電動アシスト自転車やe-bike(スポーツに特化した電動アシスト自転車)の大きな魅力は、遠距離であっても急坂が沢山あっても、アシストによって比較的に楽に行けることだと思います。
これまで上ることをあきらめていた坂も楽に乗り越え、より長時間乗り続けられるということは、健康への効果が高まります。
このため、電動アシスト自転車の航続距離が気になりますよね。
バッテリーは高額なので、予備のものを気軽には買えず、バッテリー一本でどこまで行けるのかが重要になります。
次の例のように、メーカーが電動アシスト自転車(e-bike)のカタログで公表している航続距離は、ある一定の条件下での値です。
これはあくまで参考値で、自分が走行する条件での航続距離はどのくらいかは、よくわかりません。
よく電動アシスト自転車やe-bikeのレビューで「一回充電で200㎞走れるのは本当でした」といったコメントを見かけますが、平地を走ったのか坂が多いところを走ったのかがよく分からず、参考になりません。
また、「山道でもバッテリーは全然大丈夫でした」と体重が50kgもなさそうなスリムな女性が報告している動画もありますが、こちらも体重がある人の参考にはなりません。
この記事では、航続距離に影響を与える要因を紹介し、それに基づいて航続距離を延ばす方法を紹介したいと思います。
目 次
カタログの航続距離はどうやって測定している?
電動アシスト自転車のカタログに載っている走行距離はどうやって測られているのか、ご存知ですか?
全メーカーのカタログを調べたわけではありませんが、日本の電動アシスト自転車の三大メーカーであるヤマハ、パナソニック、ブリヂストンは次の業界統一標準に基づいた走行距離をカタログに掲載しています。
自転車カタログの走行距離は、次の走行パターンに基づいて測定した結果です。
この走行パターンをバッテリー満充電からアシスト停止まで走行したとする場合の距離となっています。
【標準走行パターン】
順番 走行路 勾配(°) 速度(km/h) 距離(km) 変速段
1 平たん路 0 15 1 最大の変速段
2 上り坂 4 10 1 a)
3 平たん路 0 15 1 最大の変速段
4 下り坂 4 20 1 最大の変速段
a)上り坂の変速段は、最大変速段が奇数の場合、最大変速段数を2で除した数字を切り上げた整数の段とする。最大変速段が偶数の場合、最大変速段数を2で除した数字に1を加えた整数の段とする。最大変速段数が2 の場合は下の段とする。
図にすると次のようになります。
この測定条件は次の通りです(参照:JISD9115:2018 電動アシスト自転車 「附属書D(規定)一充電当たりの走行距離の測定・表示方法」https://kikakurui.com/d9/D9115-2018-01.html )。
1) 環境温度は20 ℃±5 ℃とする。無風の状態とする。
2) 組電池は新品を用いる。ヘッドライトは消灯状態とする。
3) 車載質量(乗員と荷物との合計)は65 kgとする。
4) 路面は,乾燥した平滑な路面とする。
5) タイヤ空気圧は,製造業者指定の空気圧とする。
この業界統一標準に基づく走行距離の測定法を知ると、疑問が湧いてくるかもしれません。
例えば、この測定テストで使われている斜度4度という坂は緩くはないですが、大してきつい坂でもありません。
東京都内には千駄ヶ谷の富士見坂(斜度は12度)など有名な急坂がいくつもありますし、私の好きな鎌倉にある銭洗い弁天の前の坂は15度もあります。
平地と違い、きつい坂を登るとバッテリー残量メーターがみるみる減っていくというのは、電動アシスト自転車に乗っている人なら経験したことがあるかと思います。
標準走行パターンよりもきつい坂が多いコースを走ることが多い場合、どれくらいの距離を走れるのか知りたいですよね。
また、業界標準の測定法では体重と荷物を合わせて65kgと想定されているので、荷物を除いた体重は60kg台前半だと思います。
30代の男性の場合、平均体重は72kgなので、約半数の人はこのテスト条件よりも10kg以上も重いですが、カタログ値よりどの位、航続距離が減るのかが気になると思います。
航続距離に影響を与えるもの
この記事では、走行距離に影響を与える要因を、次のように、自転車に乗る前の準備に関係するものと、乗り方に関係するものに大別して考えたいと思います。
