ダイエットで挫折したことはありませんか?
食事制限でストレス、運動はツライ…
でも、サイクリングするだけで、3か月で6kg減量できたらどうでしょう?
ダイエット法で、よく「食事8割、運動2割」と言われますが、実は逆の「食事2割、運動8割」でも効率的に痩せる方法があるんです。
それが自転車運動。
私の知り合いが「何度もダイエットに挫折した」と言っていたので、「自転車運動なら楽しく続けられるよ」と勧めました。
最初の1ヶ月は、普通のクロスバイクで近所を軽くサイクリングすることから始め、毎日30分程度、自転車に乗るだけで、特に食事制限はしなかったそうですが、驚くことに1ヶ月で2kgの減量に成功したそうです。
次第に自転車でのサイクリングが楽しくなって、週末には少し遠出をするようになり、3ヶ月後には、合計で6kgの減量に成功しました。
この記事では、なぜ自転車運動がダイエットに最適なのか、具体的な方法や効果について詳しく解説します。
無理なく、楽しく、そして健康的に理想の体を手に入れましょう!
目 次
ダイエットの主な手段は食事制限?
「食事8割、運動2割」のダイエット法とは?
「食事8割、運動2割」という言葉はよくダイエット法として紹介されるので、ダイエットに興味のある方はご存じかもしれません。
これは、トータルで減らすカロリーの8割は食事で摂取するカロリーを減らし、残りの2割は運動でカロリーを消費するという考え方です。
たとえば、1週間で500gの体重減少をめざすとすると、1日に500kcalを減らすことが必要です。
体脂肪1kgは約7,000kcalに相当します。
ですので、500gの体脂肪を減らすには約3500kcal減らせばよいことになります。
1週間で約3500kcal減らすということは、1日あたり約500kcal減らす必要があります。
「食事8割、運動2割」に基づいて500kcal減らそうとする場合、たとえば、次のグラフのようにすればよいことになります。
なぜ、「食事8割、運動2割」という食事管理を中心としたダイエット法がよく言われるのでしょうか?
それは次の二つの理由があります。
(理由1) 一般的に、運動で消費カロリーを増やすよりも食事管理で摂取カロリーを減らす方がしやすい
運動を頑張っても消費できるカロリーは限られているので、食事を管理して摂取カロリーを減らす方が、ダイエットの実行がしやすいという考えに基づいています。
たとえば、ウォーキングによって500kcalを消費しようとすると、体重が70kgの人の場合、2時間強も歩く必要があります。
思い立ったときに、1回限りであればできるかもしれませんが、毎日続けるとなると一般的な人々には現実的ではありません。
それに対して、ショートケーキの1ピースや大きめのどら焼き1個を食べるのをやめれば、500kcalの摂取を減らせます。
特に運動をするのが苦手な人にとっては、食事管理で摂取カロリーを減らす方が、運動で消費カロリーを増やすより精神的に楽なダイエット法だと言えます。
(理由2)食事内容を改善すると体の調子が良くなる
タンパク質や野菜、適度な炭水化物などは、体脂肪の減少だけでなく、体調の改善やエネルギーの維持にも直結します。
不健康な食事を続けていると、運動の効果が半減する場合もあります。
運動を全くしないダイエットも良くない
運動で消費カロリーを増やすよりも食事管理で摂取カロリーを減らす方がしやすいのなら、なぜ「食事10割、運動0割」ではないのでしょう?
「食事8割、運動2割」となっているのは、次のように運動もダイエットに大切なためです。
(理由1)筋肉を維持しながら減量することが大切
極端なカロリー制限は筋肉を減らし、基礎代謝を低下させる可能性があります。
何もしなくても生きていくために必要なエネルギーのことです。
例えば、呼吸をしたり、心臓を動かしたり、体温を維持したりするために、体が自然に使うエネルギーです。
これは、寝ている時やじっとしている時でも消費されるエネルギーで、1日の消費エネルギーの大部分を占めます。
基礎代謝は筋肉量や年齢、性別によって変わり、筋肉が多い人ほど基礎代謝が高くなります。
適度な運動(特に筋トレ)を取り入れることで、筋肉量を維持・増加させ、長期的には代謝率を向上させ、安静時でも多くのカロリーを消費する体を作ります。
(理由2)運動にはダイエット以外に、健康改善効果もある
有酸素運動をして心肺機能を向上させると、心臓のポンプ機能や血管の柔軟性、酸素摂取能力などが向上します。
また、血流が良くなると、心臓血管系の健康改善や脳の活性化、代謝の向上、冷えやむくみの改善、免疫力の向上などの良い効果があります。
食事制限も運動も苦手な人はダイエットできない?
