自転車に乗る人なら誰もがしなければならないチェーンのメンテナンス。
面倒くさい、汚れる、どうするのがよいのわからない... そう思う人も多いのではないでしょうか。
でも、実際は難しいことはありません。
正しい方法を知れば、誰でも簡単にできるんです。
メンテナンスすることでチェーンの寿命を延ばし、静かな走りは快適な走行に導いてくれます。
この記事では、チェーンのクリーニングに必要なものや、クリーニングの方法を紹介します。
特にパークツールのチェーン洗浄器「サイクロン CM5.3」については、写真付きで詳しく使い方を説明します。
目 次
チェーンのクリーニングは絶対に必要
チェーンは、自転車の動力を後輪に伝える、まさに心臓部です。
走行中は常に動き続け、泥や埃、古い油などが溜まりやすい場所です。
放置したチェーン、大丈夫ですか?
実は、ガチャガチャうるさいだけじゃなく、こんな良くないことが起こります!
- スムーズな変速を妨げる
- ペダルが重くなり、漕いでも漕いでも進まない
- チェーンやギアがすぐに傷んでしまう
- 錆びてしまい、チェーンの寿命が縮んでしまう
- 自転車が汚れていて、なんだかカッコ悪い

嫌ですね~。
でも、ご安心ください!
定期的なクリーニングで、これらの問題は簡単に防ぐことができます。
クリーニングの頻度は、使用状況によって異なりますが、一般的なガイドは以下のとおりです。
ただ、一番大切なのは、自分の目でチェーンの状態をチェックすることです。
汚れが目立つ場合は、上記の目安にかかわらず、クリーニングをしましょう。
チェーンクリーナーの種類と特徴
チェーンクリーナーには、大きく分けて次の2つのタイプがあります。
- スプレータイプ
- 専用ケース(チェーン洗浄器)タイプ
それぞれの特徴を、分かりやすく説明したいと思います。
スプレータイプ
その手軽さから多くの人はスプレータイプを使っていると思います。
メリット
- シュッと吹きかけるだけで、簡単にクリーニングできる
- チェーンの細かい隙間にも、洗浄液がしっかり届く
- 作業時間が短く、すぐに終わる
- 持ち運びが楽チンで、外出先でも使える
- コストパフォーマンスが良い
デメリット
- 周囲に飛び散りやすいので、注意が必要
- 使いすぎてしまうことも…
- チェーンの中に入り込んでいる頑固な汚れは、落としきれない場合もある…
おすすめ商品は、ワコーズの CHA-C チェーンクリーナーです。
その理由は、サクラチェッカーでの評価が高く、生分解性で環境に優しいからです。
なお、サクラチェッカーとは、オンラインショッピングサイトの商品レビューが信頼できるものかどうかをチェックするサービスです。
ワコーズの CHA-C チェーンクリーナーは生分解性のクリーナーで、次の特長があります:
・各種チェーンやパーツ類の頑固な油・グリース汚れを素早く洗浄
・シールチェーンのゴムを傷めない
・防錆剤を配合しているため、洗浄後の錆の発生を抑える
・乾燥しない成分を採用している為、少ない量で洗浄できる
次のサクラチェッカーのスクリーンショットのように、評価はかなり高いです。

自転車のチェーンを洗浄する際、クリーナーは地面や水路に流れ落ちることがあり、生分解性のないクリーナーは、土壌や水質を汚染する可能性があります。
「生分解性」とは微生物の働きによって、物質が水と二酸化炭素などの無機物に分解される性質のことです。
生分解性のあるチェーンクリーナーは、使用後に排水溝に流れても、微生物によって分解されるため、環境への負荷が低いと言え、お勧めです。
専用ケース(チェーン洗浄器)タイプ
もっとしっかりクリーニングしたい!
そんな本格派の人には、専用ケースタイプがおすすめです。
メリット
- チェーン全体を、ムラなくクリーニングできる!
- 洗浄液が飛び散らないので、安心!
- ブラシ付きモデルなら、洗浄効果がさらにアップ!
- 繰り返し使えるから、経済的!
デメリット
- 準備と後片付けに、ちょっと手間がかかる…
- 最初に買うときは、少しお金がかかる…
- 持ち運びには不便…
- 使った後は、洗浄器自体をきれいにする必要がある…
おすすめしたい商品は、私も愛用しているパークツールの「サイクロン CM5.3」です。
サクラチェッカーでの評価は次のスクリーンショットのとおりです。