- 乗る前の準備に関係するもの
- 重量(自転車にどれだけ荷物を載せるか)
- 走行ルート(坂の多さや路面の状況など、どんなルートを選択するか)
- タイヤ(太さや重さ、トレッドパターンなど、どんなタイヤを選択するか)
- 乗り方に関係するもの
- 走行速度
- ケイデンス(1分間にペダルを回す、回数)
- 発進の仕方
まず、準備に関するものから見ていきましょう。
乗る前の準備に関係するもの
自転車に乗る前の準備で、走行距離に影響がある要因を詳しくみていきます。
重量
体重や荷物が重くなると、電動アシスト自転車の航続距離は短くなります。
航続距離を延ばすには、ダイエットして体重を減らすか(簡単ではないですが(笑))、余計な荷物は自転車に積まないようにすることが有効です。
重量が10kg増えると、どのくらい航続距離が減るのかをみてみましょう。
最初に紹介する実験結果は、一般財団法人 自転車産業振興協会技術研究所 「乗員体重、 幼児 2人同乗時など、自転車の総重量が増えた際の一充電当たりの走行距離の変化」( https://jbpi.or.jp/wp-content/uploads/2022/12/rep_tc_181022.pdf )という資料のものです。
このテストの結果から紹介すると、「総重量が 10 kg 増加するごとに、一充電当たりの走行距離は 2 ~ 4 km 程度減少する」となっています。
詳しくは、次の囲みをご覧ください。
測定に使われた走行パターンは先に紹介した業界統一基準のものと同じで、JIS D 9115:2018(電動アシスト 自転車)の附属書 Dに記載されているものです。
重量については、下表のように、自転車のモデルは4種類、重量が3条件で、合計、12ケースについてテストが行われました。
走行距離の実験結果が次のグラフです。
このグラフから、各自転車で総重量が 10 kg 増加するごとに、一充電当たり の走行距離は 2 ~ 4 km 程度減少することが分かります。
もう一つ、紹介したいと思います。
BOSCH社は、ドイツに本社がある世界的な大企業で、e-bikeのモーター市場において主要プレーヤーの一つですが、「航続距離シミュレーター」というアプリをWebブラウザーで公開しています:
https://x.gd/Ikyi7
このシミュレーターを使って体重(横軸)の航続距離(縦軸)に与える影響を調べてみた結果が次のグラフです。
この結果を、重量を減らすという観点で要約すると、次のようになります:
重量を10kg減らす毎に、
・平地:航続距離が3.6%増加
・丘陵:航続距離が6.5%増加
・山岳:航続距離が10.8%増加
なお、この航続距離シミュレーターで設定した条件は以下の通りです:
・自転車のタイプ: シティバイク
・アシストモード: Tour
・ドライブ ユニット: Active Line
・バッテリー: CompactTube 400
・タイヤトレッド: シティバイク タイヤ
・シフティングシステム: 外装変速機
・路面: 整備されたアスファルト
・風: 微風
・季節: 夏
・ストップ&ゴー頻度: 標準的な頻度(郊外走行)
・自転車と荷物の重量: 自転車 20kg、荷物 2kg
電動アシスト自転車がその真価を発揮するのは急な坂を走るときですから、重量が10kg増えるとザックリで10%航続距離が短くなると覚えていれば良いと思います。
アシストが切れて帰れなくなると悲劇ですので、安全サイドに見積もるという意味でも、10%減とちょっと多めに見積もるのが妥当だと思います。
例えば、電動アシスト自転車のカタログで想定しているのは体重と荷物の合計が65kgの場合ですから、体重と荷物の合計が85kgの人の場合、20kg増なので、航続距離が20%減ると想定すると良いでしょう。
ただし、以下に紹介しますように、きつい坂の多さや路面の状態など、航続距離を左右する他の要因も更に考慮する必要があります。
走行ルート
坂道
坂道では平坦な道よりも多くの電力が必要となるため、バッテリー消費量が増加します。
これは先ほどの、BOSCHのシミュレーターの結果グラフをみれば分かります。
例えば、体重70kgの人の場合、きつい坂の多さの違いで走行距離は次のように変わります:
・平地:74km