「食事8割、運動2割」ダイエット法の考え方を紹介しましたが、食事制限は難しいという人も少なくないと思います。
思い立って食事の量を減らしたり、好きなものを食べるのを我慢したりしたけど、辛すぎて元の食生活に戻ってしまった… こういう経験をした人も多いと思います。
日本のテレビは世界一、グルメ番組が多いとよく言われますし、YouTubeでも多いですよね。
そのような番組を見て食べ物の誘惑に負けまいと我慢していると、人生、損をしているような気さえしますからね…
食事制限は苦手という人には、「食事8割、運動2割」のダイエット法はハードルが高いですね。
さらには、食事制限が苦手なだけでなく、運動をするのも辛いから嫌だという人もいると思います。
運動に苦手意識があり面白みが感じられないとか、腰や膝を痛めたといった体の故障の理由で止める人が多いと思います。
このような食事制限も運動も難しい人に向くダイエット法は無いということでしょうか?
実は、いい方法があります。
運動嫌いでも続けられる! 自転車ダイエットの秘訣
食事制限で摂取カロリーを減らすのは苦手なので、運動でカロリーを消費する方が良い人にお勧めなのが、自転車運動です。
また、運動は辛くて嫌だという人にも、自転車運動はお勧めです。
なぜなら、自転車運動には次の特長があるからです:
特長1: ランニングくらいのカロリーを消費でき、効率的に運動できる
特長2: ランニングやウォーキングよりも膝や腰に優しく、楽しくできる
このため、自転車運動をすると、「食事2割、運動8割」というように、食事制限はあまりせず、楽に摂取カロリーを消費してダイエットすることが可能になります。
これらの特長を次に説明します。
サイクリングはランニングくらいのカロリーを消費でき、効率的に運動できる
次のような条件でウォーキング、自転車、ランニングの消費カロリーを出してみましょう。
- 体重: 70kg
- 運動時間: 1時間
- METS値(METSとは身体活動の強度を示す単位です):
- 普通歩行(67m/分):3.0 METS
- やや速歩(93m/分): 4.3 METS
- ジョギング:7.0 METS
- サイクリング(約20km/時): 8 METS
- ランニング(134m/分): 8.3 METS
(参照:e-健康づくりネット 「運動のメッツ表」 https://e-kennet.mhlw.go.jp/wp/wp-content/themes/targis_mhlw/pdf/mets.pdf )
消費カロリーは次の式で計算できます。
エネルギー消費量(kcal)= METS × 体重(kg)× 運動時間(時間)× 1.05
この式を使うと、先程の条件(体重70kgの人が1時間運動)での各運動の消費カロリーを出せます。
自転車運動の消費カロリーは「やや速歩」の1.9倍で、ランニングに近いですね。
ランニングやウォーキングよりも膝や腰に優しく、楽しくできる
自転車運動はランニングに近いカロリーを消費できますが、それなのにきつく感じないという長所があります。
それには次の3つの理由があります。
① 有酸素運動に効果的な心拍数に楽に上げられ、維持できる
自転車では、ギアの変更やペダルの回転数(ケイデンス)を調整することで運動強度を簡単にコントロールできます。
その結果、少ない労力で速度を維持しやすく、「頑張っている」感じがしなくても自然に心拍数を上げるレベルに達します。
このため、比較的簡単に心拍数をダイエットに適したゾーンに保つことが可能です。
初心者の場合、最大心拍数の50%〜70%をめざすとよいでしょう。
最大心拍数を求めるための一般的な計算式は以下の通りです。
- 220 – 年齢
これは最も広く使われている方法で、例えば40歳の人の場合、最大心拍数は
220 − 40 = 180 bpm(回/分)となります。 - 208 – 0.7 × 年齢
こちらは、より精度が高いとされる計算式です。
例えば34歳の場合、最大心拍数は 208 − 0.7 × 34 = 184.2 bpmとなります。
この式は特に高齢者に対してより適切な推定を提供すると言われています。
これらの計算式を用いることで、個人の年齢に基づいた最大心拍数の目安を得ることができます。
ただし、実際の最大心拍数には個人差があるため、これらの値はあくまで参考値として利用してください。
自転車の場合、軽めのギアでペダルをクルクル回すと、心拍数が110~120 bpmくらいになります。
ケイデンス(1分間にペダルを回す回数)でいうと70以上をめざすと良いでしょう。
多くの人にとっては、いつもよりも少し早くペダルを回す感覚で初めは慣れないと思いますが、しばらくすると違和感なくペダルを回せるようになると思います。
自分のケイデンスを測ってみたい方は次の記事をみてください。
② 関節への負荷が少ない
自転車運動では体重がサドル、ハンドル、ペダルに分散されるので、膝や股関節にかかる負荷が軽くすみます。
このため、関節炎や体重過多の人に推奨されることが多い運動です。
それに対して、ランニングやジョギングでは体重の数倍の衝撃が膝や腰にかかります。
中高年男性ランナーに対して行われたある調査では、腰痛は38.1 %、膝痛は33.8 %の人が経験しており、中高年女性ランナーの場合、腰痛 34.2 %、膝痛 60.5 %でした。
(参照:日本臨床スポーツ医学会誌 「骨・関節のランニング障害に対しての提言」 https://www.rinspo.jp/files/proposal_10-1.pdf )
③ ストレス解消やリフレッシュもできる
自転車はウォーキングやランニングよりもスピードが早いため、自宅の近所ではない隣の町や景色の良いところに簡単に行って非日常感を味わうことができます。
また、走りながら肌で風を感じたり風景が流れていくのを見たりすると、気分転換や鎮静化に良い影響があります。
さらに、普段着でもサイクリングできるので、お寺や庭園、美術館などに行って見て回ったり、自転車に必要な荷物を積んで日帰り湯に行ったりすると、リフレッシュ効果が上がります。
つまり運動が辛いどころか、自転車運動をすると楽しみが増えます!