値段は類似の商品より少し高いですが、使いやすいように色々と工夫されている上、頑丈に作られているので長く使えそうです。

チェーン洗浄器に入れる洗浄液は、環境に優しい生分解性のものをお勧めします。
私が使っているのは、「Muc-Off(マックオフ) 自転車 洗浄液・クリーナー」という生分解性のチェーンクリーナーです。
ちょっと値段は高いですが、良く汚れが落ちるので気持ちよく洗えます。
次のスクリーンショットのように、サクラチェッカーでの評価も非常に高いです。

パークツールの「バイオチェーンブライト」も生分解性なのでお勧めです。
次のスクリーンショットのように、この洗浄液のサクラチェッカーでの評価も良いです。

あなたにぴったりのクリーナーはどれ?
最適なチェーンクリーナーは、あなたの使い方や好みに合わせて選ぶのが一番です。
以下のポイントを参考に、選んでみてください。
- 使用頻度:こまめにメンテナンスするなら、手軽なスプレータイプが便利
- クリーニングの徹底度:隅々までピカピカにしたいなら、専用ケースタイプがおすすめ
- 作業環境:室内保管のロードバイクのメンテのように、室内で作業することが多いなら、飛び散りにくい専用ケースタイプがグッド
- 作業時間:短時間で済ませたいなら、スプレータイプの方が時短になる
- 予算:まずは、お財布に優しいスプレータイプから試してみるのもアリです
- 環境への配慮:環境問題を意識するなら、生分解性の洗浄液を選びましょう
- 走行環境:オフロードや泥道をよく走るなら、洗浄力の強い専用ケースタイプが頼りになります
- 自転車の種類:ロードバイクなど、繊細なメンテナンスが必要な自転車には、専用ケースタイプが最適
効果的なチェーンクリーニングの手順
ここでは、スプレータイプと専用ケースタイプそれぞれの、基本的なクリーニング手順を分かりやすく紹介します。
スプレータイプでも専用ケースタイプでも、大事なのはクリーニングした後、水分を取り除き、油をチェーンから切らさないことです。
さもないと、せっかくきれいにしたチェーンにさびが付きやすくなってしまいます。
スプレータイプを使う場合
まずはスプレータイプです。
- 準備:自転車を安定した場所に置き、周りに新聞紙などを敷いて、汚れから保護しましょう
- チェーンの予備洗浄:ウエス(掃除に使う布)で、チェーンの表面の汚れを軽く拭き取ります
- クリーナーを噴射:チェーンをゆっくり回しながら、スプレーを吹きかけます。
チェーン全体に、しっかり行き渡らせます。 - 浸透時間:クリーナーの説明書をよく読んで、数分間置いて汚れを浮かせます
- ブラッシング:古い歯ブラシなどを使って、チェーンの表面や隙間の汚れを丁寧に落とします
- すすぎ:きれいなウエスでチェーンを拭いて、クリーナーと汚れをきれいに取り除きます
- 乾燥:自然乾燥させるか、あればエアコンプレッサーなどで水分を飛ばします
- 潤滑:チェーンが完全に乾いたら、自転車専用の潤滑油を塗ります
専用ケースを使う場合(パークツールの「サイクロン CM5.3」の例)
次は、専用ケースタイプの使い方です。
ここでは上記で紹介したパークツールの「サイクロン CM5.3」を例に説明します。
● 準備:チェーン洗浄器からの洗剤の飛び散りはほとんどありませんが、チェーンに付着した洗剤が液垂れすることはあるので、新聞紙などを敷いておいたほうが良いです。
● 洗浄器の取り付け:洗浄器は左右の金具を開くと上下に分割されます(次の写真)。

