「えっ、自転車にも手信号があるの?」とか「知ってはいるけど使ってはいないよ」という人は多いですね。
でも、車道には危険が一杯!
自転車でスイスイと街を走っているとき、突然、前方に駐車車両が!
避けようと急に右に進路を変更したその時、後ろから来た車に接触しそうになる・・・。
こんな危険な場面も、手信号を使えば簡単に回避できます。
また、事故になってしまったら、手信号を使うべきときに使わなかったことで賠償責任の面で不利になる可能性は十分に考えられます。
実は、道路交通法で手信号の使用は義務付けられているんです。
「でも、手信号って面倒くさそう…」と思うかもしれません。
しかし、実は簡単ですし、あなたの自転車ライフを劇的に安全で快適なものに変えてくれます。
この記事では、手信号の基本から上手な使い方まで、分かりやすくお伝えしたいと思います。
目 次
手信号って本当に必要?
「そもそも、自転車に乗るのに手信号なんて必要なの?」・・・そう思う人も多いかもしれません。
けれども、自転車は、車道も歩道も走れる特殊な乗り物です。
また、その気になれば結構なスピードを出せるにもかかわらず、体むき出しで走るので事故を起こすと怪我をしやすいです。
それだけに、周りとのコミュニケーションが重要になります。
● 安全第一!命を守る小さな合図
自転車で急に曲がったり止まったりすると、車や歩行者がびっくりします!
特に、こんな場面では手信号が役に立ちます:
– 駐車している車を避けたいとき
– 交差点で曲がるとき
– 突然止まらないといけないとき
「今から曲がりますよ!」、「止まります!」と、周りにしっかり伝えられるので、事故のリスクをグッと下げられるんです。
● 交通の流れもスムーズに
あなたの自転車の周りには、車や歩行者がいっぱい。
そんなときに手信号を使うと、他の道路利用者も「あ、そっちに行くのか!」とわかってくれるので、スムーズに交通が流れます。
● 実は、法的義務です!
「え、手信号って法律で決まってたの?」という人も多いと思います。
道路交通の安全や円滑さを維持するため、道路交通法で手信号を使うことが義務付けられています。
なぜ多くの自転車乗りが手信号を使わないの?
「でも、周りを見ても、手信号を使っている人ってあまり見かけないよね?」・・・確かに、それほど使われていません。
ロードバイクに乗っている人は手信号(ハンドサイン)を使う人が多いですが、一般の自転車利用者の多くはあまり使っていません。
その理由を見てみましょう。
● 学ぶ機会が少ない!
子どもの頃に交通安全教室で教えてもらった記憶がある人もいるかもしれません。
でも、大人になると、改めて学ぶ機会が少ないのが現状です。
「知らないから、使わない」、単純ですが、これが大きな理由の一つかもしれません。
● 目立ちたくない...
日本では「出る杭は打たれる」ということわざがあるように、あまり目立ちたくないという文化がありますね。
手信号を使うと、周りから「何、あの人?」と思われそうで、ちょっと恥ずかしい・・・そんな気持ちも分かります。
でも、安全のためなら、ちょっとくらい目立っても良いですよね?
道路交通法で定められた3つの手信号とは
「手信号なんて、なんとなくやればいいんでしょ?」と思うかもしれません。
また、ロードバイク乗りの人達は仲間内で通じる手信号(ハンドサイン)で構わないと思うかもしれません。
しかし、実は法律でしっかり三種類の手信号が決められているんです。
(道路交通法施行令 第21条を参照: e-GOV 法令検索 「道路交通法施行令」 https://laws.e-gov.go.jp/law/335CO0000000270#Mp-Ch_3-At_21 )
この三つさえ覚えておけば、法的にもバッチリです!
① 右折: 右手を水平に伸ばすか、左手を曲げる
右手をピーンと水平に伸ばす、または左手の肘を直角に上に曲げる。
(どっちでも、やりやすい方法でOKです)
② 左折: 左手を水平に伸ばすか、右手を曲げる
左手をピーンと水平に伸ばす、または右手の肘を直角に上に曲げる。
(どちらかやりやすい方法でOKです)
③ 徐行・停止: 右手を下に向けて伸ばす
下に向けてシャキーンと伸ばすことで、「スピードを落とします」、「止まります」と伝えます。
特に急に停止する場合は、早めにこの合図を出しましょう。
この三つを覚えておけば、法的にもバッチリです!
正しい手信号の出し方
さて、基本の3つを覚えたあなた。でも、「実際にどう使えばいいの?」って思いますよね。
ここからは、使い方を詳しく紹介します。
タイミング
タイミングに関しては、道路交通法施行令 第二十一条では以下のように定められています。
(参照: e-GOV 法令検索 「道路交通法施行令」 https://laws.e-gov.go.jp/law/335CO0000000270/20210628_503CO0000000172#Mp-Ch_3-At_21 )
- 30m手前
右左折を行う場合は、右左折を行う地点の30m手前(交差点で右左折する場合は交差点の30m手前)で手信号を示す
(ただし、自転車の右折は特殊で、「二段階右折」という方法を使います。
詳しくは次の囲みの説明をご覧ください。)
- 3秒前
進路変更を行う場合は、進路変更を開始する3秒前に示す
明確さ
手信号は、周りに伝えるためのもの。
腕をしっかり伸ばし、はっきりとした動作で相手に伝わるようにしましょう。
おずおずと中途半端に行うと、こちらの意思が伝わりません。
安全第一で
右手と左手のどちらを使うかは、安全性と周囲への見やすさを考慮して選択しましょう。
道路交通法 第53条には、手信号は左折や右折、徐行・停止などの行為が完了するまで継続しなければならないとあります。
(参照: e-GOV 法令検索 「道路交通法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105#Mp-Ch_3-Se_10-At_53 )
けれども、手信号をずっと出しながら片手で自転車を運転するのは危険なこともあると思います
こんなときは途中で手信号を止めても大丈夫。
あなたの安全が一番大切です。
手信号マスターになるメリット
はい、以上が手信号のやり方ですが、手信号を使うと、こんなメリットがあります。
● 事故リスクの減少
意図をしっかり伝えることで、周囲の車や歩行者があなたの動きを予測できるようになり、衝突事故を避けやすくなります。
より安心して街を走れる、いいじゃないですか?
● 法的にも有利に
もし万が一事故が起きた場合でも、「私はちゃんと手信号を出していました!」と言えれば、法律面で有利に働くことが多くあります。
これって、すごく心強いですよね。
手信号の練習方法
手信号の基本を学んだら、あとは練習あるのみ!
最初は恥ずかしいかもしれません。
でも、慣れれば、手信号を出さない方が気持ち悪くなるようになります。
- まずは自転車に乗らずに動きを覚えましょう。
- 次に、空いた場所でゆっくり走りながら練習。
- 慣れてきたら、実際の道路で使ってみましょう。
家族や友達に見てもらうのも良いアイデアです。
おわりに
手信号は、ただのマナーではありません。
あなたと周りの人の安全を守る、大切な「交通ルール」です。
最初は少し照れくさいかもしれませんが、使い始めると、きっと「なんだ、簡単じゃん!」って思うはずです。
手信号をマスターすることで、より安全な自転車ライフを楽しみましょう!
自転車は右折する場合、交差点で「二段階右折」をしなければなりません。
「二段階右折」とは、右折する際に一度交差点を直進し、その後、進行方向を変えて再度直進して右折する方法です(次の図)。
これは交差点の大きさ(信号の有無、道路の広い狭い)や、交差点の形状(丁字型や十字型など)によって変わることはありません。