自転車運動を取り入れて「食事2割、運動8割」ダイエットを行う例
自転車を利用する「食事2割、運動8割」ダイエットは、摂取カロリーを少し減らすだけで、自転車運動で消費カロリーを楽に増やしましょうという考えです。
先に紹介したように、1日に500g体重を減らそうとする場合、500kcalを減らす必要があります。
「食事2割、運動8割」の考え方にもとづくと、次のようにすればよいことになります。
【食事管理で100kcalを減らす(20%)】
- 例: お茶碗約0.4杯分減らす
(一般的なお茶碗一杯の白ごはんは約150gで、これは約250kcalに相当します。
したがって、お茶碗約0.4杯分、60gは100kcalにあたります。)
【運動で400kcalを消費する(80%)】
- 例: 40分、サイクリングをする
(体重が70kgの人の場合、約20km/時で走行すると上記のように1時間で588kcal消費するので、400kcal消費するには、約40分走ればよいことになります。)
実際のサイクリングプラン(日常生活に取り入れる工夫)
おすすめの自転車
まず、適度な有酸素運動に向かない自転車を言うと、それはママチャリ(マチャリ風電動アシスト自転車も含む)です。
ママチャリは、サドルがハンドルの位置よりもかなり低くセットされていて、サドルが低いと、自然にペダルの回転数が低くなり、スピードは上がりません。
さらに、前傾姿勢ではなく、サドルに対して直角にどっかりと座るので、上半身の力を使いづらいことも、スピードが上がらない原因になります。
このようなことからママチャリの運動効果は低いということになります。
逆に、運動に向くのは、前傾姿勢のとりやすいクロスバイクやロードバイクです。
クロスバイク風やロードバイク風の電動アシスト自転車でも良い有酸素運動になります。
「電動アシスト自転車でも運動になるの?」と疑問に思うかもしれませんが、しっかりと有酸素運動をできます。
詳しくは次の記事をご覧ください。
自転車のポジション設定が大事
適度な有酸素運動ができるように、サドルを高めにセットして前傾姿勢をとりやすくしてください。
サドルの高さの設定方法は大事なので、下の記事の中で紹介した方法を再度、掲載します。
【 サドルを適切な高さにセットする方法 】
● まず、ペダルを一番低い位置にして、「足のつま先」をペダルに乗せます。
このとき、靴底は水平にします。
● この状態で「軽く膝が曲がるくらい」が適切なサドルの高さなので、こうなるようにサドルを上下して調節します。
● 確認のために、今度はペダルを一番低い位置にしたときに、ペダルに「かかと」を乗せます。
このとき、靴底は水平にします。
膝がピンと伸びていれば、ちょうどよいサドルの高さです。
これが確認できたら、サドルの高さの調整はひとまず終わりです。
ただし、しばらく乗り続けると、よりリラックスできるようになったりして体の使い方が変わってくるので、再度、上記の手順で高さを調整することをお勧めします。
おすすめのサイクリングプラン
初心者でも無理なく続けられるサイクリングプランを紹介します。
- 平日: 通勤・通学や買い物をサイクリングに置き換える
プラン例:「最寄りの駅への行き来のバス乗車を自転車に置き換える」、「スーパーやコンビニまでサイクリングする」など。
慣れてきたら、遠回りするなどして20分以上自転車に乗るとよいでしょう。
ポイント:時速16〜19km程度の軽いサイクリングでOK! 短時間でもカロリー消費になります。 - 週末: リフレッシュしながら運動
最初は、片道30分程度の目的地を決めてサイクリングをするとよいでしょう。
例①:公園やカフェまで自転車で出かける
例②:観光スポットやサイクリングロードを楽しむ
慣れてきたら徐々に時間を延ばしていきましょう。 - 楽しく続ける工夫
・サイクリングの目的を作るとよいでしょう。
「季節の花を見る」、「お気に入りのカフェ巡り」、「温泉地で日帰り入浴」など