チェーンに取り付けるには、次の写真のように、上下からチェーンをはさむように洗浄器を取り付けます。

なお、「サイクロン CM5.3」はセンタードライブの電動アシスト自転車にも対応しており、このタイプの電動アシスト自転車の場合は、次のように洗浄器の左右を代えてセットします。

このように「サイクロン CM-5.3」はハンドルがリバーシブルになっていて、普通の自転車だけでなく、センターとリアドライブの両方の電動アシスト自転車にも対応できます。
これは便利ですね!
● 洗浄液の注入:上の穴から洗浄液を充填ラインまで注入します。
私は上記で紹介した生分解性のチェーンクリーナー「Muc-Off(マックオフ) 自転車 洗浄液・クリーナー」を使っています。

● 洗浄:普通の自転車やリアハブ・ドライブの電動アシスト自転車では、ペダルを後方に約30回転、回します。
センタードライブの電動アシスト自転車の場合、上記のように洗浄器を左右の向きを反対に取り付け、ペダルを前方に約30回転、回します。
次の写真に写っているのが、鉄粉を集めるための磁石です。
洗浄器の底面に着脱可能な磁石が仕込んであり、鉄粉を集めるような構造になっています。
洗浄するとここが黒くなり、チェーンの内部まで洗浄ができていることが分かります。

● すすぎ:汚れたクリーナーを捨てて、洗浄器に付いているスポンジから液体を絞ります。
洗浄器に水を入れて、すすぎをします。
これも約30回、ペダルを回して行います。
● 乾燥:洗浄器を外し、チェーンをきれいなウエスで拭き取ります。
また、「サイクロン CM-5.3」を空にし、水ですすぎ、洗浄機に付いているスポンジから水分を絞ります。
● 潤滑:チェーンが完全に乾いたら、自転車専用の潤滑油を塗ります。
チェーンが乾ききっていない場合にオイルを注すときは、水置換性のあるワコーズのチェーンルブがお勧めです。
水置換性の潤滑油は、水が付着した表面に塗布されると、油が水と表面の間に入り込み、水を押しのけて油膜を形成してくれます
次のようにサクラチェッカーでの評価もすごく高いです。

よくある疑問
Q1:チェーンは、どれくらいの頻度で交換すればよい?
A1:一般的には、2,000~3,000km走行ごと、または伸びが0.75%を超えたら、交換を検討しましょう。
Q2:チェーンクリーニングの後、すぐに自転車に乗っても大丈夫?
A2:クリーナーが完全に乾いて、潤滑油をきちんと塗布した後であれば、問題ありません。
Q3:家にある洗剤で、チェーンを洗ってもいい?
A3:家庭用洗剤は、金属を傷める可能性があるので、おすすめしません。
自転車専用のクリーナーを使いましょう。
Q4:チェーンクリーニングをするとき、手袋は必要?
A4:手を保護するため、そして、有害物質から肌を守るために、ニトリルやラテックスの手袋を着用することをおすすめします。
Q5:雨の中を走った後は、どんなメンテナンスをすればいい?
A5:雨天走行後は、特に念入りに清掃と乾燥を行いましょう。
その後、潤滑油を忘れずにしっかり塗布しましょう。
おわりに
自転車のチェーンクリーニングは、快適な走りと長寿命化のための重要なメンテナンス作業です。
この記事で紹介したスプレータイプや専用ケースタイプ(洗浄器)のクリーナーを使用し、定期的にチェーンのケアを行うことで、愛車をいつも最高のコンディションを保つことができます。
最初は面倒に感じるかもしれません。
けれども、少しの時間と適切な道具があれば、誰でも簡単に行えます。
でも、一度その効果を体感すれば、きっと癖になると思います。
見た目が綺麗で滑らかに回るチェーン、静かな走り、そして自転車を大事にしているという充実感、これらが自転車ライフをより豊かなものにしてくれると思います。