【ヒヤッとした経験がある方へ】路上駐車の車を自転車が安全に避ける方法

自転車で車道の左端をスイスイ走ってると、いきなり現れる「路上駐車の車」!

自分の自転車の周りには多くの自動車やバイクがビュンビュン。

「どうやってこの路上駐車の車を避ける?」と困った経験がある人も多いと思います。

この記事では、路上駐車の車への安全な対処法を詳しくご紹介したいと思います。

これを読むと、より安全に車道を自転車走行できるようになれますよ!

なぜ、自転車にとって路上駐車の車は危険?

路上駐車の車が自転車乗りにとってなぜ危険なのかを整理すると、次のようになります。

  • 突然の進路変更を強いられる
    追い抜くためにはいつもの車道の左端の走行ラインを変更せざるを得ず、他の車両との接触リスクが高まります。
  • 視界がさえぎられる
    大きな車が邪魔!
    その先の状況が見えにくくなります。
  • ドアが開く危険がある
    駐車している車のドアが突然開くことがあり、非常に危険です。
    停車中のタクシーの後部ドアが開いて自転車と衝突したといった交通事故ニュースをときどき聞きますね。
自転車にとって邪魔な路駐車

このようなリスクがあるからこそ、安全な対処法を身につけることが大切です。

基本の対処法:3ステップで回避

路上駐車の車を安全に避ける基本の3ステップです。

ステップ1. 後方の状況を十分確認する

  • 肩越しに右後方を見るか、バックミラーを使用します
  • 後続車の有無やスピード、車種(大型車かどうか)などを確認します

ステップ2. 右側に膨らんで避ける

  • 後続車が少ないタイミングを見計らって、右側に進路変更
  • その際、右手を水平に伸ばして、後続車に進路変更を合図!
    (手信号の使いかたについてはこちらを参照してください)
  • 追い抜きの車列にスムーズに合流!

⚠️注意⚠️ 次のような場合は、駐車車両の手前で一旦停止した方が安全です。

  • 慣れていないのでうまく後方確認ができない
  • 後続車が多く、駐車車両を避けようとする車の流れにうまく入れない

そうして車が途切れるときまで待ってから、駐車車両を避けると安全です。

ステップ3. 追い抜き後、再び左側に戻る

  • 駐車中の車を追い抜いたら、左車線の左端に戻ることを合図して戻ります
  • 急なハンドル操作は避け、ゆるやかに左側に寄っていきます。

 

路駐車を避けるための3ステップ

この3ステップは、安全に路上駐車車両を回避するための基本となります。

一口メモ:「追い抜き」と「追い越し」の違い

日常会話ではあまり気にしませんが、道路交通法上では「追い越し」と「追い抜き」には明確な違いがあります。

  • 追い越し:対向車線にはみ出して追い抜くこと
  • 追い抜き:同じ車線内で追い抜くこと

特に注意すべき点を次に詳しく説明します。

さらなる安全のために! 覚えておきたい注意点

路上駐車の車を避ける時に特に気をつけたいポイントを2つご紹介!

  1. 後方確認の仕方
  2. 安全な追い抜き方

後方確認はバッチリ? テクニックを紹介します

路上駐車の車を避けるには、周りの状況を把握することが大切!

でも、自転車に乗りながら後ろを見るのって難しいですよね?

よくあるのが、右後ろを見ようとしてハンドルまで右に切ってしまい、自転車がふらつくパターン

これが接触事故の原因になることも!

そこで、テクニックを紹介します。

真っ直ぐ走りながら後ろを振り返る方法

真っ直ぐ走ることをキープしながら、後ろを振り返るには、右後ろを見る際に、ハンドルを左方向に少し押して、進路が曲がる力を打ち消すと真っ直ぐ走ることができます。

真っ直ぐ走ることをキープしながら、後ろを振り返るテクニック

自転車に乗りながら後ろを見るとふらつく人は、このように真っ直ぐな走りをキープしつつ、後ろを振り返る練習を安全な所でしてみると良いでしょう。

やっぱりバックミラーは必須

首を後ろに回すと前方が全く見えず危ないので、後方を一瞬チラッと見るだけで、よく後方確認ができないこともあります。

そこでバックミラーの出番です。

  • バックミラーがあれば首を回さず後方を確認できます
  • ハンドルもふらつかずに安全性が高まります
  • バックミラーを見るときも頭は前を向いているので、前方で何かあっても、すぐにチェックできます