・距離やカロリーを記録できるサイクリングアプリ(例:Strava、Google Fit)を活用して進捗を管理することで、達成感が得られます。
サイクリングは楽にできる運動ですが、同じところを走っているばかりでは飽きてしまうことがあります。
マンネリ化を防ぐ方法については次の記事が参考になると思います。
注意点
【装備を整えましょう】
- ヘルメット着用
頭を守るために必ずヘルメットを着用しましょう。サイズが合い、しっかりと固定できるものを選びます。 - 動きやすい服装
服がチェーンや車輪に巻き込まれないよう、裾が広がらない服を着用しましょう。
【自転車の点検を習慣に】
- ブレーキ:前後のブレーキが正常に作動するか確認します。
- タイヤ:空気圧が適切か、パンクがないかをチェックします。
- ベル:しっかりと鳴ることを確認します。
【危険な道を避けた走行ルートを選ぶ】
交通量が多く危険な道は避けましょう。
渋滞でしょっちゅう一時停止しなければならないのでは、そもそも運動になりませんよね。
お勧めは、サイクリングロードや農道です。
近くにそれらが無い場合、国道や県道ほど交通量が多くない生活道路(裏道、住宅街の道路)がお勧めです。
特に商店街や駅が近くない生活道路は、人や車の通行が少なく、走りやすいです。
Google Mapなどの地図アプリでそのような道を探して走るルートを決めるのも楽しいですよ。
「食事2割、運動8割」は非常に理にかなっている
ダイエットのカロリー制限というと「摂取カロリーを減らす」ことが主に考えられがちです。
ところが「消費カロリーを増やす」ことは以下のように非常に理にかなっています。
- 基礎代謝の向上で「痩せやすい体」になる
運動を取り入れることで筋肉量が増加し、基礎代謝が上がります。
基礎代謝が高いと、安静時でも消費されるエネルギーが増えるため、太りにくく痩せやすい体になります。
それに対して、食事制限だけだと筋肉が減少し、基礎代謝が下がりやすくなる恐れがあります。
- 健康的な体型維持
運動中心のダイエットでは、体重減少だけでなく体型の引き締めや姿勢改善、体力向上が期待できます。
特に高齢になると筋力の低下が問題になりますが、運動をすることでフレイル(加齢による虚弱)を防ぎ、日常生活の質も向上します。 - リバウンドしにくい
食事制限だけのダイエットは短期間で体重を落とせますが、リバウンドしやすい傾向があります。
運動を中心に行うことで、筋肉量を維持しながら脂肪を減らすため、リバウンドのリスクを下げられます。
【摂取と消費のバランスを考えたダイエットのポイント】
- 摂取カロリーは過剰にならない程度に適度に抑える:
- 極端な制限は避け、活動量に応じたカロリーを摂る。
- 栄養バランスを整える(特にタンパク質の摂取は、筋肉維持や満腹感に重要)。
- 消費カロリーを意識して増やす:
- 運動や日常活動を増やして、全体のエネルギー消費を高める。
まとめ
「摂取カロリーを無理に減らさなくても、消費カロリーを増やすことでダイエットを成功させる」アプローチは非常に理にかなっています。
特に、自転車運動は辛くなく、膝や腰の故障もしにくいので、消費カロリーを増やすために続けやすい運動でお勧めです。
ダイエットを考えている方は、今すぐ自転車で「食事2割、運動8割」のダイエットを始めて、3ヶ月後の自分を楽しみにしませんか?
● Women’sHealth 「ダイエットって本当に食事8割、運動2割?よく言われることだけど、実際はどういうことなの?」
https://www.womenshealthmag.com/jp/diet/a72865/weight-loss-80-percent-diet-20-percent-exercise-20171126/
● Family Dr. 『「栄養8割 運動2割」 diet(ダイエット)』
https://www.family-dr.jp/?column=18481
● MELOS 『「ダイエットは運動2割、食事8割」ってホント?ライザップが解説』
https://melos.media/wellness/80850/