・丘陵:61km(平地より -19%)
・山岳:40km(平地より -46%)
山岳コースでの航続距離の減少が-46%とはすごいですね。
私の住んでいる神奈川県で言うと、箱根駅伝5区のルートや秦野市のヤビツ峠、宮ケ瀬ダムへ行く県道64号線などでヒルクライムをしたときに、平地とは違ってみるみるうちにバッテリー残量が減っていくという経験と合致します。
これは急な坂を登る場合、短距離で大きな位置エネルギーを獲得する必要があるためで、体重がある人の場合は特に多くのエネルギーが必要となります。
したがって、同じ目的地を目指す場合、距離は短くても急な坂が続くコースよりも、距離は長くても緩やかな坂が続くコースの方が、バッテリーの消耗が少なく、航続距離が長くなることがあります。
これは、緩やかな坂を走行する場合、長距離をかけて徐々に位置エネルギーを獲得するため、モーターにかかる負荷は比較的少なくなり、バッテリーの消耗を押さえられるからです。
路面
路面の状況の違いでも航続距離は大きく変化します。
特に地面が柔らかい未舗装路は、アシストパワーが多く使われるため、航続距離が大きく減少します。
先に紹介しましたBOSCHのシミュレーターで路面だけを変えてみた結果が以下です。
(なお、体重は70kg、平地で、自転車の種類などの他の条件は先ほどと同じです)
・整備されたアスファルト:74km
・砂利道および舗装された林道:57km(アスファルトより -23%)
・未舗装の林道および野道:49km(アスファルトより -34%)
・地面の柔らかい林道:30km(アスファルトより -59%)
驚くことに、「整備されたアスファルト」の場合と比べて、「地面の柔らかい林道」の場合、航続距離は約6割減になっています。
このことから、航続距離を延ばしたい場合は、路面の良いルートを選択することが大切であることが分かります。
ストップ&ゴー回数
信号や一旦停止標識などのために、頻繁にストップ&ゴーを繰り返すのも、航続距離が減る要因になります。
なぜなら、止まっている状態から走りだすときに、大きなアシスト力が発生し、バッテリーを消費するからです。
BOSCHのシミュレーターを使って、調べた結果が以下です。
(なお、体重は70kg、平地で整備されたアスファルト、自転車の種類などの他の条件は先ほどと同じです)
【ストップ&ゴー頻度】
・まれ/少々の減速程度(サイクリングロード走行): 80km
・標準的な頻度(郊外走行): 74km(「まれ/少々」より -8%)
・頻繁(市街地): 61km(「まれ/少々」より -24%)
このことから、曲がりくねった細い道や、人や車でごみごみしていてしょっちゅう停止する道よりも、ストップ&ゴーの少ない大通りやサイクリングロードを選ぶ方が航続距離を延ばせることが分かります。
タイヤ
どんなタイヤを自転車に履かせるかによっても航続距離は大きく変わります。
マウンテンバイクやグラベルバイクに付いているような太くてゴツゴツした重いタイヤよりも、ロードバイク用のように細身で軽量のタイヤの方が遠くまで走れるということは直感的に分かると思います。
BOSCHのシミュレーターを使って、タイヤの種類の影響を調べてみました。
(条件は、整備されたアスファルトで平地、体重は70kg、自転車の種類などは先ほどと同じです)
以下がその結果です。
・ロードバイク タイヤ:83km
・ハイブリッド バイク タイヤ:78km(ロードバイク・タイヤの -6%)
・シティバイク タイヤ:74km(ロードバイク・タイヤの -11%)
・MTB タイヤ (エンデューロ):73km(ロードバイク・タイヤの -12%)
やはり、細身でタイヤの模様があまり無い方が路面からの抵抗が少なくなるのと、軽量であれば停止状態からスタートする際のエネルギー消費が少ないので、このような結果になるのだと思います。
今、太目でゴツゴツしたタイヤを履いている場合、タイヤを交換することで、より航続距離を延ばすことができます。
タイヤの交換をしたことがないと、大変そうだと思うかもしれませんが、やってみると、それ程難しくありません。
YouTubeでも「電動自転車 タイヤ交換」などと検索すると分かり易い説明動画が幾つも出てきます。
ただし、私の乗っているBESV JR1のようにモーターが後輪に付いている電動アシスト自転車の場合は、次の記事に書きましたように、ちょっと大変です。