ミラーは、視認性の高い適度な大きさのものを選びましょう。

私が今、使っているのは、「ROCKBROS(ロックブロス) ラウンド-ショットタイプ」という商品で、アマゾンで購入したときの価格は1,700円でした。

バックミラーのハンドルへの取付け例

バックミラーの選び方について、次の記事で紹介しましたので、ご興味のある方はご覧ください。

追い抜きの際は慎重に!路上駐車の車との側方距離が大事

右側に膨らんで進路変更して、路上駐車の車を追い抜くとき、十分な距離を駐車車両との間にとる必要があります。

路駐車を追い抜く際は十分な側方距離を保つ

 

その理由には次の二つがあります。

理由1:路上駐車の車の急なドア開放に対応できる

路上駐車の車のドアが急に開くこともあります。

路駐車のドアが急に開くこともある

自動車のドアに自転車が衝突すると、自転車の破損どころか命を落とす危険性だってあります。

  • 追い抜こうとしている駐車車両の中の様子をうかがうようにしましょう
  • 万一、ドアを開けられても当たらないように、1m以上の側方距離を保って追い抜くようにしましょう。

理由2:後続車の無理な追い抜きをブロック

路上駐車の車との間に十分な側方距離をとるもう一つの理由は、後続車への対策です。

駐車車両と追い抜こうとしている自転車とを無理に追い抜こうとする車、いますよね(次の図)。

路駐車と自転車の両方を同時に追い抜こうとする危険な後続車

自転車にすれすれのところを車が追い抜いて行って、ヒヤッとした経験がある人もいるのでは?

実は、自動車には自転車を守る義務があるのですが、実際にはルールを守らない車も多いのが現実…。

一口メモ:自動車の追い抜き・追い越しのルール

自動車は自転車や歩行者には安全な間隔を保ち、それが困難な場合は徐行すると定められています。

自動車教習所では「歩行者や自転車が自動車に気がついている時は1m以上、気がついていないときは1.5メートル以上の間隔を保って通過する」ように教えられています。

これができないと教習所の試験で減点になります(参考:イツヤドライビングスクール「試験減点項目」 https://ons-ds.com/point/

このような危険な後続車をブロックするためには、「センター寄せ」のテクニックが使えます

これは、後続車が無理な追い抜きをしないようにするために、車線のセンター線に寄ることで、後続車が自転車を追い抜けないようにブロックする方法です(次の図)。

後続車の無理な追い抜きをブロック

これにより、路上駐車の車との安全な側方距離を確保しつつ、後続車による無理な追い抜きが原因の事故を避けることができます。

例外的な対応:歩道の利用

路上駐車の車を避けるのがいつも簡単であるとは限りません。

例えば、次のような場合です。

  • 自分の自転車の周りをひっきりなしに車が走っていて、いつまで待っても路駐車を追い抜くタイミングが来ない
  • 後ろを確認しようとすると自転車のバランスをくずす、あるいは瞬時に後方の状況を把握するのが苦手で、自分の安全運転に不安がある

そんな時は、歩道を走行できる例外があります!

原則、自転車は車道を走るのがルールです(道路交通法 第17条第1項の規定:「自転車は、歩道と車道の区別のある道路では、車道を通行しなければならない」)

しかしながら、例外的に次の三つの場合、自転車は歩道の通行が可能です(参考:警察庁Webサイト https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/bicycle/pdf/4_rule.pdf )

普通自転車が例外的に歩道を通行できるケース

● 例外1: 道路標識がある
次の写真のような標識や「自転車及び歩行者専用」、「普通自転車歩道通行可」などの表示がある場合です。

● 例外2: 運転者が特定の条件に当てはまるとき
ー 児童(6歳~13歳未満)や幼児(6歳未満)、70歳以上の高齢者
ー 内閣府令で定める障害(視覚、聴覚等の障害、音声・言語等の機能障害、肢体不自由など)のある身体障害者

● 例外3: 車道や交通状況から見て、やむを得ないと認められるとき

(図は警視庁のWebページより引用 https://x.gd/wZPRF

路上駐車の車を避けるのが難しい場合、上記の3つの例外のどれかに該当すれば歩道を走行しましょう。

例えば、70歳以上の人が路上駐車の車を避けて走るのが怖いと思えば、たとえ歩行者専用の道路であっても歩道を走行できます(上記、歩道通行の例外2)。

ただし、歩道は歩行者が優先であり、自転車が歩道を走る場合は、車道寄りの歩道を走るといったルールがあります。

詳しい歩道の走り方については、次の記事を見てください。

まとめ:安全運転でサイクリングを楽しもう!

今回は、路上駐車の車を安全に避ける方法をご紹介しました。

車道では何が起こるか分からないので、常に周囲に気を配り、慎重に運転することが大切です。

最悪の事態を想定して、様々な可能性を考えながら走行しましょう。

そして、道路はみんなのものですので、お互いを思いやる気持ちを忘れずに!

自転車はエコで健康的です。

安全運転を心がけて、素敵なサイクリングライフを楽しみましょう!

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