような高齢者は良いお客です。
そのため、中高年層が視聴する日中など、ゴールデンタイム以外の時間帯に健康食品の通販が多く放送されています。