アシスト付きでない自転車のタイヤ交換は人気のあるカスタマイズ方法の一つで、普通に行われています。
しかし、電動アシスト自転車(e-bike)のタイヤを他の仕様のものに交換することは、メーカーが推奨していないのが一般的です。
それは、次のような理由によるもので、タイヤを指定の仕様でないものへの交換は自己責任ということになります。
- 安全性の問題:
電動アシスト自転車は通常の自転車よりも重く、より細いタイヤに交換すると、パンクしやすくなるなど安全性が低下する - 性能への影響:
電動アシスト自転車用のタイヤは、車体の重量や走行特性に合わせて選ばれていて、指定以外のタイヤに交換すると、アシスト性能や乗り心地に悪影響を及ぼす可能性がある - 保証の問題:
メーカーが認めていない改造を行うと、保証が無効になる可能性がある - 法規制:
電動アシスト自転車は道路交通法で規定される条件をクリアしないと公道で走行できず、メーカーが認めていない改造を行うと、法律違反になる可能性がある
乗り方に関係するもの
電動アシスト自転車の乗り方の違いでも、走行距離は変わります。
走行速度
ご存じの人も多いと思いますが、電動アシスト自転車やe-bikeのアシスト力の最大値は道路交通法で決められています。
この法令を要約したのが下記です。
この図から分かるように時速10kmまでの低速走行ではアシストが強くなるため、バッテリーの消耗が進んで航続距離は短くなります。
航続距離を伸ばすためには、スピードを出してアシスト比が低くなるように走行するのがお勧めです。
自動車やバイクだと、燃費を良くするためにアクセルを吹かさずに、ゆっくりとエコドライブすることが推奨されますが、自転車の場合は違います。
メイン・エンジンは自分の脚で、電気モーターは補助(アシスト)ですからね。
必要な時以外は「強」モードの使用を控え、状況に応じて「標準」や「エコ」モードに切り替え、高めの速度で走行すると航続距離を延ばせます。
街中を走っているシティサイクル(ママチャリ)の平均速度は時速10~15km程度、クロスバイクだと時速18~25kmと言われています。
航続距離を延ばすには、このクロスバイク位のスピードで走ることを心がけると良いと思います。
ケイデンス
ケイデンスというのは1分間にペダルを回す回数です。
ケイデンスが高い方がバッテリー消費量は少なく、航続距離が延びる理由には、次のことが考えられます。
● モーター(ドライブユニット)の効率が上がる
高いケイデンスの場合、軽めのギヤでペダルをクルクルと回すということになります。
このように高速で低トルクの状況の方が、低速で高トルクを必要とする状況よりもモーターの効率が良くなります。
これにより、同じ距離を進むのに必要な電力が少なくなります。
● 人力の貢献が増える
ケイデンスを上げることで、乗り手がより多くの力を出すことになります。
これにより、モーターが補助する必要のある力が相対的に減少し、バッテリーの消費を抑えることができます。
また、高いケイデンスでペダリングすることで、ライダー自身の体力消耗も抑えられ、長時間の走行が可能になります。
ロードバイクのレースに出場するようなサイクリストは、1分間のペダル回転数が90回以上というケイデンスを好みますが、これはこのような高回転だとエネルギー消費量が少なくなると考えられているからです。
けれども、『自転車に乗る前に読む本』(髙石鉄雄著、ブルーバックス)という本によれば、エネルギー消費量がもっとも少なくなるのは1分間に70回転で、筋放電量増加率(この率が小さいほど乳酸がたまらず脚が疲労しにくい状態だと考えられる)がもっとも小さくなるのは80~90回転という実験結果もあるようです。
いずれにしても、多くの人のケイデンスは70以下なので、より高めのケイデンスを心がければ、体力とバッテリー消費の節約が期待できます。
自分のケイデンスを知る方法は次の記事を参考にしてください。
● 慣性を活用できる
高いケイデンスはホイール(車輪)の回転を維持するのに役立ちます。
一度車輪が回転し始めると、その慣性を利用して進むことができるため、モーターの負荷が軽減されます。
これらの要因が組み合わさることで、高いケイデンスでのペダリングがバッテリーの消費量を抑え、結果として航続距離を延ばすことにつながります。
発進の仕方
電動アシスト自転車は、ペダルを踏む力に応じてモーターの補助力が加わる仕組みになっているので、急発進で強くペダルを踏み込むと、モーターは大きな出力を発生し、結果的にバッテリーの消費が増加します。
赤信号や一旦停止の標識などで停止している状態から急発進するよりも、スムーズに発進した方が電動アシスト自転車のバッテリーの減りが少なくなります。
一方、スムーズな発進では、緩やかな加速により、モーターの出力を抑えることができ、バッテリーの消費を少なく抑えられます。
航続距離とは関係ないですが、安全性にも関係します。
電動アシスト自転車は低速(時速10kmまで)の場合、最大(脚の力の2倍)のアシスト力が発生するので、エイッと踏みこんで急発進すると、思うよりも自転車が前に飛び出して危ないです。
航続距離を延ばすコツのまとめ
以上、説明したことをまとめると次のようになります。
● 重量を削減する
自分の体重をすぐに減らすのは難しいですが、必要最低限の荷物にして重量を減らすことで航続距離が伸びます。
BOSCHシミュレーターの例では、重量が10kg減る毎に次のように航続距離が増加:
・平地:航続距離が3.6%増加
・丘陵:航続距離が6.5%増加
・山岳:航続距離が10.8%増加
● バッテリーの消耗が少なくなる走行ルートを選ぶ
【坂道】
同じ目的地を目指す場合、距離は短くても急な坂が続くコースよりも、距離は長くても緩やかな坂が続くコースの方が、バッテリーの消耗が少なく、航続距離が長くなります。
BOSCHシミュレーターの例:
・平地:74km
・丘陵:61km(平地より -19%)
・山岳:40km(平地より -46%)
【路面】
路面の良いアスファルトの道を選ぶと、航続距離が延びます。
BOSCHシミュレーターの例:
・整備されたアスファルト:74km
・砂利道および舗装された林道:57km(アスファルトより -23%)
・未舗装の林道および野道:49km(アスファルトより -34%)
・地面の柔らかい林道:30km(アスファルトより -59%)
【ストップ&ゴー】
信号や一旦停止の回数を減らすために、サイクリングロードや大通りのようなルートを選ぶと航続距離が延びます
BOSCHシミュレーターの例:
・まれ/少々の減速程度(サイクリングロード走行): 80km
・標準的な頻度(郊外走行): 74km(「まれ/少々」より -8%)
・頻繁(市街地): 61km(「まれ/少々」より -24%)
● より細く軽いタイヤに交換する
太くて重く、ゴツゴツしたトレッドパターンのタイヤよりも、細くて軽く、滑らかなトレッドパターンのタイヤを使用すると、航続距離が延びます。
BOSCHシミュレーターの例:
・ロードバイク タイヤ:83km
・ハイブリッド バイク タイヤ:78km(ロードバイク・タイヤの -6%)
・シティバイク タイヤ:74km(ロードバイク・タイヤの -11%)
・MTB タイヤ (エンデューロ):73km(ロードバイク・タイヤの -12%)
● 早めのスピードで走行する
アシストが強く働く低速走行よりも、早めのスピードを保って走行する方がバッテリーの消耗が少なくなります。
平坦な道の場合、目安としては時速18km以上を目指すとよいでしょう。
特にアシストレベルを低めに設定し、「標準」や「エコ」モードを使用すると効果的です。
● 高めのケイデンスでペダルを回す
ケイデンス(1分間にペダルを回す回数)を高めることで、モーターの効率が上がり、バッテリー消費が抑えられます。
40~60回転/分の低いケイデンスの人は、まずは平均で 70回転/分 以上を目指すと良いと思います。
ケイデンスセンサーを付けておらず、数値が分からない場合は、「軽めのギヤでペダルをクルクル回す」ことを意識しましょう。
● 急発進をしない
赤信号や一旦停止の標識などで停止している状態から急発進すると、モーターは大きな出力を発生し、結果的にバッテリーの消費が増えます。
スムーズな発進をするようにしましょう。
電動アシスト自転車の航続距離を伸ばすには、紹介したポイントを押さえるだけで、かなり改善できます。
この記事で紹介した内容が、快適な電動アシスト自転車ライフを楽しむのに少しでも役立てば幸いです。
【走行距離表示の例】